1964年10月15日の夕方、アメリカ・オハイオ州の小さな村フェアファックスで、9歳の親友2人が消えた。ジョニーことジョン・ハンドリーと、ジミーことジェームズ・マッケリー。2人はこの日、1週間前にツケにしていた食事代を払いに、近くのレストランまで歩いて出かけていた。店を出て家へ向かう姿を最後に、2人の足取りはぷつりと途切れる。
警察は当初「家出だろう」と見た。夕食に遅れたことのない子だと家族が訴えても、その見立てはしばらく変わらなかった。3年後には、当時10代の海兵隊員が「2人を殺して埋めた」と名乗り出る。ところが彼はのちにその自白を取り消した。それから60年あまり、2人はいまも見つかっていない。
事件の概要
🗓️ 発生日:1964年10月15日(木)午後4時ごろ
🌫️ 場所:オハイオ州ハミルトン郡フェアファックス(シンシナティ東部の郊外)
👤 被害者:ジョン・E・ハンドリー(9歳)、ジェームズ・A・マッケリー(9歳)。同じフェアファックス小学校の3年生
🔍 状況:近くのレストラン「フリッシュズ」※でツケを払ったあと、ジョンの家へ歩いて帰る途中で行方不明に
🕯️ 現状:遺体も遺留品も見つかっていない。フェアファックス警察の未解決事件として捜査は続いている
※ フリッシュズ:オハイオ州を中心に展開するハンバーガーのレストランチェーン。2人が行ったのは、シンシナティのウースター・パイク沿いにあった「メインライナー」という店舗。
2人は3ブロックしか離れていない家に住み、片方を見かければもう片方も必ずそばにいる、と言われるほどの仲だった。ジョンは身長約122センチ、ジェームズは約107センチ。年齢のわりにも小柄な2人だった。
事件の前日、2人はちょっとした騒ぎを起こしている。近所では下水道の工事が進んでいて、2人は掘り返された下水管の溝に入って遊んでいた。泥だらけで帰ってきたジェームズを父親は叱り、「工事現場には近づくな。明日は学校から真っすぐ帰ってこい」と言い聞かせた。
翌15日、ジェームズは言われたとおり学校から真っすぐ帰宅した。しかしすぐに裏口から出て、ジョンと落ち合っている。ジョンも午後3時半ごろに帰宅し、家にいた20歳の姉ボニーさんに見送られて、空き瓶を換金しに近所の店へ出かけた。ボニーさんは夕食を作り、6時には帰ってくるものと思っていた。
6時を過ぎてもジョンは戻らなかった。ボニーさんは友だちの家に電話をかけ、外で名前を呼んで回ったが返事はない。仕事から帰った母親が警察に通報したのは、午後8時半ごろ(資料によっては10時半)だった。駆けつけた警察の第一声を、ボニーさんはのちにこう振り返っている。「あの子はただ家出しただけですよ、と言われたんです」。
この年のフェアファックスは、ただでさえ揺れていた。2か月前の8月、村の4歳の女の子が行方不明になり、数日後に遺体で見つかる事件があったばかりだった。近所に住む13歳の少年が罪を認めている。ジョンとジェームズも、女の子が見つかる前の捜索を手伝っていたという。2つの事件を結びつける噂も流れたが、当局は関連は見つからなかったとしている。
判明している事実
最後に目撃されたのはレストランからの帰り道
2人は1週間前、フリッシュズで食事をして代金を払っていなかった。この日はジェームズが親から渡された1ドル4セントを持って、そのツケを払いに行っている。FBIが2010年に出した手配書では、2人はこの店からジョンの家へ歩いて帰る姿を最後に目撃されたとされる。学校のほうへ向かったという説もあり、資料によって少し食い違う。
誰も知らない20ドル札
元スレの投稿者が当時の報道をもとにまとめたところでは、2人はこの支払いに20ドル札を出したという。誰も2人がそんな大金を持っていたとは知らず、どこで手に入れたのかも分かっていない。1964年の20ドルは、子どもの小遣いとしては桁違いの額だった。ただし、近年の地元紙やテレビ局の記事はこの20ドル札に触れておらず、どこまで確かな話かははっきりしない。
埋め戻された下水工事の溝を掘り返した
2人が前日に遊んでいた工事の溝は、15日の夕方のうちに作業員が埋め戻していた。2人がもう一度そこへ行き、土砂に埋もれたのではないか。そう考えた警察は20日、深さ約6メートルの溝を掘り返したが、2時間の作業で何も見つからなかった。のちに村の別の工事現場でも配管の溝が掘られたが、結果は同じだった。
捜索はフェアファックスの外へも広がった
警察とボランティアは空き家、森の広がるオールト・パーク、鉄道の橋、リトル・マイアミ川までの野原を探した。鉄道会社は側線に止まっている貨車を調べ、鉄道の検査員の1人は、翌16日に近くのボンドヒル操車場でジェームズらしき少年がもう1人の少年と一緒にいるのを見たと「確信」していた。貨物列車に飛び乗ったのでは、という見方から、捜査はケンタッキー、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、カリフォルニアの各州にまで及んだ。
3年後の自白と、その撤回
1967年9月、フェアファックス出身でサンディエゴに配属されていた17歳の海兵隊員が、教会の牧師に「2人を殺した」と打ち明けた。彼はその数日前から無許可離隊※中だった。話によれば、ジェームズの兄との揉めごとの「仕返し」に、名前を明かさない共犯者と2人で子どもたちを森へ誘い出して刃物で殺し、近くに埋めたという。警察は彼の昔の家の裏庭を約27メートルにわたって掘ったが、凶器は出なかった。埋めたと言った場所も、3年のうちに宅地になっていた。彼はやがて「ベトナムに送られるのが怖くて、海兵隊を除隊になりたくて嘘をついた」と自白を取り消した。ポリグラフ検査も通ったとされ、本人は無実を主張し続けている。起訴されたという記録は見当たらない。
※ 無許可離隊:軍人が許可なく所属部隊を離れること。英語では AWOL(absent without leave)と呼ばれ、軍の規律違反にあたる。
主な仮説
仮説1:工事の穴に落ちて、そのまま埋め戻された
長年この事件を担当してきたフェアファックス警察のマイク・マーフィー刑事が「いちばんありそうだ」と考えている説。前日に叱られるほど夢中になっていた工事現場へ、2人がまた戻った。そこで穴に落ち、事情を知らない作業員が夕方に溝を埋め戻した、という筋書きだ。刑事自身も、警察が掘った場所が違っていた可能性を認めている。弱点は、2人が同時に落ちて、どちらも助けを呼べなかったことになる点だ。
仮説2:何者かに連れ去られた
出どころの分からない20ドル札がこの説の根拠になっている。子どもが自分で手に入れられる額ではなく、誰かが渡したのなら、その人物は2人と顔見知りだった可能性がある。レストランの近くで黒いキャデラックを見たという通報もあったが、マーフィー刑事はこれを重く見ていない。2010年には「父が2人を殺してポーチの下に埋めた」と名乗り出た女性もいた。警察は家族のDNAを取り、遺体探知犬まで使って家を調べたが、何も出なかった。
仮説3:自白した海兵隊員が本当に関わっていた
撤回の理由が不自然だ、という指摘は根強い。子ども2人を殺したと名乗り出れば、戦地の代わりに待っているのは長い刑務所暮らしかもしれない。被害者の家族の一人は、彼とジェームズの兄、さらにジョンの兄の間にトラブルがあったことをネット上で認めている。ジョンの姉ボニーさんは、今の技術でもう一度ポリグラフ検査をしてほしいと訴えてきた。ただ、自白は細部があいまいで、それを裏づける物証は一つも見つかっていない。
仮説4:本当に家出して、遠くへ行った
警察が最初に立てた見立て。ジョンが友だちに「家出したい」と話していたという証言もあり、翌日の操車場での目撃情報は、2人が貨物列車で村を出た可能性を示していた。しかし家族は一貫してこれを否定している。家出の前歴もない小柄な9歳が2人きりで、その後60年間どこにも痕跡を残さなかったことになる。時間がたつにつれて、警察自身もこの説から離れていった。
海外の反応
1. 謎の名無しさん
1964年の20ドルって、今のお金なら200ドルを軽く超えるよな。9歳の子が親に内緒で持っていられる額じゃない。目撃した人の記憶違いか、誰かが渡したかのどっちかだと思う。
2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
自分も子どもの頃は空き瓶を拾って小遣いにしてたけど、1本3〜5セントだったよ。瓶を何十本返しても20ドルにはならない。あのお札がどこから来たのか、ずっと引っかかってる。
3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
そもそも1ドルちょっとのツケに、子どもが20ドル札を出して店が受け取るかね。「レジのお釣りが空になるから、細かいのを持ってまた来なさい」で帰されそうなもんだけど。
4. 謎の名無しさん
関係ない事件だけど、1960年代のオーストラリアのボーモント3兄妹失踪事件※でも、子どもが普段は持たないお札で買い物をして、店の人が不思議に思ったって話がある。大人が子どもを誘い出すときのやり方に見えるんだよな。
※ ボーモント3兄妹失踪事件:1966年1月、南オーストラリア州アデレード近郊のビーチで、9歳・7歳・4歳のきょうだい3人が消えた事件。3人はいまも見つかっていない。
5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
あれは1ポンド札だったはず。オーストラリアがドルに切り替わったのはその直後なんだよね。どっちにしても、子どもが持つには大きなお札だったのは同じだと思う。
6. 謎の名無しさん
警察の最初の見立てが「家出」なのが信じられない。家出の前歴もない9歳の2人組だぞ。夕食に遅れたこともない子が、何を持ってどこへ逃げるっていうんだ。
7. 謎の名無しさん
身長107センチと122センチって、どう見ても小さな子どもだよ。この2人が貨物列車に飛び乗って遠くの町へ、なんてのは映画の中の話だと思う。
8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
当時は今より子どもの体格が小さかったし、成長期も遅かったらしい。年に一度の身体測定の数字をそのまま載せてるのかもね。それでも大人と見間違える大きさじゃないのは確か。
9. 謎の名無しさん
9歳の2人だけで店に入って、しかもツケで食べてたってところに驚いた。今の感覚だと、店から親に電話がかかってくる案件だよ。
10. 謎の名無しさん
昔はそれが普通だったんだよ。うちの親も、小学生の頃は放課後に町じゅうを歩き回ってたって言ってた。子どもへの信頼というか、ゆるかったというか。
11. 謎の名無しさん
自分がいちばん気になるのは前日の下水工事の件。泥だらけで帰って叱られたばかりの子が、翌日またあの穴に行った可能性は十分あると思う。子どもって「行くな」と言われた場所ほど行きたくなるし。
12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
でも警察は実際に掘り返して、何も出なかったんだよね。2時間の作業で深さ6メートルの溝を端から端まで確かめられたのかは疑問だけど。
13. 謎の名無しさん
担当の刑事も「事故で穴に落ちて、そのまま埋められた」がいちばんありそうだと言ってるらしい。ただ、掘った場所が違っていた可能性も認めてる。結局どの溝だったのか誰にも分からないのがつらい。
14. 謎の名無しさん
自白を取り消した理由が分からない。ベトナムに行きたくないのは分かるけど、子ども2人を殺したと名乗り出るのは除隊の方法として最悪だろう。戦地より刑務所のほうがましだと本気で思ったのか?
15. 謎の名無しさん(>>14への返信)
17歳だからね。そこまで先のことは考えてなかったんじゃないかな。大きな事件には、やってもいないのに名乗り出る人が必ず出てくる。注目されたかっただけの嘘に見える。
16. 謎の名無しさん
事件のとき彼は14歳だったわけで、有罪になっても少年として扱われてすぐ出られる、と踏んだのかもしれない。共犯者がいたなら、撤回させたのはベトナムよりそっちの事情だった可能性もある。
17. 謎の名無しさん
動機が「被害者の兄との揉めごと」ってのが弱すぎる。兄に腹が立ったからって、9歳の弟とその友だちまで手にかけるか? 話として筋が通ってない気がする。
18. 謎の名無しさん
兄との揉めごと自体は本当にあったらしいんだよね。被害者側の家族も、両家の兄がそれぞれ彼とトラブルになってたと話してる。全部が作り話ってわけでもないのが厄介なところ。
19. 謎の名無しさん(>>18への返信)
揉めごとは本当で、それを材料に話をふくらませた、って可能性もあるよな。本当のことを少し混ぜると、嘘は信じてもらいやすくなるから。
20. 謎の名無しさん
埋めたと言った場所は、3年の間に宅地になってたって話を読んだ。仮に本当だったとしても確かめようがなかったわけで、そこがいちばんもどかしい。
21. 謎の名無しさん
ポリグラフを通ったって話もあるけど、ポリグラフ自体がそこまで当てになるものじゃないからね。通ったから白、とまでは言えないと思う。逆もまたしかりだけど。
22. 謎の名無しさん
お姉さんが「今の技術でもう一度ポリグラフを」と言ってる気持ちは分かる。60年たっても、家族にとってはまだ何も終わってないんだな。
23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
当時の捜査員はもう全員亡くなってるらしい。記録がどれだけ残ってるかも分からないし、今から何かを掘り起こすのは本当に難しそう。
24. 謎の名無しさん
現場から15分くらいのところに住んでるけど、2人が最後に寄ったフリッシュズの店は1〜2年前に閉店したよ。あの頃を知る場所が、またひとつ消えた感じがする。
25. 謎の名無しさん
オールト・パークのあたりって、高台で眺めのいい、静かな住宅地って印象しかない。あんな場所でこういう消え方をした子がいたのは意外だった。
26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
1964年のフェアファックスは、その2か月前にも幼い女の子の事件があったんだよね。静かな村で立て続けにだから、当時の親たちは相当怖かったと思う。
27. 謎の名無しさん
鉄道の検査員が翌日に操車場で見たって証言も気になる。本当なら2人は少なくとも次の日までは生きていたことになるし、話がまるで変わってくる。
28. 謎の名無しさん
自分はやっぱり事故説かな。20ドル札は目撃者の記憶違いで、下水の穴で遊んでいて落ちた。悲しいけど、それがいちばんありふれた答えだと思う。
29. 謎の名無しさん(>>28への返信)
事故だとすると、2人とも一度に落ちて、2人とも助けを呼べなかったことになる。それはそれで不自然な気がする。どの説にも少しずつ穴があるんだよな。
30. 謎の名無しさん
60年以上たったけど、いつかどこかの工事現場から見つかる日が来るのかもしれない。せめて2人を家族のもとに帰してあげてほしい。
未解決の謎
この事件が60年以上解けない理由は、手がかりが少ないことに尽きる。2人は人目のある昼下がりの通りを歩いていたはずなのに、店を出たあとの確かな目撃証言がない。遺体も衣服も見つからず、事故なのか事件なのかという、いちばん最初の問いにすら答えが出ていない。
残る違和感はいくつもある。親が知らない20ドル札はどこから来たのか。作業員が溝を埋め戻したのは、2人が消えたのと同じ15日の夕方だった。警察が掘った溝は、本当に2人が戻った場所だったのか。そして、3年後に名乗り出た海兵隊員は、なぜ子ども2人の殺害という、取り返しのつかない嘘を選んだのか。それとも、取り消したほうが嘘だったのか。
マーフィー刑事は、いつか遺骨が見つかる日が来るかもしれないと話している。2人はおそらくフェアファックスの近くにいる、というのが当局の見方で、姉のボニーさんも、弟はフェアファックスを出ていないと信じてきた。当時の捜査員はすでに全員亡くなったが、事件はいまも閉じられていない。
出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ / The Charley Project / WCPO / Clermont Sun

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