「これでテッド・バンディの本が閉じるわけではない」52年前に消えた警察署長の娘、DNAの答え

「これでテッド・バンディの本が閉じるわけではない」52年前に消えた警察署長の娘、DNAの答え 未解決事件

1974年10月、米ユタ州で17歳の高校生メリッサ・アン・スミスさんが友人を訪ねたピザ店を出たあと行方が分からなくなり、9日後に山あいの林で遺体となって見つかった。父親は地元ミッドベール市の警察署長だった。連続殺人犯テッド・バンディの犯行と長く疑われながら、正式には誰の犯行とも確定しないまま、事件は半世紀近く「未解決」の棚に置かれてきた。

そして現地時間2026年10月27日、遺体の発見からちょうど52年目のその日に、ユタ州サミット郡の検事※らが会見を開き、DNA鑑定によってバンディの犯行と結論づけたと発表した。犯人はすでに1989年に死刑となっている。それでも、なぜ確定までにこれほどの時間がかかったのか、そしてバンディの手にかかった人はほかに何人いるのか。発表を受けた海外の掲示板の反応とあわせてまとめる。

※ 郡の検事:米国では州の下の「郡」ごとに、選挙で選ばれる検察官(County Attorney)が置かれていることが多い。郡内で起きた事件の起訴・不起訴を判断する立場にある。

事件の概要

🗓️ 発生日:1974年10月18日(行方不明になった日)

🌫️ 場所:ユタ州ミッドベール(ソルトレイクシティの南)で消息を絶ち、サミット郡サミットパーク付近のトール・キャニオンの林で発見

👤 被害者:メリッサ・アン・スミスさん(17歳・高校生)。父親は当時ミッドベール市警察の署長ルイス・スミス氏

🔍 状況:友人を訪ねたピザ店を出たあと行方不明に。9日後の10月27日、狩猟に来ていた人が林の中で遺体を見つけた

🕯️ 結末:2026年10月27日、当局がDNA鑑定でテッド・バンディの犯行と結論。バンディは1989年1月にフロリダ州で死刑が執行されている

テッド・バンディは1970年代に米国の複数の州で若い女性や少女を殺害した連続殺人犯で、ワシントン州、ユタ州、コロラド州、アイダホ州、フロリダ州に被害者がいる。最終的にフロリダ州で3件の殺人で有罪となり、1989年に電気椅子で処刑された。処刑を目前にした最後の日々には、それまで警察も把握していなかったものを含む数多くの犯行を告白したが、そのすべてが裏付けられたわけではない。

1974年の秋は、バンディがワシントン州からユタ州へ移ってきた時期にあたる。この年の10月から11月にかけて、ユタ州では10代の少女が相次いで姿を消した。メリッサさんは、のちにバンディの「ユタでの最初の被害者たち」の一人とみられるようになった。当時の報道や、バンディを個人的に知っていた作家アン・ルールのノンフィクション『The Stranger Beside Me(ストレンジャー・ビサイド・ミー)』でも、メリッサさんの名前は取り上げられている。疑いは濃かった。ただ、それを裏付ける決め手が無いまま年月が過ぎていた。

判明している事実

遺体発見から52年目の発表
発表は現地時間2026年10月27日の合同会見で行われた。AP通信などによると、サミット郡のマーガレット・オルソン検事は、DNAに加えて「パターン、動機、手段、機会」がバンディを指していると説明した。会見にはソルトレイク郡のロージー・リベラ保安官らも同席し、「この事件は証拠を保存しておくことの大切さを示している」と述べた。

決め手は父系に伝わるDNA型
ユタ州の犯罪鑑識ラボは2023年、量が少なかったり、年月で劣化したり、複数人のDNAが混ざったりした試料からでもDNAを取り出せる技術を導入した。報道によると、捜査陣はメリッサさんの検視の際に採られた試料などから、父系に受け継がれるY染色体のDNA型(Y-STR※)を割り出し、バンディの型と照合して一致を確認した。バンディのDNAは、処刑されたフロリダ州に保管されていた。

※ Y-STR:男性だけが持つY染色体上の、繰り返し配列の型。父から息子へほぼそのまま受け継がれる。女性のDNAが多く混ざった試料からでも男性の成分だけを見分けやすい。地元紙カウボーイ・ステート・デイリーによると、この型はFBIの全米DNAデータベース(CODIS)には登録されない種類のデータだという。

きっかけは4月のローラ・エイムさんの確定
同じ1974年の10月31日、ハロウィーンのパーティーを出たあと行方不明になり、アメリカンフォーク・キャニオンで遺体で見つかった17歳のローラ・アン・エイムさんの事件について、ユタ郡保安官事務所が2026年4月1日、新しいDNA鑑定でバンディの犯行と確定したと発表していた。このとき組み上げたバンディのDNA型と、メリッサさんの事件の試料を照らし合わせたことが、今回の結論につながったと報じられている。

告白はあっても「確定」ではなかった
バンディは処刑前の告白で、エイムさんとメリッサさんの件を含む最大30人ほどの殺害を認めたとされる。それでも当局が「確定」と言えなかったのは、これまで手元にあったバンディのDNA型が部分的なもので、事件を閉じるには足りなかったためだと報じられている。本人の言葉だけでは、捜査を終える根拠にならなかったということになる。

遺族は会見に姿を見せなかった
AP通信によると、メリッサさんの両親はすでに亡くなっている。当局は親族に結果を伝えたが、親族は会見への出席や取材への応対を断った。地元紙は、家族は結果に安堵しつつ、報道の注目を避けたいという意向だったと伝えている。

主な仮説

仮説1:52年かかったのは、技術が追いつくのを待っていたから

最も有力な説明は、証拠そのものは昔から保管されていたが、劣化した微量の試料から決定的な型を出せる技術が無かった、というものだ。米NBCの記者は「4年前には実現できなかった」と伝えたという。試料は一度鑑定に使うと失われるので、技術が育つまで手を付けずに残しておく判断もありうる。リベラ保安官の「証拠を保存しておくことの大切さ」という言葉は、半世紀前の捜査員が証拠を捨てずに残したことへの評価でもある。

仮説2:「バンディの犯行」は誰もが知っていた。今回は追認にすぎない

海外の掲示板では「本人が告白しているのに、何をいまさら」という冷めた声も多かった。たしかにメリッサさんの名前は昔からバンディの被害者候補として知られていた。一方で、告白は処刑を遅らせるための取引材料だったとも言われ、すべてが裏付けられたわけではない。告白が事実だったと物証で確かめたことには、それだけで意味があるという見方もできる。

仮説3:まだ結びつけられていない被害者がいる

同じ1974年10月には、ユタ州ホラデーの16歳ナンシー・ウィルコックスさんも姿を消し、遺体はいまも見つかっていない。ソルトレイク郡保安官事務所のベン・ペンダー刑事は「これでテッド・バンディの本が閉じるわけではない」と述べつつ、ウィルコックスさんの件がバンディの犯行かどうかは確信が持てていないとしている。今回の型が整ったことで、ほかの州に残る古い事件でも照合が進む可能性がある。

仮説4:最初の犯行はもっと早かった

ネットでよく語られるのが、1961年にワシントン州タコマで8歳のアン・マリー・バーさんが自宅から消えた事件だ。当時バンディは14歳で近所に住んでいたことから関与を疑う声が根強い。ただし本人は関与を否定していたとされ、遺体も見つかっておらず、物証で結びつける手段は今のところない。あくまで推測の域を出ない説である。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
こいつのせいで迷宮入りになってる事件、世の中にあとどれくらい眠ってるんだろうな。考えると気が遠くなる。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
アン・マリー・バーちゃんの失踪もこいつじゃないかって昔から言われてるよね。最初の犠牲者じゃないかって。当時まだ14歳だったけど、ありえない話じゃないと思う。

3. 謎の名無しさん(>>2への返信)
自分もやったと思ってる。近所に住んでたし、ワシントン時代の初期の犯行では窓から家に入ってる。本人がまだ若かったなら幼い子が狙われたのも筋は通る。でも遺体が見つかってない以上、答えが出る日は来ないんだろうな。

4. 謎の名無しさん
NBCの記者が言ってたけど、これは古くて劣化したDNAを解析する技術が進んだおかげで、4年前だったら無理だったらしい。DNAなんて誰も知らなかった時代に集めた証拠で、技術待ちで手を付けずにいる事件が山ほどありそう。ゾディアックもいけるかもしれない。

5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
父親から息子に受け継がれる型、Y-STRってやつを使ってるんだって。会見を見たけど、サミット郡とソルトレイク郡の保安官が並んで説明してた。今の技術、本当にすごい。

6. 謎の名無しさん(>>5への返信)
父系って言っても、バンディの男の親族を探したわけじゃないよね?自分の理解だと、劣化してたり量が少なかったり、女性のDNAがたくさん混ざってたりする中から、男性の分だけを拾い出す方法なんだと思う。本人の型はもうあったわけだし。

7. 謎の名無しさん(>>6への返信)
そうそう。先に確定してた別の被害者の件で出した型と、メリッサさんの試料を突き合わせたらしい。「本人である確率は260万分の1」みたいな、昔よく聞いた言い方じゃない。数十年でDNA鑑定はとんでもなく進んだ。

8. 謎の名無しさん
「もっといる」っていうのは、はったりじゃなかったんだな。メリッサさんのご家族に、少しでも区切りがつきますように。どうか安らかに、メリッサ。

9. 謎の名無しさん
どの記事にもバンディの顔写真が載ってる。被害者の写真は一枚もない。あいつばかり有名になって、彼女の扱いは一行か二行。

10. 謎の名無しさん(>>9への返信)
それ自分も気になってた。あのクズの顔はみんな知ってるのに、なんでメリッサさんの写真は出てこないんだろう。

11. 謎の名無しさん
80年代の初めからバンディの事件を追ってるけど、被害者一人ひとりの名前を覚えておくようにしてる。自分は被害者の多くと同じ世代の生まれなんだ。他人事に思えない。

12. 謎の名無しさん
あいつは昔から「まだたくさんいる」って言ってたよね。正直ずっと聞き流してた。根っからの嘘つきだったから。でも今回みたいに裏付けが出てくると、考えを改めないといけない。

13. 謎の名無しさん(>>12への返信)
真実はその中間だと思う。見つかってない被害者がいることは本人も分かってたけど、実際は本人が匂わせたよりずっと少ないんじゃないかな。それでも十分おぞましいけど。

14. 謎の名無しさん
メリッサ・スミスさんって、アン・ルールのバンディ本にも出てきたよね。とっくにバンディの被害者として確定してるものだと思ってた。正式に認められてなかったなんて知らなかった。

15. 謎の名無しさん(>>14への返信)
名前を見てすぐ思い出した。調べたら本人が告白してるじゃん。疑いの余地はほぼ無くて、今回は確認しただけ。良いニュースではあるけど、誰も結びつけてなかった人が新たに分かった、って話とは違う。

16. 謎の名無しさん
記事によると、今年ローラ・エイムさんが確定したのがきっかけで、両方の事件の試料を比べたんだって。本人が告白してたのに、それまでは誰も比べようとしなかったの?なんで突然出てきた話みたいに報じてるんだろう。

17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
試料の状態が悪かったか、手持ちを使い切るのが怖くて技術待ちだったんじゃないかな。とはいえ「未解決事件を解決した」って言い方はちょっと盛ってる気はする。分かってたことを証明しただけだよ。

18. 謎の名無しさん
それでも、本人の言葉だけで終わらせなかったのは大事だと思うよ。あいつは処刑を延ばすために告白を小出しにしてたって言われてるし、自分を大きく見せたがるタイプだった。物証で確かめて初めて「事実」になる。

19. 謎の名無しさん
何よりご遺族のことを思う。失ったものは戻らないけど、少なくとも今は分かった。ただ、バンディのファンみたいな連中が家族に押しかけたりしないかが心配。そっとしておいてあげてほしい。

20. 謎の名無しさん
バンディにいまだにファンがいるっていうのが本当に信じられない。当時は全国ニュースのせいで騒がれたのかもしれないけど、何人も殺して家族を壊したと分かった今でもファンを名乗るなんて。家族が会見に出なかったのも無理はない。

21. 謎の名無しさん
お父さんが地元の警察署長だったって知って、胸が詰まった。娘の事件の答えを知らないまま亡くなったんだよね。ご両親が生きているうちに間に合っていたら、と思わずにいられない。

22. 謎の名無しさん
50年前に証拠を捨てずに保管してくれた人たちに感謝したい。当時はDNA鑑定なんて存在しなかったのに、それでも残しておいたから今回の結果がある。地味だけど一番大事な仕事だと思う。

23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
ほんとそれ。保安官も会見で「証拠を保存しておくことの大切さ」って言ってた。逆に、途中で紛失したり廃棄されたりした事件は、どれだけ技術が進んでももう戻ってこない。

24. 謎の名無しさん
コロラドの古い事件でも、バンディと結びつくはずだったのに「関係なし」で片付けられたものがあるんじゃないかって気になる。DNA鑑定の担当者が証拠を雑に扱ってた不祥事があったよね。あれで潰れた事件がどれだけあるのか。

25. 謎の名無しさん
「何百人」とか言う人もいるけど、さすがに無理がある。何十人でも想像を超えてるのに、100人超えなんて理解の範囲外だよ。数字が独り歩きするのはよくないと思う。

26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
本人が告白したのは30人前後で、裏付けが取れているのはそれより少ないって読んだ。捜査側の見立てはもう少し多いらしいけど、結局のところ正確な数は誰にも分からないんだと思う。

27. 謎の名無しさん
ジョンベネちゃんのお父さんも、同じような技術を娘の事件に使ってほしいって働きかけてるって聞いた。今回みたいな結果が出ると、ほかの古い事件の遺族も希望を持つだろうね。

28. 謎の名無しさん
ナンシー・ウィルコックスさんの件はどうなるんだろう。同じ年の同じ時期に消えた16歳で、遺体も見つかってない。刑事は「本が閉じたわけじゃない」と言ってたけど、遺体が無いとDNAで照らし合わせることもできないよね。

29. 謎の名無しさん(>>28への返信)
そこが一番つらいところだと思う。技術がいくら進んでも、照らし合わせる物が無ければ何も言えない。せめて何か手がかりが残っていてほしい。ご家族は50年以上待ってるわけだから。

30. 謎の名無しさん
ユタ郡の捜査員が言ってたらしい「事件を一つ閉じるごとに、テッド・バンディの記憶を踏み消していこう」って言葉が好き。主役はあいつじゃなくて被害者の側であってほしい。メリッサさん、どうか安らかに。

未解決の謎

メリッサ・スミスさんの事件は、犯人が誰かという点では今回で一区切りがついた。当局は捜査を正式に終えたとしている。ただ、確定したのは「誰がやったか」までで、そこに至るまでの時間をめぐる問いは残る。

まず、なぜこれほど時間がかかったのか。報道から分かるのは、バンディ本人の告白があっても、手元にあった彼のDNA型が部分的なもので事件を閉じる根拠に足りなかったこと、そして劣化した微量の試料から型を出せる技術がユタ州の鑑識ラボに入ったのが2023年だったことだ。一方で、告白から37年のあいだ、どの段階でどんな照合が試みられ、なぜ実らなかったのかは、今回の報道からは見えてこない。掲示板で「告白があったのになぜ比べなかったのか」と首をかしげる声が出たのも、そのためだろう。試料を使い切るのを避けて技術を待っていたのでは、という推測は筋が通るが、当局がそう説明したわけではない。

次に、ほかの事件との関係である。同じ1974年10月に姿を消したナンシー・ウィルコックスさんは、遺体がいまも見つかっていない。担当の刑事は今回の結論が「テッド・バンディの本を閉じるわけではない」と述べたが、ウィルコックスさんの件がバンディの犯行かどうかは確信が持てていないとしている。バンディが告白したのは30人前後とされるが、その全員が物証で確かめられたわけではなく、実際に何人の命を奪ったのかは今も分かっていない。4月のエイムさんの件で組み上げた型が、ほかの州の古い事件の照合に使われるのかどうかも、今後を見るしかない。

そして、遺族にとっての意味だ。父親のルイス・スミス氏は、娘の事件の結論を知ることなくこの世を去った。家族は結果に安堵しつつも、会見には姿を見せなかった。掲示板で多かったのは、犯人の顔ばかりが報じられ、被害者の名前が一行で済まされることへの違和感だった。メリッサさんは、地元の高校に通う17歳だった。52年目の発表が残したのは、犯人の名前よりも、その一人ひとりの名前を覚えておくことの重さなのかもしれない。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ / AP通信 / CNN / カウボーイ・ステート・デイリー

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