2000年10月、パキスタン南西部のバルチスタン州で、警察が民家に隠されていた石の棺を見つけた。中には金箔を貼った木の棺が納められ、金の冠と金の仮面を着けたミイラが横たわっていた。胸の金の板には楔形文字※で「我は偉大なる王クセルクセス※の娘……我はロドグネなり」と刻まれている。紀元前600年ごろのペルシャの王女の遺体だと発表されると、イランとパキスタンが所有権を争い、隣国アフガニスタンのタリバンまで名乗りを上げた。
※ 楔形文字:粘土板や石に、楔(くさび)のような形の刻み目を並べて書く古代オリエントの文字。古代ペルシャ語もこの文字で書かれた。
※ クセルクセス1世:古代ペルシャ・アケメネス朝の王(在位 紀元前486〜前465年)。ダレイオス1世の子で、ギリシャ遠征で知られる。映画『300〈スリーハンドレッド〉』にもペルシャ王として登場する。
ところが半年後、パキスタン国立博物館の学芸員がまとめた報告書の結論は正反対だった。この「王女」は、1996年ごろに亡くなった20代前半の女性の遺体だったのである。誰が彼女をミイラに仕立てたのか。彼女はどうして亡くなったのか。そして何より、彼女は誰なのか。発見から四半世紀がたったいまも、その名前すら分かっていない。
海外掲示板Redditの r/TrueCrimeDiscussion に2026年に投稿されたこのスレは、5000を超える高評価と200件以上のコメントを集めた。
事件の概要
🗓️ 発見日:2000年10月19日(10月26日の記者会見で「紀元前600年ごろのミイラ」と発表)
🌫️ 場所:パキスタン・バルチスタン州(資料によって州都クエッタとも、同じ州のハランとも書かれている)
👤 被害者:身元不明の女性。死亡時21〜25歳前後、身長約140cm、1996年ごろに亡くなったと推定された
🔍 状況:「クセルクセス王の娘」と刻まれた金の胸当てを着けたミイラが、闇市場で6億ルピー(当時のレートで約1100万ドル)で売りに出されていた(元スレの投稿では2000万ドル)
🕯️ 現状:2001年4月、偽物で殺人の被害者の可能性もあると発表された。殺人事件として捜査されたが、身元も死の経緯も分からないまま、2008年に慈善団体が埋葬した
バルチスタン州は、イランとアフガニスタンの両方と国境を接する州だ。この一帯では、遺跡から盗み出された遺物が国外のコレクターへ流れる密売が、以前から問題になっていた。
ミイラが本物なら、考古学の常識をひっくり返す発見になるはずだった。アケメネス朝※のペルシャでは、エジプトのように遺体をミイラにする習慣はほとんど確認されていない。「ペルシャ人もミイラを作っていたのか」と専門家は驚き、各国の関心が一気に集まった。
※ アケメネス朝:紀元前550年ごろから前330年まで、現在のイランを中心に栄えたペルシャの王朝。アレクサンドロス大王に滅ぼされた。
判明している事実
売り込みのビデオテープから、部族の有力者の家へ
きっかけは1本のビデオテープだった。警察は別の事件を捜査するなかで、アリ・アクバルという男がミイラを売り込む映像を手に入れた。取り調べでアクバルが示したのが部族の有力者ワリ・モハンマド・リーキの家で、10月19日、警察はそこで石棺を見つけた(元スレではアクバルの家とされているが、当時の報道ではリーキの家)。リーキは「イラン人のシャリフ・シャー・バキから受け取った。バキは地震のあとにクエッタ近郊で見つけたと言っていた」と説明したが、バキは見つかっていない。二人は古美術品保護法に違反した疑いで逮捕・起訴された。
10月26日、パキスタンを代表する考古学者アフマド・ハサン・ダニが、記者会見で「紀元前600年ごろのもの」との見方を示した。ミイラは、彫刻を施した石棺の中で金箔張りの人形の木棺に納められ、棺には古代ペルシャの象徴ファラヴァハル※が大きく彫られていた。
※ ファラヴァハル:翼を広げた円盤から人の上半身がのぞく図像。アケメネス朝の王の碑文や浮き彫りに見られ、のちにゾロアスター教の象徴とされるようになった。
発見の7か月前、米国の考古学者のもとに写真が届いていた
このミイラは、警察に見つかる前から売りに出されていた。2000年3月、米メトロポリタン美術館の考古学者オスカー・ホワイト・マスカレラのもとに、ニュージャージー州の男性から「クセルクセス王の娘のミイラが買える」と写真が届いた。パキスタンの業者の代理だった。楔形文字の専門家に写真の銘文を見てもらうと、ダレイオス1世の有名な碑文の文句を写したもので、1930年代より古いとは考えにくいと指摘された。棺の木片の放射性炭素年代測定※でも、結果は約250年前。マスカレラは売り手との連絡を絶ち、FBIを通じて国際刑事警察機構(インターポール)に通報した。
※ 放射性炭素年代測定:木や布、骨などに含まれる炭素の一種が一定の速さで減っていく性質を利用して、その素材が何年前のものかを推定する方法。
イラン、パキスタン、タリバンが「うちのものだ」と主張した
発見が報じられると、所有権争いが始まった。イランの文化遺産機構は王家の遺体だとして返還を求め、ユネスコにも働きかけた。パキスタン考古局は「100%パキスタン領内で見つかった」と譲らず、当時アフガニスタンの大半を支配していたタリバンは、自国から不法に持ち出されたものだと主張した。ところがイランの調査団は、2001年1月14日までに一転して「偽物だ」と断じる。遺体から石油化学製品や洗剤の成分が見つかり、木棺には鉛筆の跡が残っていたという。
胸当ての文法は崩れ、名前はギリシャ語の綴りだった
ドイツのイラン学者リュディガー・シュミットの分析では、胸当ての古代ペルシャ語に文法の誤りが見つかった。「ロドグネ」という名前も、古代ギリシャの文献に残る形の綴りで、古代ペルシャ語なら「ワルデガウナ」のような形になるはずだという。素材も新しかった。遺体の下の葦のむしろは年代測定で古くても50年前のもの。金の飾りは触ると曲がるほど薄く、棺のニスも近年のものだったと報じられている。
「王女」は1996年ごろに亡くなった若い女性だった
カラチのアガ・カーン大学病院でCTスキャンとX線検査を行うと、エジプトのミイラ作りでは体内に残すはずの心臓まで取り除かれていたことが分かった。2001年4月17日、国立博物館の学芸員アスマ・イブラヒムが11ページの報告書を公表し、ミイラは偽物で、殺人の被害者の可能性もあると結論づけた。報告によれば、女性は21〜25歳前後で、1996年ごろに死亡。腰か骨盤のあたりに強い衝撃を受けており、車にはねられた可能性も挙げられた。死後に歯が抜かれ、腹部には重曹や食塩など現代の乾燥剤が詰められていた。背骨や骨盤の損傷の一部は、粉を詰める前に加えられたとみられている。一方で、遺体を調べた法医学者は首の骨折を死因とみたが、事故か故意かは判断できなかったと伝えられる。
警察は殺人事件として捜査を始め、バルチスタン州で複数の容疑者を逮捕した。元スレによれば、頭蓋骨から生前の顔を復元する試みも行われたが、身元の特定にはつながっていない。
主な仮説
仮説1:ミイラを作るために女性が殺された
偽ミイラの「材料」にするため、若い女性が殺されたとする見方。死後まもなく処理されたとみる資料もあり、それが正しければ、古い墓の遺体ではなく亡くなったばかりの遺体が必要だったことになる。ただ、首の骨折が事故か故意かは判断されておらず、殺人を裏付ける決定的な証拠は示されていない。
仮説2:事故などで亡くなった女性の遺体が流用された
腰か骨盤への強い衝撃は、交通事故でも起こりうる。事故や病気で亡くなった女性の遺体を、贋作グループが手に入れたとする説だ。国境地帯の墓から盗まれたという推測もある。ただ、損傷の一部は処理の過程で加えられたとみられ、どこまでが生前の傷なのかははっきりしない。
仮説3:経験を積んだ贋作グループが組織的に作った
少なくとも、解剖や防腐の知識を持つ人と、古代ペルシャの文字をある程度扱える人が関わっていたと考えられている。同じころ、ほかにも2体の「ペルシャのミイラ」が売りに出されていたと伝えられた。イブラヒムは、2017年にパキスタン紙ドーンが伝えた講演で、この事件の記録と英BBCのドキュメンタリーが偽ミイラの流通を止めたと話している。
仮説4:遺体は国境の向こうから運ばれてきた
リーキの説明どおりイラン人から渡ったのなら、女性はイラン側、あるいはアフガニスタン側で亡くなった人かもしれない。それならパキスタン国内の行方不明者を当たっても見つからないのは当然だ。ただ、バキは見つかっておらず、捜査の目をそらすための作り話だった可能性もある。
海外の反応
1. 謎の名無しさん
奇妙で、悲しい話だ。詐欺が見抜かれたのは本当によかった。いつかこの女性の身元が分かってほしいし、遺体を盗まれた以上のひどい目に遭っていたのなら、関わった連中には裁きを受けてほしい。
2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
残念だけど、彼女の身元や死因の情報はほとんど出てこない。背骨の傷から、交通事故で亡くなってあとで墓から盗まれたって説もある。でも死んでまもなくミイラにされたらしいから、その線は薄いと思う。
3. 謎の名無しさん
事故説なら、はねた本人が事故を隠すために遺体を持ち去ったのかもしれない。ただ、事故を隠すのにわざわざ古代の王女のミイラに仕立てるのは、どう考えても手が込みすぎてる。
4. 謎の名無しさん
アケメネス朝の宗教や文化をちょっとでもかじってれば、あの時代のペルシャ人が遺体をミイラにしなかったことくらい分かる。誰がこれを信じると思ったんだ。
5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
当時はそれこそが大騒ぎの理由だったんだよ。ペルシャ人はミイラを作らなかったと思われてたからこそ、「エジプト以外でも作っていた証拠かも」と期待が膨らんだ。常識外れだから疑ったんじゃなく、常識外れだから飛びついたんだ。
6. 謎の名無しさん
昔、考古学を専攻してた。一般の人は考古学のことなんてほとんど知らないよ。専攻を言ったら建築学と勘違いされたこともある。「ペルシャ人もミイラを作ってた」と言われたら普通に信じると思うし、金持ちが引っかかるのも不思議じゃない。
7. 謎の名無しさん
考古学オタクとして言うと、古美術の市場は想像以上に巨大なんだよ。出どころ不明でも、2600年前のミイラを自分のコレクションに置きたい層は、1000万ドル単位でも「妥当」と考える。作ったのは、小物の偽物や盗掘品で経験を積んできたグループだと思う。目的は最初から偽ミイラで、「死体をどう始末しよう」から始まった話じゃない。
8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
逆もありえると思う。偽物作りの連中がふつうの殺人にも手を染めてて、偽ミイラは死体の捨て場所としてちょうどよかった、とか。偽物のために殺したのか、殺したから偽物にしたのか。順番で事件の見え方が全然変わる。
9. 謎の名無しさん
あちこち調べてみた。女性の身長は140cmほどで、髪は白っぽく、毛先だけ金色だったらしい。首の骨も折れていた。古代エジプトではナトロン※で遺体を乾かしたけど、このミイラには代わりに重曹と食塩が使われてたそうだ。
※ ナトロン:エジプトの塩湖などで採れる天然の塩類。古代エジプトでは、これで遺体の水分を抜いてミイラを作った。
10. 謎の名無しさん(>>9への返信)
一つ引っかかるのが、21〜25歳で髪が白かったってところ。自分は27だけど白髪なんて1本もないし、周りの同年代もまだほとんどいない。薬品で色が抜けたってことはないのかな。
11. 謎の名無しさん(>>10への返信)
若白髪は普通にあるよ。20代で真っ白な知り合いもいる。女性は染めて隠す人が多いから目立たないだけ。それに報道だと遺体も髪も薬品で脱色されてたらしいから、元の髪の色はもう分からないと思う。
12. 謎の名無しさん
どうしてDNA鑑定で身元を探さなかったんだろう。埋葬は2008年だから時間はあったはず。パキスタンで市販のDNA検査キットがどれくらい使われてるのかも気になる。
13. 謎の名無しさん(>>12への返信)
米国の人はよく驚くけど、よその国はそこまでDNAのデータを持ってない。比べる相手のデータがなければ、いくら鑑定しても身元にはたどり着けないんだよ。遺伝子系図調査※は、かなり米国ならではのやり方だと思う。
※ 遺伝子系図調査:市販のDNA検査の利用者データなどから遠い親族を割り出し、家系図をたどって身元を突き止める手法。米国では未解決事件の解決に次々と使われている。
14. 謎の名無しさん
本物の古代ミイラの研究でも、エジプト式の処理はDNAを壊すから取り出すのが難しい、と読んだことがある。犯人たちが手順をそれなりになぞっていたなら、彼女のDNAも傷んでいたのかもしれない。
15. 謎の名無しさん
ミイラを持っていた男たちは、取り調べで何と言ったんだろう。自分には、死体を手に入れるために誰かが女性を殺したように見える。バークとヘア※と同じ構図だよ。
※ バークとヘア:1828年、英国エディンバラでウィリアム・バークとウィリアム・ヘアが16人を殺害し、遺体を解剖学者に売っていた事件。
16. 謎の名無しさん(>>15への返信)
取り調べの中身は、どこを探しても出てこなかった。持っていた男は「イラン人から受け取った」と話したらしいけど、その人物は結局見つかっていない。実在したのかどうかも怪しい。
17. 謎の名無しさん
腰への一撃が原因なら、苦しんだんじゃないかと思うとつらい。スレ主が書いてた復顔を探してるけど見つからない。米国ならNamUs※に載るのに。どうか安らかに。
※ NamUs:米国の行方不明者・身元不明遺体の全国データベース。遺体の特徴や復顔画像が公開され、誰でも照会できる。
18. 謎の名無しさん(>>17への返信)
2001年に英BBCの科学番組『ホライズン』が「The Mystery of the Persian Mummy」という回で取り上げてて、頭蓋骨から復元した顔の3D映像が終盤に出てくるよ。
19. 謎の名無しさん
子どものころ、この事件のドキュメンタリーを見た。棺の彫刻の下書きに鉛筆が使われてたのが決め手の一つだったはず。黒鉛の鉛筆が使われ始めたのは16世紀ごろだから、どう転んでも古代のものにはならない。
20. 謎の名無しさん
ちょっと待って、じゃあ棺も偽物だったってこと? 金の冠や胸当ての金も本物じゃないの? 遺体の話ばかりだけど、そこも気になる。
21. 謎の名無しさん(>>20への返信)
金の飾りは、触っただけで曲がるくらい薄い安物だったと報じられてる。棺の木は250年前くらい、ニスは近年のもの。古い家具の木材を使い回したんじゃないかって見方もある。見た目のわりに、お金はかけてなかったんだね。
22. 謎の名無しさん
「2600年前の遺体だ!展示しよう!」からの「あ、亡くなって数年だった。丁重に埋葬しなきゃ」。じゃあ何年たったら掘り出して見せ物にしていいの? 何年前だろうと失礼な気がする。
23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
2600年前の遺体には、名乗り出る遺族はまずいない。でもこの女性は亡くなってまだ数年だった。家族がどこかで探していたかもしれないんだから、身元を確かめて知らせるのが先だったはず。
24. 謎の名無しさん
「最初から偽物と分かりそう」って言うのは後出しだと思う。国立博物館で会見を開いて、国を代表する考古学者が「紀元前600年ごろ」と言ったんだよ。石棺、金の冠、楔形文字、ファラヴァハルが並んでたら、現場だって舞い上がる。それだけ手の込んだ偽物だった。
25. 謎の名無しさん(>>24への返信)
気持ちは分かるけど、細かいところで辻褄が合ってなかったんだよ。クセルクセス1世の在位は紀元前486年から前465年。その娘なら紀元前5世紀の人で、紀元前600年ごろより100年以上あとになる。発表の時点で、年代と銘文が食い違ってた。
26. 謎の名無しさん
いちばん気になるのは、誰が買うつもりだったのか。億単位の金を出す買い手がいると踏んだから、ここまでの偽物が作られたわけでしょ。売り手が捕まっても、買い手は名前すら出てこない。
27. 謎の名無しさん
皮肉なのは、本物だと思われてたうちはイランもパキスタンもタリバンも取り合ってたのに、偽物と分かった途端に誰も引き取ろうとしなかったこと。慈善団体が埋葬したいと言っても、何年も返事がなかったんだってさ。
28. 謎の名無しさん
調べれば調べるほど、もう誰もこの事件を気にしてないんだなと感じた。当時の記事も注目してたのは詐欺のほうばかりで、亡くなった女性本人のことは、あいまいな説明がちょっとあるだけ。
29. 謎の名無しさん(>>28への返信)
女性として生まれるには、あまりにも過酷な世界だと思う。殺されたのか事故だったのかも分からないまま、偽物の名前を刻まれて見せ物にされたなんて。
30. 謎の名無しさん
海外ドラマ『BONES -骨は語る-』の1話分みたいな話だと思いながら読んでた。でもドラマなら最後に被害者の名前が分かって家族のもとに帰れる。現実は25年たっても、名前ひとつ戻ってきていない。
未解決の謎
「ペルシャの王女」をめぐる騒ぎは、偽物だと分かった途端にしぼんでいった。所有権を争った側は手を引き、世間の関心は詐欺事件としての面白さに向いた。その陰で、女性本人をめぐる捜査はほとんど進まなかった。複数の容疑者が逮捕されたものの、2008年の時点でも捜査の進展は伝えられておらず、誰かが彼女の死について裁かれたという報道も見当たらない。
遺体を引き取ったのは、パキスタンの慈善団体エディ財団※だった。英BBCは2005年8月、財団が遺体を埋葬する方針を示したと報じている。ところが資料によれば、警察や政府は財団の度重なる要請に応じず、彼女がようやく身元不明者の墓地に葬られたのは2008年のことだった。なぜ3年も待たされたのか、理由ははっきりしていない。
※ エディ財団:パキスタンの慈善家アブドゥル・サッタル・エディが創設した、同国最大級の福祉団体。救急車の運行や孤児の保護のほか、引き取り手のない遺体の埋葬も続けてきた。
謎はいくつも残っている。死因ひとつとっても、2001年の報告書は腰か骨盤への強い衝撃を挙げ、法医学者は首の骨折とみた。年齢も、報告書では21〜25歳とされたが、2017年にドーンが伝えたイブラヒムの講演では、骨の発達が16歳前後に見えたと紹介されている。遺体を調達した経路、贋作グループの中心人物、億単位の金を払うつもりだった買い手、そして「イラン人のバキ」が実在したのかどうかも、分からないままだ。
DNA鑑定や遺伝子系図調査が進んだいまなら、別の道が開けたのかもしれない。だが比べる相手のデータがなければ、鑑定は身元につながらない。そして遺体は、すでに土の下にある。彼女がこれまで呼ばれてきた名前は、偽の胸当てに刻まれた「ロドグネ」と「ペルシャの王女」だけだ。誰かがでっち上げたその名前のまま、彼女は眠っている。
出典:r/TrueCrimeDiscussion 元スレ / 参考:米考古学誌『Archaeology』(2001年1・2月号)、BBCニュース(2005年)、パキスタン紙ドーン(2017年)、Trafficking Culture、英語版Wikipedia「Persian Princess」

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