2025年3月30日の夜、アメリカ・ワシントン州アーリントン。21歳のジョナサン・ホアンさんは、ランニングマシンで走っていた父親に「もう寝るね」と声をかけて階下へ降りていった。それが家族が見た最後の姿だった。翌朝、彼は家のどこにもいなかった。上着は全部そのまま残され、代わりに母親のつっかけとiPadがなくなっていた。そして約2か月後の6月23日深夜、自宅から約70キロ離れた別の町の防犯カメラが、戸惑った様子で住宅街を歩く彼の姿をとらえていた。どうやってそこまで行ったのか、そこから先どこへ向かったのか——元スレッドが立った時点でも、まだ何も分かっていない。
事件の概要
🗓️ 失踪日:2025年3月30日(日)午後8時頃
🌫️ 場所:米ワシントン州スノホミッシュ郡アーリントンの自宅
👤 行方不明者:ジョナサン・ホアンさん(当時21歳/現在22歳)、身長178cm・体重61kg、茶色の髪と目
🔍 状況:夜のうちに裏口から一人で外出。上着を残し、母親のつっかけとiPadだけを持って出たとみられる
🕯️ 現在:6月23日にカークランド市の防犯カメラに映って以降、消息不明。情報提供に10万ドルの報奨金
ジョナサンさんは両親と姉妹の一人と暮らし、アーリントンのウェストン高校でトランジション・プログラム※に通っていた。自閉症があり、生活能力は8〜9歳程度と説明されている。自分の名前に応じ、簡単な会話をし、水や食べ物を頼むことはできる。一方で、込み入った問題を自分で解決したり、複雑な助けを求めたりすることは苦手だった。お金の仕組みは分からず、地図も読めず、バスの定期券も持たず、車の運転もできない。両親は生涯にわたって支援が必要と判断され、緊急の後見人※になっていた。
※ トランジション・プログラム:米国の公立高校に置かれた、障害のある生徒が卒業後の生活や就労に移行するための支援課程。18歳以降も在籍できる。
※ 緊急後見人:本人の判断能力を理由に、裁判所が親族などに財産・医療・生活上の決定権を与える米国の制度。日本の成年後見制度に近い。
家族が繰り返し強調しているのは、彼が「家から出ていくタイプではなかった」という点だ。家を離れて支援付きで暮らす選択肢も何度か示されたが、本人は親元に残ることを望んだ。散歩は毎日の習慣で、自宅からスクールバスの停留所までの同じ道を、同じ場所で同じように横断して往復する。道をそれることも、他人の敷地に入ることもなかった。父親のタオさんは息子を「誰に対しても悪く思わない、穏やかで優しい若者」と語り、大人を権威と見なして言われた通りにしてしまう「素直すぎる」ところがあったとも話している。
判明している事実
最後の会話は「もう寝るね」
3月30日の夜、ジョナサンさんは父親に二度話しかけている。一度目は「ランニングマシンの音がうるさくて眠れないから、下の客間で寝ていいか」。二度目は「体調が悪いから明日学校を休みたい」。父親は「音は1時間で終わる」「明日の様子を見て決めよう」と答えた。午後8時頃、階下へ向かう彼に「どこへ行くの」と聞くと「もう寝る」と返ってきた。翌朝6時半、母親が彼のベッドが空だと気づき、家中を探しても見つからず、通報に至った。
上着を残しiPadだけを持ち出した
彼は真夏の32度でも必ず上着を着て外に出る人だった。フードをかぶることが気持ちを落ち着ける手段になっていたからだ。その上着が全部家に残っていた。一方で持ち出されたのは母親のつっかけと、長距離の移動時にしか外へ持ち出さないiPad、そしてiPad用の有線イヤホン。iPadはWi-Fiにつながれば家族に通知が届く設定だったが、4月2日までにバッテリーが切れたと警察は見ており、アップルの位置検索でも捕捉できていない。既知のアカウントにも一切の利用履歴がない。
2か月後、約70キロ先の住宅街に
6月23日の午後11時から翌0時の間、アーリントンから約43マイル(約70キロ)離れたカークランド市サウス・フアニータ地区で、3軒の住宅の防犯カメラが彼らしい人物をとらえた。混乱して道に迷っている様子だったが、身なりは清潔で髪も整っていた。自閉のある人が気持ちを落ち着けるために出す繰り返しの発声(スティミング※)も記録されており、家族と教師はほぼ本人だと判断している。映っていた住宅の一つは、彼の自宅と数字の並びがよく似た番地だった。
※ スティミング:自己刺激行動。手を振る、体を揺らす、同じ音を出すなどを繰り返して、不安や感覚の負荷を自分で調整する行動。自閉のある人によく見られ、個人ごとにパターンが決まっていることが多い。
捜索は10日で打ち切られた
失踪から5日後の4月3日に「危険性の高い行方不明者」向けの緊急アラート※が発令された。地元の捜索は10日間続いたが、手がかりがないとして中止。スノホミッシュ郡保安官事務所は、自宅に残された携帯電話とパソコンも調べたが有力な情報は出なかったと説明している。彼が徒歩で近所を出ていく姿を記録した防犯カメラ映像は、いまのところ見つかっていない。
※ 緊急アラート:米国では行方不明者の状況に応じて複数の警報制度がある。子ども向けの「アンバーアラート」、高齢者や認知症の人向けの「シルバーアラート」などがあり、今回は危険性の高い行方不明者向けの警報が使われた。
家族は郡保安官事務所に正式な苦情を申し立てた
4月11日、家族は捜査の扱いをめぐって正式な苦情を提出している。郡の担当者が州警察の行方不明者担当部門に宛てたメールで、ジョナサンさんは「危険性の高い行方不明者とは見なしていない」「公共交通機関を問題なく使いこなせる」と説明していたことが判明したためだ。彼を知る人からすれば事実と正反対の記述だった。報道や警察が繰り返し使った「高機能」という言葉が、必要な支援の量について世間の認識を歪めた可能性があると家族は訴えている。
主な仮説
仮説1:オンラインで接触した誰かに呼び出された
家族が最も強く疑っているのが、誰かに誘い出されたという線だ。彼は過去にiPad経由でネット上の嫌がらせを受けた経験があり、家族はネットで人と関わるのをやめるよう説得していた。失踪の2週間前に初めてテキストメッセージを送れるようになり、その少し前には教師の手を借りて個人用メールアカウントを作っている。長距離の移動時にしか外へ持ち出さないiPadを、深夜に持って出た点も、この説を支える材料として挙げられている。ただし、アカウントの利用履歴からは今のところ何も出ていない。
仮説2:面識のある大人に連れ出された
彼は毎日ほぼ同じ時刻に同じ道を歩いていた。外から見れば行動が完全に読める状態で、通りかかる人が習慣を把握するのは難しくない。加えて、大人を権威と見なして指示に従いやすい性質があった。地域の生活圏で顔を合わせる誰か——学校のプログラム関係者や近隣の住民など、彼が「知っている大人」であれば、抵抗なく車に乗った可能性はある。ただし現時点で、特定の人物を指し示す証拠は何も公表されていない。
仮説3:本人の判断で外へ出て、そのまま戻れなくなった
静かな場所を求めて外に出ただけ、という見方もある。彼が不安なときに取る行動は「歩く」ことで、客間で寝たいと言ったのも音を避けるためだった。ただし、この説には無理がある。上着を置いていったこと、母親のつっかけを履いていたこと、そして何より地図が読めず定期券も持たず運転もできない人が、一晩で70キロ移動するのは現実的とは言いにくい。自力でカークランドまで行った可能性は「技術的にはあり得るが極めて考えにくい」とされている。
仮説4:6月まで誰かの保護下にあり、そこではぐれた
6月の映像で身なりが清潔だったことから、それまでの約3か月間、誰かが生活の面倒を見ていたのではないかという見方が有力になっている。家族も「誰かと一緒にカークランドにいて、何らかの理由で離れた」と考えている。自分から逃げ出したのか、解放されたのか、目を離した隙に歩き出したのかは分からない。家族は「連れ去った人物に悪意も恨みも持っていない、ただ息子を返してほしいだけだ」と公にコメントしている。
海外の反応
1. 謎の名無しさん
「高機能」という言葉が独り歩きしたのが一番引っかかる。家族や先生が説明している生活能力と、警察が公表していた人物像がまるで別人だ。捜索の優先度にも影響したはずで、そこがずっと納得できない。
2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
ポッドキャストで、警察に彼のことを説明した関係者が「もっと自立している人だと受け取られてしまった」と悔やんでいたと聞いた。伝え方ひとつで扱いが変わってしまうのは怖い。
3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
自分も自閉のある当事者で、外では普通に見えるほうだけど、ここに書かれている支援の必要度で「高機能」はさすがに誤解を招く。言葉の定義が現場でぶれているのが問題だと思う。
4. 謎の名無しさん
カークランドで映っていた場所の番地が、自宅の番地と数字の並びがよく似ているという話が本当なら、彼は家に帰ろうとしていたんじゃないか。数字だけ覚えていて、街が違うことに気づけなかった可能性はある。
5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
自分はまさにその地域に住んでいるけど、近所で一番よく言われている説がそれ。今もチラシを貼り直している人がいる。
6. 謎の名無しさん
2か月も外にいた人が、あんなに清潔で髪も整った状態でカメラに映るとは思えない。誰かの家にいたか、少なくとも面倒を見ていた人がいたと考えるほうが自然だと思う。
7. 謎の名無しさん
雨の多い地域で3月末から6月まで屋外で生活して、あの身なりを保つのは無理がある。食事も自分では作れないと書かれているし、誰かが日常的に支えていたはず。
8. 謎の名無しさん
上着を置いていったのに、iPadだけ持って出たというのが引っかかる。上着は彼にとって落ち着くための道具だったのに、それを忘れるくらい急いでいたのか、そもそも遠くへ行くつもりがなかったのか。
9. 謎の名無しさん(>>8への返信)
母親のつっかけを履いていたというのも、「ちょっとそこまで」の感覚に見える。長い距離を歩くつもりの靴じゃない。
10. 謎の名無しさん
客間で寝たいと言ったのは、単純にランニングマシンの音がうるさかっただけかもしれない。静かな場所に移りたがるのは彼のいつもの落ち着き方だと書かれているし、そこに深読みを重ねるのは危うい気がする。
11. 謎の名無しさん
家を出ていく姿がどの防犯カメラにも残っていない、というのが一番不気味だ。最近の住宅街ならドアホンのカメラが何台もあるはずで、歩いて出たなら一度くらいは映る。
12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
徒歩の痕跡がないなら、家のすぐ前で車に乗ったと考えるしかない。誰かが時間を決めて来ていたことになる。
13. 謎の名無しさん
毎日同じ時間に同じ道を歩いて、渡る場所まで決まっていた。本人にとっては安心のための習慣でも、外から見れば行動が完全に読める。そこを利用されたのだとしたら本当にやりきれない。
14. 謎の名無しさん
父親が「大人に言われたことはその通りにやってしまう」と話していたのが一番怖い。悪意のある人間からすれば、抵抗されない相手ということになってしまう。
15. 謎の名無しさん
ネットでいやがらせを受けていたのに、文字メッセージを送れるようになったのが失踪の2週間前というのがよく分からない。どこで誰とやり取りしていたんだろう。
16. 謎の名無しさん(>>15への返信)
ゲームのボイスチャットなら文字を打つ必要がない。それに動画サイトの検索窓に打ち込めることと、相手に文章を送れることは別の技能だから、片方だけできても不思議じゃない。
17. 謎の名無しさん
覚えた操作を別の場面に持ち込むのが苦手、というのは自閉のある人によくある。学校で習った手順はできても、家で同じことをやってと言われると固まる。だから「できる/できない」の線引きは外からだと本当に難しい。
18. 謎の名無しさん
家族が霊能者やタロットの申し出をはっきり断っていると書かれていた。ああいうものに時間を取られて実際の手がかりが埋もれる例をいくつも見てきたので、この判断は正しいと思う。
19. 謎の名無しさん
朝の電話のくだりだけ、書かれ方のせいか流れが追いにくい。誰がいつ気づいたのかが読み取りづらくて、そこだけ何度も読み返してしまった。
20. 謎の名無しさん(>>19への返信)
家が広ければ普通にあることだと思う。うちも二階から名前を呼んで返事がないと、とりあえず夫に電話してしまう。
21. 謎の名無しさん(>>19への返信)
自分も体調が悪い朝に「まだ家にいる?子どもを送ってくれない?」と夫に電話することがある。もう出勤しているときもあれば、まだいるときもある。珍しい話ではないと思う。
22. 謎の名無しさん
同じ地域で、日常的に支援が必要な若い男性が他にも行方不明になっていると地元では言われている。偶然だと思いたいけれど、続くと不安になる。
23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
それは初めて聞いた。名前や公表されている情報があるなら知りたい。同じ地域なら、まとめて注意を呼びかけたほうが目に留まりやすいはず。
24. 謎の名無しさん
手がかりがないという理由で10日で捜索が打ち切られたのは早すぎる。歩いて出た形跡がないなら、そもそも捜す範囲の設計が間違っていた可能性もある。
25. 謎の名無しさん
10万ドルの報奨金が出ているのに情報が出てこないのが不思議だ。金額としては十分大きいのに、誰も何も見ていないというのは考えにくい。
26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
見かけた人が「住むところがない人だろう」と思って通り過ぎている可能性はある。声をかけないと分からないし、独り言を言っていることもあると家族が説明していた。
27. 謎の名無しさん
父親が息子について「こういう人がもっと世の中にいてほしい」と話していたところで、読んでいて手が止まった。会ったこともない人なのに、無事でいてほしいと本気で思う。
28. 謎の名無しさん
うちにも似た特性の弟がいるので、他人事に思えない。予定が崩れるだけで固まってしまうし、知らない場所では自分から助けを求められない。夜にひとりで外にいると考えるだけで胸が苦しくなる。
29. 謎の名無しさん(>>28への返信)
うちも同じ。いつもの手順がひとつ抜けるだけで、その場から動けなくなる。だから知らない街で二か月というのは、本人にとってどれだけ大変だったかと思う。
30. 謎の名無しさん
6月にカメラに映っていたということは、少なくともその時点では生きていた。だから今も無事でいる可能性は残っている。写真を覚えておいて、それらしい人を見かけたら落ち着いて名前を呼んでほしい。
未解決の謎
この事件で最も説明がつかないのは、移動の手段だ。地図が読めず、お金の使い方も分からず、バスの定期券も持たず、運転もできない人が、一晩のうちに約70キロ先まで移動している。しかも自宅の近所を歩いて離れる姿は、どの防犯カメラにも残っていない。誰かの車に乗ったと考えるのがもっとも自然だが、その相手が誰なのかは分かっていない。
次に分からないのが、3月30日から6月23日までの約3か月だ。カメラに映った彼は清潔で、髪も整っていた。屋外で自活していた人の状態ではない。誰かが食事と寝床を与えていたことになるが、それが善意なのか支配なのかも、その人物がどこにいるのかも、いまだ手がかりが出ていない。そして6月の夜以降、彼の姿はどこにも記録されていない。
もう一つ、この事件が示したのは、言葉の選び方が捜索の速度を変えてしまうということだ。「高機能」という一語が公式の説明に使われたことで、彼は「一人で公共交通を使える成人」として扱われた。実際には、水を飲むのにも許可を求め、初めてテキストメッセージを送ったのが失踪の2週間前という人だった。家族が正式な苦情を出してまで訂正を求めたのは、その一語が初動の温度を決めてしまったと考えているからだろう。
それでも、6月の映像は彼が生きていたことを示している。家族は今も情報を集め、地元では近隣住民がチラシを貼り直し続けている。もし彼らしい人を見かけたら、まず写真か動画を撮り、落ち着いた様子で名前を呼びかけ、本人だと確認できたら911(日本でいう110番)に、その後に情報提供窓口に連絡してほしい——というのが家族の呼びかけだ。怯えさせないこと、そして助けが来るまでそばにいること。それがいま、外部の人間にできる唯一の具体的なことになっている。
出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ / 家族による情報提供サイト findjonathanhoang.com

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