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【1845年】「岩の上にうつ伏せの白骨」170年論争の骨が本人か、DNAが出した答えとは

【1845年】「岩の上にうつ伏せの白骨」170年論争の骨が本人か、DNAが出した答えとは 行方不明・失踪

1845年、北西航路の発見を目指して英国を出航した2隻の軍艦、HMSエレバス号とHMSテラー号。乗組員129名を乗せた最新鋭の遠征隊は、カナダ北極圏の氷の中へ消え、二度と戻ってこなかった。その後40回を超える捜索隊が送り込まれてもなお、彼らに何が起きたのかは断片的にしか分かっていない。そして2025年、DNA鑑定によってさらに4名の乗組員の身元が判明した——その中には、170年近く論争が続いた「ある骨は本当に彼のものか」という謎に決着をつける一人が含まれていた。

※ 北西航路:大西洋から北極海を抜けて太平洋へ至る航路。当時の欧州列強が交易の近道として血眼で探していた未踏のルート。

事件の概要

🗓️ 出航:1845年5月、イングランド・グリーンハイズ

🌫️ 場所:カナダ北極圏、キングウィリアム島周辺

👤 対象:フランクリン遠征隊 乗組員129名(全員死亡)

🔍 状況:北西航路探索中に氷に閉ざされ、消息を絶つ

🕯️ 結末:2014年エレバス号、2016年テラー号の船体を発見。DNA鑑定で身元同定が進行中

遠征を率いたのは、当時59歳のベテラン極地探検家サー・ジョン・フランクリン。エレバス号とテラー号は蒸気機関と装甲化された船体を備えた、当時最先端の探検船だった。3年分の食料を積み込み、北極圏でも生き延びられるはずの万全の装備で出航した彼らは、グリーンランド沖で捕鯨船に目撃されたのを最後に、歴史から姿を消した。

残された妻レディ・ジェーン・フランクリンの執念もあり、その後数十年にわたって捜索隊が派遣され、骨や遺留品、断片的なメモが次々と見つかっていく。だが「129名がどのように、どの順番で死んでいったのか」という核心は、いまなお氷の下に埋もれたままだ。

判明している事実

2025年、新たに4名の身元が判明
今回DNA鑑定で同定されたのは、エレバス号の上級水兵ウィリアム・オレン、士官従者ジョン・ブリッジェンズ、見習い水兵デイビッド・ヤングの3名と、テラー号の前檣楼長ハリー・ペグラーの計4名。エレバス号の3名は、2024年に同定されたジェームズ・フィッツジェームズ司令官と同じ「エレバス湾」の遺骨群から発見された。

170年論争が続いた「ペグラーの骨」問題
1859年、捜索者フランシス・レオポルド・マクリントックがキングウィリアム島南部で、岩の上にうつ伏せに横たわる白骨を発見した。傍らにはヘアコーム、手帳、そしてハリー・ペグラーの船員証があり、マクリントックはこの遺体をペグラー本人と判断した。だが遺体が着ていたネッカチーフが「船室従者用」の様式だったことから、後の研究者は「これはペグラーではなく、彼の遺品を持っていた友人では」と疑い続けた。

行方不明になった骨と、1本の中足骨
皮肉なことに、論争の的だった骨自体が発見から1世紀の間に紛失してしまった。しかし2019年、同じ発見地点から左足の第一中足骨が回収され、これがDNA鑑定にかけられた。結果、骨はペグラー本人のものと確定。1世紀以上に及ぶ「友人説」に終止符が打たれた。

※ 第一中足骨:足の親指の付け根につながる、甲の部分の骨。小さな骨だが内部に骨密度が高く、古い遺骨でもDNAが比較的残りやすい。

エレバス湾の遺骨が語る最期
エレバス湾で見つかった遺骨群には、刃物による切創——いわゆる人肉食(カニバリズム)の痕跡を示すマークが残っていた。これは遠征隊がかなり追い詰められた段階、おそらく末期にこの場所へたどり着いたことを意味する。彼らが船を捨てて陸を歩いていたのか、氷に閉じ込められた船を取り戻そうとしていたのかは、まだ分かっていない。

遺族のDNAが過去を呼び戻す
今回の同定は、子孫や親族の協力によるDNA照合で実現した。研究チームによれば、まだ照合待ちの遺骨が残っており、今後さらに身元が判明する可能性が高い。180年前に北極で死んだ男たちが、現代の遺伝子技術によって一人ずつ名前を取り戻している。

主な仮説

仮説1:鉛中毒説

長らく有力視されてきたのが、缶詰のはんだや船内の給水システムから溶け出した鉛による中毒説。遺骨からは高濃度の鉛が検出されており、鉛中毒は判断力の低下・倦怠感・幻覚などを引き起こす。129名がまともな判断を下せないまま消耗していった原因として語られてきた。ただし近年の研究では「鉛濃度は当時の英国市民と大差なく、致死的とまでは言えない」という反論も強まっている。

仮説2:壊血病・飢餓・低体温の複合説

3年分積んだ食料も、何年も氷に閉ざされれば底をつく。ビタミンC不足による壊血病、極寒の中での飢餓、そして低体温——これらが複合的に乗組員を蝕んだとする説。エレバス湾の遺骨に残る人肉食の痕跡は、彼らが文字どおり食料を失い極限状態にあったことを物語る。最も「物証と整合する」とされる説でもある。

仮説3:缶詰由来のボツリヌス中毒・食中毒説

遠征隊が積んでいた缶詰は、当時まだ新しい技術で密封が不完全な個体も多かった。腐敗した缶詰によるボツリヌス中毒や食中毒が、出航後の早い段階で多くの乗組員を弱らせ、遠征全体の崩壊を早めたとする説。フランクリン本人を含む初期の死者の多さを説明する材料として挙げられる。

仮説4:致命的な判断ミスの連鎖

そもそも氷に閉じ込められた段階で、船を捨てて1,000マイル以上を徒歩で南下しようとした判断自体が無謀だったとする見方。重い船具やシルバーのカトラリーを引きずって歩いた記録も残り、極限状況での非合理的な行動が、生存可能だったはずの一部の乗組員まで道連れにしたのではないかという指摘がある。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
エレバス号とテラー号の新しい続報が出るたびに嬉しくなる。ここ数年で分かったことの量が本当にすごい。現代の法医学と、2隻の船体が見つかったことで、この悲劇の原因はこれからもっと解き明かされていくと思う。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
ただ残念なことに、船体への潜水調査はもう打ち切られたんだよな。北極の短い夏の間しか潜れないし、難しくて金もかかる。正直、もっと色々分かると期待してたから、見つかったものが思ったより少なくてがっかりしてる。

3. 謎の名無しさん
結局あの骨はずっとペグラーだったわけか。一番シンプルな説明が正解だったってこと、たまにあるよね。それより、エレバス湾で見つかった連中が何をしていたのかが気になる。人肉食の痕跡があるってことは、相当末期だったはず。キャンプから北上して氷の中のエレバス号を取り戻そうとしてたのかな。

4. 謎の名無しさん(>>3への返信)
生き残りがエレバス号にたどり着いて、そこから船を南へ動かして、最終的に沈没地点まで行ったって解釈もできる。そう考えると、船が見つかった場所と遺骨が見つかった場所のズレも辻褄が合ってくる。

5. 謎の名無しさん
170年近く経って、ようやく彼らが名前を取り戻したんだな。ペグラーだと確定して心から良かった。北極の氷の下で名もなき骨だった人たちに、もう一度名前が返ってきたと思うと胸に来るものがある。

6. 謎の名無しさん
このテーマに興味があるなら、ケン・マッグーガンの『Fatal Passage』っていう本がすごく良い。ジョン・レイっていう、最も優秀なのに最も知られていない極地探検家の物語。彼こそが地元のイヌイットから人肉食の証言を最初に持ち帰った人物。読む価値あり。

7. 謎の名無しさん(>>6への返信)
ダン・シモンズの小説『ザ・テラー』もおすすめ。今まで読んだ中でも最高クラスの一冊だった。史実をベースにしつつ、極北の閉塞感と狂気の描写が圧巻。

8. 謎の名無しさん
ペグラーの遺骨を不注意でなくしたのかと思ってイライラしながら読んでたら、紛失したの1859年の発見後だった。つまり1世紀以上前の話。完全に勘違いしてた、ごめん。19世紀の管理を現代基準で責めるのは酷だわ。

9. 謎の名無しさん
これだけ長年の謎が、こんな短期間で次々と解決していくのを見るのは本当にすごい。同時に、ほろ苦くもある。乗組員の家族たちが生涯得られなかった答えを、ようやく今になって得られているわけだから。まだ照合待ちの遺骨もあるみたいだし、これからもっと身元が判明するんだろうな。

10. 謎の名無しさん
鉛中毒説をずっと信じてたけど、最近は「当時のロンドン市民も同じくらい鉛を浴びてた」って研究が出てきて、決定打じゃないって流れになってるらしい。結局、壊血病と飢餓と寒さの合わせ技で少しずつ削られていったってのが一番説得力ある気がする。

11. 謎の名無しさん(>>10への返信)
鉛は「主犯」じゃなくて「共犯」って位置づけが今は妥当なんだと思う。判断力をじわじわ削る効果はあったかもしれないけど、それ単体で129人を殺すほどではなかった、っていう。

12. 謎の名無しさん
缶詰のボツリヌス説が個人的には怖い。出航してわりと早い段階で士官3人が死んでるのって、普通の壊血病の進行より早すぎる。腐った缶詰が初期の死者を出して、指揮系統が崩れたところから雪崩式に全部崩壊したんじゃないかと。

13. 謎の名無しさん
個人的に一番ゾッとするのは、彼らが船を捨てて歩き出したという事実。氷に閉じ込められたとはいえ、船には暖も食料の残りもあったはず。それを捨てて1,000マイル以上を南へ歩こうとした判断は、もう正気じゃなかったのかもしれない。鉛か壊血病か、何かが彼らの理性を奪っていた。

14. 謎の名無しさん(>>13への返信)
しかもボートに銀のカトラリーとか、書き物机とか、生存に何の役にも立たない重い荷物を積んで引きずってた記録があるんだよな。あれを見ると、本当にまともな判断ができる状態じゃなかったんだと痛感する。

15. 謎の名無しさん
イヌイットの口承では、痩せ細った白人たちが氷の上を歩いていたとか、テントの中に複数の遺体があったとか、かなり具体的な証言が残ってる。19世紀の英国人はそれを「未開人の作り話」と切り捨てたけど、後の発見でほとんどが事実だったと裏付けられた。耳を貸していれば、もっと早く真相に近づけたはず。

16. 謎の名無しさん
ジョン・レイがイヌイットから聞いた人肉食の話を本国に持ち帰ったとき、英国社会は激怒して彼を社会的に葬ったんだよな。チャールズ・ディケンズまで反論キャンペーンを張った。「英国紳士がそんなことをするはずがない」っていう体面のために、真実を語った人間が罰せられた典型例。

17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
そして170年後、遺骨の切創痕が彼の証言を完全に裏付けた。レイの名誉が回復されたのは本当に最近のことで、歴史の皮肉を感じる。

18. 謎の名無しさん
最新鋭の蒸気機関付き、装甲船体、3年分の食料。当時の技術の粋を集めた万全の遠征隊が、それでも全滅した。自然の前ではどんな準備も無力になりうるという話として、何度読んでも背筋が寒くなる。

19. 謎の名無しさん
ドラマ版の『ザ・テラー』がきっかけでこの遠征を知った人、結構多いと思う。フィクション要素も入ってるけど、史実の悲惨さの再現度はかなり高い。あれを見てから実際のニュースを追うと、登場人物に名前と顔があったんだと実感できて重い。

20. 謎の名無しさん(>>19への返信)
分かる。今回身元が判明したデイビッド・ヤングは見習い水兵、つまりまだ少年だった。法医学による顔の復元もされてて、それを見ると本当に胸が締めつけられる。こんな子どもが極北で死んでいったのかと。

21. 謎の名無しさん
DNA技術が過去をここまで遡れるようになったのが驚き。「未来が過去に影響を与える」っていう表現が今回のスレで出てたけど、まさにそれ。180年前の北極の悲劇に、現代の遺伝子鑑定で答えを返せるなんて、SFみたいな話だ。

22. 謎の名無しさん
キングウィリアム島って、北極圏の中でも特に過酷な場所だと聞く。夏でも氷が解けきらない年があって、船が何年も閉じ込められることがあった。そんな場所に最新鋭の船で乗り込んだ自信が、逆に命取りになったのかもしれない。

23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
当時の英国海軍には「我々の技術なら北極くらい征服できる」っていう過信があったんだと思う。地元の知恵を持つイヌイットを「劣った民族」と見下して、彼らの生存術を学ぼうとしなかった。その傲慢さが129人を殺したとも言える。

24. 謎の名無しさん
全員死亡が確定してる遠征隊の話なのに、新事実が出るたびにこんなに胸が動かされるのはなぜだろう。たぶん「名もなき悲劇」が「名前のある一人ひとりの死」に変わっていく過程を、リアルタイムで見ているからだと思う。

25. 謎の名無しさん
鉛・壊血病・飢餓・寒さ・人肉食、要素が多すぎて、どの説も部分的には正しいんだろうなと思う。「一つの原因」じゃなくて「あらゆる不運が重なった」のが真相に近い気がする。だからこそ180年経っても議論が終わらない。

26. 謎の名無しさん
個人的に一番知りたいのは、最後の一人がどこで、どうやって死んだのか。129人が一斉に倒れたわけじゃなく、一人、また一人と減っていって、最後まで生き残った誰かがいたはず。その人物の最期の数日を想像すると、言葉が出ない。

27. 謎の名無しさん(>>26への返信)
イヌイットの証言には「最後まで生きていた数人が氷の上を歩いていた」という話がある。もしかしたら、その人たちこそが本国を目指して最後まで諦めなかった生存者だったのかもしれない。記録には残らない、名もなき執念だ。

28. 謎の名無しさん
今回ペグラーの件で「友人説」が消えたのは大きいけど、逆に言えば「じゃあ彼の遺品を持っていたとされる謎の人物」の説も消えたわけで。一つ解決すると別の小さな謎も連動して整理されていくのが、この遠征研究の面白いところ。

29. 謎の名無しさん
潜水調査が打ち切られたのは残念だけど、船体は氷の下で奇跡的に良い状態で保存されてるらしい。いつか技術と予算が整えば、船内から航海日誌が出てくる可能性だってゼロじゃない。それが見つかれば、全滅の経緯が一気に分かるかもしれない。

30. 謎の名無しさん
180年前、北西航路という夢を追って氷に消えた129人。彼らの一人ひとりに、家族がいて、帰りを待つ人がいた。技術が彼らに名前を返し続けている今、せめて全員の身元が判明する日が来てほしい。エレバスとテラーの男たちに安らぎを。

未解決の謎

2025年の新たな4名の同定によって、ペグラーの骨をめぐる170年来の論争には決着がついた。だが、フランクリン遠征隊の核心はいまだ氷の下にある。129名が「どの順番で」「どのように」死んでいったのか——その全体像を再構成できるだけの記録は、まだ一片も見つかっていない。

とりわけ大きな謎は、彼らがなぜ船を捨てて1,000マイル以上の徒歩行を選んだのか、そしてエレバス湾の遺骨が示す末期の人肉食という極限状況に至るまで、生存者たちがどんな道を歩んだのか、である。船を取り戻そうとしたのか、本国を目指したのか。最後の一人がどこで力尽きたのかも、誰も知らない。

鉛中毒・壊血病・飢餓・低体温・食中毒——どの仮説も部分的には証拠と整合するが、129名全員の死を単独で説明できるものはない。最も妥当なのは「あらゆる不運が複合的に重なった緩慢な崩壊」だが、それは結局「決定的な一つの答えはない」と言っているに等しい。

船体は今も北極の氷の下で眠っている。いつか航海日誌や新たな遺骨が見つかれば、最後の数か月の真相が明かされるかもしれない。それまで、エレバスとテラーの男たちが残した最大の謎——全滅への正確な道筋——は、開かれたまま静かに語り継がれていく。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレWikipedia: Franklin’s lost expedition