【1972年】入れ歯に刻まれた名前だけが残された——半世紀身元が分からないままの女性

【1972年】入れ歯に刻まれた名前だけが残された——半世紀身元が分からないままの女性 行方不明・失踪

1972年5月7日、アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア。焼け落ちたまま放置されていた建物の中で、一人の女性が遺体で発見された。死因は絞殺による他殺。だが、この事件が半世紀たっても語られ続けているのは、犯人が捕まっていないからだけではない。彼女には、身元にたどり着けるはずの手がかりが二つも残されていた——上顎の入れ歯に刻まれた「D. Spizzirri」という名前と、前頭部の左右に対称に残る、ロボトミーの痕跡とみられる傷跡である。名前らしきものがあり、医療記録が残っているはずの体がありながら、彼女はいまも「身元不明の女性」のままだ。

※ ロボトミー:前頭葉と脳の他の部位をつなぐ神経線維を切断する外科手術。1930年代末から1950年代にかけて、統合失調症やうつ病などの治療法として世界的に広く行われ、アメリカだけで数万件、日本でも1940年代後半から実施された。しかし術後に意欲や感情、人格そのものが失われてしまう例が相次いだことが分かり、有効な薬物療法の登場とともに姿を消した。手術を受けた人たちは、当時「最善の治療」として差し出されたものを受けた側であり、その多くは本人の十分な同意なしに行われた。

事件の概要

🗓️ 発見日:1972年5月7日(死後およそ6時間と推定)

🌫️ 場所:ペンシルベニア州フィラデルフィア、ウェスト・モンゴメリー通り620番地の廃ビル

👤 被害者:身元不明の女性(推定40〜60歳、白人女性、身長約160センチ、体重約63キロ)

🔍 状況:絞殺による他殺。上顎の入れ歯に「D. Spizzirri」の刻印、前頭部にロボトミーの痕とみられる左右対称の傷跡

🕯️ 現状:発見から50年以上、身元は確定していない(フィラデルフィア検死局 案件番号72-2456)

1972年のフィラデルフィアは、アメリカの他の大都市と同じように、精神科医療の大きな転換期のただ中にあった。1960年代から進んだ脱施設化によって州立の精神病院は次々に規模を縮小し、長く病棟で暮らしていた人々が地域へ戻されていった。だが受け皿となる地域医療や生活支援は整っておらず、帰る家のないまま路上に出る人も珍しくなかった。前頭部にあの傷跡を持つ女性が身元不明のまま亡くなったという事実は、この時代の空気とぴたりと重なる。

※ 脱施設化:精神障害のある人を大規模な収容型病院から地域生活へ移していく政策転換。アメリカでは1963年の地域精神保健センター法などを機に加速したが、地域側の受け入れ態勢が追いつかず、退院した人が生活基盤を失う問題を各地で生んだ。

ただ、この女性については少し様子が違う。爪には薄いピンクのマニキュアが残り、赤・白・青の半袖ブラウスに青いスラックス、金の飾りのついた黒いサンダルという、その日の街に馴染む身なりをしていた。手元には鍵ケースがあり、中には家の鍵を含む3本の鍵が入っていた。つまり彼女には、開けるべき扉がどこかにあったのだ。

判明している事実

入れ歯に刻まれた「D. Spizzirri」
彼女の歯はすべて失われており、上顎に入れ歯が入っていた。その入れ歯には「D. Spizzirri」という文字が刻まれていた。入れ歯に持ち主の名前を入れることは当時決して珍しくなく、身元にたどり着く最短の道に見える。ところがこの名前は、50年以上たっても彼女に名前を返していない。

※ 入れ歯の名入れ:病院や施設では入所者の入れ歯の取り違えを防ぐため、床(しょう)の部分に名前やイニシャルを埋め込むことが行われてきた。歯科技工所が製作時に入れる場合もある。そのため刻まれた名前は、必ずしも装着していた本人の名前とは限らない。譲り受けたものだったり、施設内で入れ替わっていたりする可能性も残る。

前頭部の左右に対称に残る傷跡
前頭部の生え際の中央あたりから斜め後ろへ、長さ約6センチの傷跡が走り、その下の頭蓋にはくぼみがあった。同じ形の傷とくぼみが、反対側にも対称に一つ。検死では、およそ20年前——つまり1950年前後——に前頭葉の手術を受けた痕跡と判断された。ここから、彼女が精神科の施設で長い時間を過ごしていた可能性が浮かび上がった。

下腹部に残る約14センチの手術痕
恥骨のすぐ上に、弧を描く長さ約14センチの手術痕があった。この一本の線が帝王切開なのか、子宮の摘出なのか、それ以外の腹部手術なのか——読み方ひとつで彼女の人生の輪郭は大きく変わる。左の上腕には予防接種の痕とみられる色素の抜けた跡、膝から下と両手の甲には古い細かな傷跡も残っていた。

路上生活者には見えない身なりと持ち物
短い茶髪には白髪がほとんど混じっておらず、推定年齢が40〜60歳という広い幅になった一因はここにあるとみられる。爪の薄いピンクのマニキュア、季節に合った服装、金の飾りのついたサンダル、そして家の鍵を含む3本の鍵。誰かが彼女の身支度を気にかけていたのか、彼女自身がそうしていたのか。いずれにせよ、長く路上で暮らしていた人の姿ではない。

指紋も歯科記録もDNAも「不明」のまま
公開されている記録では、照合に使えるはずの指紋・歯科記録・DNAがいずれも「不明」と記載されている。当時採取されなかったのか、記録が失われたのか、外部からは分からない。彼女はNamUsの身元不明者データベースに案件番号17721として登録され、フィラデルフィア検死局が今も情報提供を受け付けている。

※ NamUs:アメリカ司法省が運営する全国的な行方不明者・身元不明者データベース。遺体の特徴や遺留品を公開し、家族からの届け出やDNAと照合する仕組みで、市民からの情報提供も受け付けている。

主な仮説

仮説1:入れ歯の名前は本人のもので、身元はすでに「候補」まで来ている

もっとも自然な読み方は、刻まれた名前がそのまま彼女の名前だというものだ。実際、この事件を追っていた人たちの調べで、ドロシー・スピッツィーリ(Dorothy Spizzirri)という同姓の女性が浮上している。1929年生まれとされ、1950年ごろには施設で暮らしていた記録があるという。掲示板の書き込みによれば、2022年に検死局へこの候補が伝えられ、遺族もDNA提供に応じる意思を示したところまでは進んだとされる。ただし、それ以降の公的な進展は確認できていない。あくまで未確認の候補であり、確定した身元ではない。

仮説2:名前は本人のものではなく、入れ歯だけが誰かから渡ってきた

逆に、名前が本人のものでない可能性も消えない。入れ歯に名前を入れるのは、取り違えが起きうる環境だったからこそ広まった習慣である。施設内で入れ替わったのかもしれないし、亡くなった人の入れ歯を家族が引き取り、別の人が使い続けたのかもしれない。当時、入れ歯は作り直すのに費用のかかるものだった。この読み方は「名前があるのに50年照会が空振りし続けている」という不可解さを、もっとも素直に説明してしまう。

仮説3:日常的に接していた人物による犯行

発見時、死後およそ6時間と推定されている。殺害から時間はほとんど経っていない。家の鍵を持ち、身支度の整った女性が、なぜ人けのない廃ビルにいたのか。前頭葉の手術を受けた人は判断力や自衛の力を大きく損なわれることがあり、日常的に世話をしている人物との関係に閉じ込められやすい。誰にも届け出られないまま身元不明になっている点も、この読み方と噛み合う。ただし、特定の人物を示す公開情報は一切ない。

仮説4:脱施設化の時代の街で、行きずりの犯行に遭った

1972年当時のこの地区は、空き家と焼け跡が並ぶ荒れた一帯だった。通りすがりの犯行であれば、被害者と加害者を結ぶ線が最初から存在せず、捜査は行き止まりになる。時代背景とも整合するが、鍵や服装から見て彼女が路上で暮らしていたとは考えにくく、「なぜ彼女がそこにいたのか」という一点だけが説明できないまま残る。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
ロボトミーを受けたジェーン・ドウなんて初めて見た。身元不明者の記録は何十件も読んできたけど、頭にあの手術の痕が残っている人に行き当たるとは思わなかった。それだけで彼女が過ごしてきた時間の半分くらいが見えてしまう気がして、正直しばらく言葉が出なかった。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
ちょうど州立の精神病院が次々に閉鎖されて、入院していた人たちが地域に——実際には路上に——出されていた時期だからね。悲しいけれど、この年代にこういう痕跡を持った身元不明者が出てくること自体は、そこまで意外ではないと思う。

3. 謎の名無しさん(>>2への返信)
でも彼女は鍵を持ってたよ。しかも一本は家の鍵。爪にはマニキュアが残っていて、服もきちんとしていた。路上で長く暮らしていた人の持ち物じゃない。親族と同居していたか、術後の影響が比較的軽くて自分の生活を保てていたか、どちらかであってほしい。

4. 謎の名無しさん(>>3への返信)
自分はもっと悲観的な想像をしてしまった。世話をしていた側の人間が手をかけたんじゃないかって。あなたの読み方のほうが当たっていてほしいけど、死後6時間で人けのない廃ビルから見つかっているのが、どうしても引っかかる。

5. 謎の名無しさん
前頭葉の手術を受けた人がどれだけ無防備になるか、あまり想像されていない気がする。自分は電気けいれん療法を受けたことがあるけど、しばらく自分の身を守る判断がまるでできなくなった。脳の機能は結局ほぼ戻ったものの、あの時期に誰かが悪意を向けてきていたら、たぶん何ひとつ抵抗できなかったと思う。

6. 謎の名無しさん(>>5への返信)
体験を書いてくれたのはありがたい。ただ、そこから「だから身内が殺した」まで一気に進む人が多すぎる。今分かっているのは傷跡と入れ歯の名前と持ち物だけで、そこから長編小説を一本書けてしまうくらい、みんな話を足しているのが気になる。

7. 謎の名無しさん
素朴な疑問なんだけど、入れ歯に名前が刻んであるのに、当時の警察はその名前を照会しなかったの?1972年でも、市内の歯科技工所や施設に片っ端から問い合わせれば、それなりに絞り込めそうなものだけど。

8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
少し前の投稿で、ドロシー・スピッツィーリという名前の女性を突き止めた人がいる。1929年生まれで、1950年ごろに施設にいた記録が出てきたらしい。少なくともこの界隈では、かなり有力な候補として扱われている。

9. 謎の名無しさん(>>8への返信)
その件、書き込みを追うと2022年に検死局へ情報が伝えられて、遺族もDNAを出す意思を示したところまでは進んだらしい。でもそこから先の更新が見当たらない。裏付けの書類を探す、というところで止まっているのかもしれない。

10. 謎の名無しさん
名前の刻まれた入れ歯が出てきても、それが本人の名前だとは限らないのが厄介なところ。施設では入れ歯の取り違えが日常的に起きるから名前を入れるわけで、逆に言えば入れ替わることが前提の環境だったということでもある。

11. 謎の名無しさん
亡くなった人の入れ歯を家族が引き取って、別の人が使い続けるというのも昔は普通にあった。今の感覚だとぎょっとするけど、作り直すお金がなければそうなる。刻印を「本人確定」の決め手にできない理由は、そのあたりにもある。

12. 謎の名無しさん
恥骨の少し上に弧を描く切開痕がある、という記載。これって帝王切開の痕じゃないの?長さも位置もそれらしく思えるんだけど、記録の書き方はずいぶん慎重で、そこが逆に気になっている。

13. 謎の名無しさん(>>12への返信)
前頭部の傷と合わせて考えると、自分は不妊手術を疑ってしまう。1930年代から60年代にかけて、施設で暮らしていた人が本人の同意なく手術を受けさせられた例は、決して少なくなかった。もしそうなら、彼女は殺される前から一度、人生を奪われていることになる。

※ 優生思想に基づく強制不妊手術:20世紀前半のアメリカでは、多くの州が「劣った形質を残さない」という誤った考えのもと、精神障害や知的障害があるとされた人に本人の同意なく不妊手術を行う法律を持っていた。同種の政策は日本を含む各国にも存在し、いずれも後に重大な人権侵害として批判されている。

14. 謎の名無しさん
弧を描く下腹部の切開痕は、帝王切開だけでなく子宮の摘出でも卵巣の手術でも、ほぼ同じ位置に残る。そして法医病理医が見て帝王切開だと判断できたのなら、記録にそう書くはず。「切開痕」としか書かれていないのは、断定できなかったということだと思う。

15. 謎の名無しさん
気になって調べた人がいて、フィラデルフィアの墓地の記録には同姓同名の女性が埋葬されていることになっているらしい。ただ写真も確認も付いていなくて、本当にそこに眠っているのかは分からない状態だとか。もしそれが空の墓だったら、話はかなり不気味な方向に転がる。

16. 謎の名無しさん(>>15への返信)
当時は、精神科の病院にいる家族の存在を隠す家が本当に多かった。ローズマリー・ケネディが手術を受けていたことが世間に知られるまで何十年もかかったくらいで、あれは特別な例じゃない。記録の上だけで「静かに亡くなったこと」にされた人は、たぶんもっといる。

17. 謎の名無しさん
墓地のデータベースは誤記の宝庫だよ。自分も家系を調べていて、別の郡の同名の墓地に登録されていた親族を、車で一時間走った先の墓地でようやく見つけたことがある。名前と埋葬地の記録は、一次資料で裏を取らないと本当に当てにならない。

18. 謎の名無しさん
ロボトミーが具体的に何をする手術なのか知らない人も多いと思うけど、前頭葉と脳の他の部分をつなぐ神経の束を切る手術。切ってしまえば元には戻らない。症状が落ち着いたように見えた人もいたけれど、その多くは意欲や感情そのものが薄くなっただけだった。

19. 謎の名無しさん
前頭部の左右に対称の傷とくぼみが残るのは、頭蓋に穴を開けて器具を入れる術式の痕。のちに広まった、目のくぼみから細い器具を差し込む簡易な方法は傷跡がほとんど残らない代わりに、当時から医師の間で強い批判があって、手を出さない医師も多かった。どちらにしてもアメリカだけで数万件が行われている。

20. 謎の名無しさん
精神科の施設で働いている。いまだに、退院したあとに戻れる家も支えてくれる人もいない患者さんが普通にいる。制度の名前や建物が変わっただけで、この女性が置かれていた状況の芯の部分は、半世紀たってもそれほど変わっていない。

21. 謎の名無しさん
1972年5月のこの一帯は、空き家と焼け跡が並ぶような場所だった。廃ビルというのは、人目につかない場所を探した結果として選ばれることが多い。少なくとも、その辺りの地理を知っている人間の行動だと思う。

22. 謎の名無しさん(>>21への返信)
ただ、廃ビルは遺棄された場所であって、そこで襲われたとは限らないよね。死後6時間という推定は「発見が早かった」という意味でしかなくて、どこで何があったのかまでは教えてくれない。移動させられた可能性は残る。

23. 謎の名無しさん
白髪がほとんど混じっていない短い茶髪、というのが個人的にいちばん引っかかる。推定年齢に20年も幅を持たせているのは、この髪と、長い施設生活で年齢の見当がつきにくくなっていたことの両方かもしれない。実際にはかなり若かったんじゃないか。

24. 謎の名無しさん
鍵ケースに家の鍵が入っていたなら、その鍵が開く扉がどこかにあったはず。1972年のうちに近隣の大家や管理人を回っていれば辿れた可能性はあると思う。当時の捜査資料がどこまで残っているのか、それすら外からは見えないのがつらい。

25. 謎の名無しさん(>>24への返信)
当時の都市部では、身元不明の被害者の捜査に人手が割かれないことも多かった。届け出をする家族がいなければ、そのまま記録の底に沈む。彼女の場合、家族が「いなかった」のではなく「届け出られない事情があった」可能性も十分ある。

26. 謎の名無しさん
最大の壁はDNAだと思う。公開記録では「不明」になっていて、そもそも照合できる試料が保存されているのかが分からない。候補の名前が具体的に挙がっていても、確かめる材料がなければ動きようがない。

27. 謎の名無しさん(>>26への返信)
1972年の遺体で試料が残っていなければ、埋葬先から掘り起こすしかない。そのためには裁判所の手続きも予算も必要で、身元不明の一件にそこまで回してもらえるかというと現実は厳しい。それでも、名前の候補が具体的に出ている今なら理由は立つと思う。

28. 謎の名無しさん
読んでいて何度も思ったけど、この人は「治療だ」と言われたものを受けた側で、そのうえで殺された人だ。ロボトミーという言葉だけが独り歩きして見世物のように扱われるのはつらい。名前が戻ってほしい、という気持ちのほうがずっと強い。

29. 謎の名無しさん
まだジェーン・ドウのままなのが不思議で仕方ない。候補の名前が出ているのに登録が更新されていないということは、確認が取れていないか、手続きがどこかで止まっているかのどちらかだと思う。「たぶんこの人」で何年も止まっているのが、いちばんもどかしい。

30. 謎の名無しさん
入れ歯に名前があって、体には手術の記録が残っていて、家の鍵まで持っていた。ここまで手がかりを残していながら、半世紀誰にも呼ばれない名前がある。彼女がドロシーであってもなくても、いつか正しい名前で呼ばれてほしいと思う。

未解決の謎

この事件で不可解なのは、手がかりが少なすぎることではなく、多すぎることだ。上顎の入れ歯には名前が刻まれ、前頭部には二十年前の手術という強い医療的特徴が残り、下腹部にも手術痕があり、手には家の鍵を含む3本の鍵があった。身元不明者の記録としては、むしろ恵まれた部類に入る。それでも半世紀、彼女に名前は戻っていない。

もっとも説明力があるのは「刻まれた名前は本人のもので、身元は候補まで到達しているが、公式に確認する作業が止まっている」という読み方だろう。実際、ネット上の調査ではドロシー・スピッツィーリという候補が挙がり、2022年に検死局へ伝えられ、遺族もDNA提供の意思を示したとされている。ところがそこから先の更新が見当たらない。照合に使えるはずの指紋・歯科記録・DNAが公開記録上すべて「不明」になっていることが、その足踏みの理由かもしれない。

一方で、入れ歯の名前が本人のものではない可能性も消えていない。名前を入れる習慣そのものが、取り違えの起きる環境で生まれたものだからだ。そして誰が彼女を殺したのかという問いに至っては、身近な人物なのか行きずりなのかを分ける材料すら、公開されている範囲には存在しない。

はっきりしているのは、彼女が長い時間を精神科の施設で過ごしたと考えられること、そして1972年5月のあの日、彼女には帰るべき家の鍵があったということだけだ。名前を持ち、鍵を持ち、身支度を整えて出かけた一人の女性が、半世紀「身元不明」と呼ばれ続けている。彼女がドロシーであってもなくても、その名前が返される日は、まだ来ていない。

出典:r/gratefuldoe 元スレNamUs 案件番号17721

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