2022年11月、スウェーデン南部の町ヴァーナモの郊外。重機の作業員が、森の中に建つ廃屋の床で、ミイラ化※した男性の遺体を見つけた。傍らには登山用のバックパック、調理器具、わずかな現金。携帯電話も、身分証も、名前につながるものは何ひとつなかった。
※ ミイラ化:乾燥した環境で遺体から水分が抜け、腐敗が進まないまま長く形が保たれる状態を指す。
それから約4年、スウェーデン警察はこの一件を公表しないまま、静かに身元を探し続けた。そして2026年8月、ついに一般に向けて呼びかけた。公開されたのは顔写真ではなく、彼が背負っていた荷物と、身につけていた小物の写真だった。タイの仏教の護符、半ドル硬貨、そして1970年代より前のスウェーデンの学生服に使われていたという記章。持ち主を語りそうで、何も語らない品々である。
事件の概要
🗓️ 発見日:2022年11月(死亡したのは同年の夏から秋にかけてとみられている)
🌫️ 場所:スウェーデン南部・ヴァーナモ郊外の廃屋
👤 男性:氏名不明。歯の分析から1988年ごろ生まれ(前後16か月の幅)と推定。明るい髪と明るい瞳の色
🔍 状況:簡易的な寝床に毛布をかけた状態で横たわっていた。登山用バックパック、調理器具、少額の現金。携帯電話・身分証はなし。事件性を示す痕跡は確認されていない
🕯️ 現状:発見から約4年、身元は判明していない。DNAなどの情報を保存したうえで、地元の教会が火葬・埋葬する予定
ヴァーナモは、スウェーデン南部スモーランド地方にある人口2万人ほどの町だ。周囲は針葉樹の森と湖が延々と続き、幹線道路を少し外れると人家はまばらになる。この国には「アレマンスレット」※と呼ばれる古い慣習法があり、他人の土地であっても自然の中を歩き、一晩幕営することが広く認められている。森で寝泊まりしながら移動する暮らしが、制度の上でも成り立つ土地柄なのである。
※ アレマンスレット(allemansrätten):スウェーデンの「自然享受権」。私有地であっても、住居の周囲などを避ければ、誰でも歩き、休み、短期間のキャンプをする権利が認められている。日本には対応する制度がない。
そしてもうひとつ、この国には無数の空き家がある。農村部の人口が都市へ流出した結果、手つかずのまま朽ちていく家屋が各地に残されている。男性が見つかったのも、そうした一軒だった。
判明している事実
歯から割り出された「1988年ごろ生まれ」
身分証がないにもかかわらず、警察は生年の推定値を出している。根拠は歯に含まれる炭素の分析※で、精度は前後16か月とされる。つまり1980年代後半の生まれ、亡くなった時点で30代半ばということになる。髪と瞳の色は明るい系統だと発表されている。
※ 炭素14・炭素13分析:冷戦期の大気圏内核実験で大気中の炭素14が急増し、その後は年々減っている。歯のエナメル質は形成された年の炭素の割合をそのまま閉じ込めて変化しないため、そこから逆算して生年を推定できる。歯の身元推定で用いられる手法のひとつ。
身分証も携帯電話もない荷物
男性は簡易的な寝床に横たわり、毛布をかけた状態で見つかった。そばには登山用のバックパックがあり、中には野営と調理のための道具、そして少額の現金。一方で携帯電話、身分証、クレジットカードの類はひとつもなかった。ネット上では「本もノートも地図もペンもなかったのか」という点が繰り返し話題になっている。
持ち物に混じった異国の護符
警察が公開に踏み切った最大の理由が、この小物類である。ブレスレットやキーホルダーの飾りには、米国の半ドル硬貨、黒い装身具、そして座った人物をかたどった金属製のお守りが含まれていた。スレッドの参加者はこれをタイの高僧ルアンプー・トゥアットの護符※だと特定した。さらに、三つの王冠と松明を組み合わせた記章は、1970年代より前のスウェーデンの学生服に付けられていたものだと指摘されている。
※ ルアンプー・トゥアット:17世紀のタイ南部に実在したとされる高僧。その姿をかたどった護符は、旅先での事故を避けるお守りとしてタイで広く信仰されている。
事件性を示す痕跡はない
警察は詳細を伏せたうえで「病気だったことをうかがわせるものがあった」とだけ述べており、死因は公表していない。第三者が関与した形跡は確認されていないという。また、森の中で自給的に暮らす人物は地元警察が把握していることが多いが、この男性は記録になかったとされる。
4年間、公表されなかった
発見から報道までの約4年間、この一件は一般には知られていなかった。警察は名乗り出た関係者とのDNA照合を進めてきたとみられるが、一致は得られていない。背景として、EUの個人データ保護規則※のもとでは犯罪捜査以外の目的でDNA登録簿を照合できず、身元確認の手段が限られる事情が現地の読者から指摘されている。
※ EU一般データ保護規則(GDPR):2018年施行のEUの個人データ保護ルール。DNAなどの生体情報の扱いはとりわけ厳しく、犯罪捜査以外の目的で警察のDNA登録簿を照合することは原則として認められていない。
主な仮説
仮説1:社会とのつながりを断ったスウェーデン人
警察自身が、彼は通常の登山者ではなく、自然の中で自給的に暮らしていた人物ではないかとみている。持ち物もこの線を支持する。バックパックはスウェーデンの老舗アウトドアブランド、ヘグロフスの旧型。下着は現地の子どもがクラブの資金集めに売り歩くことで知られる国内ブランド。カミソリの替刃にはスウェーデン語が印刷されていた。身分証を持ち歩かない習慣もこの国では珍しくない。ただし、その暮らしぶりなら福祉や医療のどこかに記録が残りそうなものだが、警察は彼を把握していなかった。
仮説2:意図的に姿を消した外国からの旅行者
タイの護符、米国の半ドル硬貨、イタリア産のオリーブオイル。国際色のある持ち物から、外国人ではないかという見方もある。もっともこれらはいずれもスウェーデン国内で手に入るもので、決め手にはならない。旅行者だとすれば、身分証も携帯電話もまったく持っていなかったことをどう説明するかが問題になる。「自ら消えることを選んだ旅行者」を想定すれば筋は通り、米国で2018年に見つかった身元不明のハイカー、通称「Mostly Harmless」の事例※を引き合いに出す声も多い。
※ 「Mostly Harmless」:2018年に米フロリダ州のトレイル上のテントで見つかった身元不明男性の通称。名乗った名前も所持品も本名につながらず、2021年に遺伝子系譜による捜査で身元が判明するまで2年以上かかった。
仮説3:病を抱えたまま廃屋にたどり着いた
警察が「病気だったことをうかがわせるもの」と表現している以上、もっとも素直な読み方はこれだろう。体調を崩したまま歩き続け、雨風をしのげる家を見つけて横になり、そのまま医療にかかれずに亡くなった。寝床をこしらえて毛布をかけていた点も、しばらくそこに留まっていたことを示している。判断力が落ちていれば、助けを求めに戻る気力そのものが失われる。
仮説4:暖房による一酸化炭素中毒
現地報道の写真を見た読者から出ている推測で、警察の見解ではない。家は内側から塞がれており、暖炉には使用された跡があるように見える、というものだ。締め切った小屋で火を使えば一酸化炭素は容易に致死量に達する。スウェーデンでは登山者や狩猟者が同じ事故で亡くなる例が今も繰り返し報じられており、真っ先にこの説が挙がるのはそのためでもある。ただし現時点で、これを裏づける発表はない。
海外の反応
1. 謎の名無しさん
持ち物の写真を見たけれど、私に分かる範囲だと全部スウェーデンで買えるものに見える。バックパックもそうだし、裁縫セットなんて私の家の引き出しから出てきてもおかしくない見た目だ。カミソリの替刃にはスウェーデン語が印刷されている。半ドル硬貨は世界中どこでも手に入るから、これだけで外国人と考えるのは早い。北欧の人だと思う。
2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
とはいえ、旅行者でもその手のものは国内のどの店でも普通に買える。滞在が長ければ日用品は現地調達になるから、持ち物がスウェーデン製だからといって国籍まで決まるわけじゃないと思う。
3. 謎の名無しさん
裁縫セットの見た目のほうが引っかかる。ここ10年20年で買うようなものじゃなく、実家の古い箱から持ってきたような品ぞろえに見えた。カミソリの替刃も同じ。装備一式が「今の店で揃えたもの」でないなら、誰かから譲られたか、家に昔からあったものを持ち出したかのどちらかだ。
4. 謎の名無しさん
バックパックはヘグロフスの古いモデル、下着はスウェーデンで子どもがクラブの資金集めに売り歩くあのブランド。この2つが揃った時点で、私は9割方スウェーデン人だと思っている。中古で買った旅行者という線もゼロではないけれど、そこまで想定するのはさすがに無理がある。
5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
一点だけ補足を。新聞には「1988年半ば生まれ」と書かれているけれど、記事をよく読むと前後16か月の幅があると付け加えられている。1986年の終わりから1990年の頭くらいまで、と考えたほうが実態に近い。
6. 謎の名無しさん
身分証がないのに生年が出てくるのが不思議だったけれど、歯に含まれる炭素の分析で推定しているらしい。冷戦期の核実験で大気中の炭素14が跳ね上がり、その後じわじわ減っている。歯のエナメル質はできた年の割合を閉じ込めたまま変わらないから、そこから逆算できるという理屈だそうだ。
7. 謎の名無しさん
スウェーデンで長期の行方不明者はそれほど多くない。この4年、名乗り出た家族とDNAを突き合わせてきたはずなのに一致がないというのが不気味だ。警察も「すぐ分かる」と踏んでいたから、これまで公表を控えていたのではないかと思う。
8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
家族と縁を切っていた人なら説明がつく。1988年生まれということは亡くなった時点で30代半ば。連絡が途絶えていても、家族は「どこかで生きている」と思うだけで、行方不明届を出すという発想にはならない。
9. 謎の名無しさん(>>7への返信)
そもそも探す人がいなかった可能性もある。若いのだから福祉や医療のどこかに記録が残っていそうなものだけど、制度の隙間から落ちる人はこの国にもいる。スウェーデン語に「椅子と椅子の間に落ちる」という言い回しがあるが、まさにそれだ。せめて名前だけでも取り戻してあげてほしい。
10. 謎の名無しさん
写真がとにかく不鮮明でもどかしい。十字架のように見えるペンダントが何なのか判別できない。あれがスウェーデンではありふれた形なら、見当違いを言って申し訳ない。あと細かいことだけれど、あれは1ドル硬貨ではなく半ドル硬貨だ。
11. 謎の名無しさん(>>10への返信)
同感。警察自身が「キーホルダーの飾りが最大の手がかりかもしれない」と言っているのに、出してきた写真がこの画質というのはもったいない。しかも一部は上下が逆さまに写っている。
12. 謎の名無しさん
十字架と言われているものだけど、私には十字架に見えない。三つの王冠と松明を組み合わせた紋章だと思う。三つの王冠はスウェーデンの国章で、並び方もそれらしい。松明が何を表しているのかは分からないままだ。
13. 謎の名無しさん(>>12への返信)
逆画像検索にかけたら、スウェーデンの高校の卒業帽に付ける記章が出てきた。形がほぼ一致する。1970年代より前の学生服に使われていたものらしく、オークションサイトにも同じ品が出品されている。本人のものというより、親か祖父母の代の持ち物ではないだろうか。
14. 謎の名無しさん
スウェーデン人として少しだけ補足を。あの記章は、スポーツや学校、郷土防衛隊で配られたバッジの類だと思う。有名なのは200メートル泳ぎ切ると貰える水泳章で、鉄・銅・銀・金と段階があった。20世紀の前半に山ほどの種類が作られ、50年代には廃れている。だから今から出所をたどるのは、収集家でも相当に難しい。
15. 謎の名無しさん
持ち物の話をもう少し。テントすら持っていないのに、無駄なものも一つもない。身分証を持ち歩かないのはスウェーデン人らしいところで、酒を買うとき以外はまず使わない。私にはこの人が「ルッフェン」※を歩いていたように見える。今どき珍しいけれど、選んでそう生きる人はいる。どんな人であれ、安らかに。
※ ルッフェン(gå på luffen):スウェーデンで19世紀末から20世紀初めにかけて広く見られた放浪生活を指す言い方。定職に就けない、あるいは就かない人が各地を渡り歩いた。日本語なら「渡り者の暮らし」に近い。
16. 謎の名無しさん
あの座った人型のお守りはタイの高僧ルアンプー・トゥアットの護符だ。旅先での事故除けとして信じられていて、タイ東北部の家庭でとくに人気がある。もちろん彼がタイ人だという意味ではなく、旅先で手に入れたか誰かに貰った可能性のほうが高い。ただ、あのデザインはあまり見ない型だ。
17. 謎の名無しさん
小物の並びを見ていると、旅先で少しずつ拾い集めた記念品の箱という印象を受ける。黒い装身具はジェットに見えるし、全体に統一感がまるでない。道中で誰かと交換したものが混ざっていてもおかしくないと思う。
18. 謎の名無しさん
持ち物から人物像を組み立てるのは危ういかもしれない。この国の廃屋には、前の住人の生活道具がそのまま残っていることがある。通りかかったときに気に入ったものを持っていっただけ、という可能性も普通にある。
19. 謎の名無しさん
半ドル硬貨を出身地の手がかりにするのは慎重になったほうがいい。うちの父は30年間、若い頃にフランスで暮らした記念の1フラン硬貨を財布に入れっぱなしにしていた。外国の硬貨を持ち歩く理由なんて、その程度のことが多い。
20. 謎の名無しさん(>>19への返信)
拡大された写真を見ると、硬貨に穴が開いていてキーリングが通っているように見える。財布に入っていたのではなく、ブレスレットかキーホルダーの飾りとして身につけていたのだと思う。だとすると本人にとって意味のあるものだった可能性は上がる。
21. 謎の名無しさん
スウェーデンに住んでいるのにこの件を知らなかった。調べてみると、4年も経ってから報道されたのは、身元不明のまま埋葬される予定だと誰かがメディアに伝えたからだという。そして厄介なのが、こちらの法制度では犯罪捜査以外でDNA登録簿を照合できないことだ。身元確認のために使えないので、決定打を欠いたままになっている。
22. 謎の名無しさん(>>21への返信)
そこはスウェーデンでもたびたび議論になっている。重大な犯罪でなければDNA登録簿を引けないので、身元不明の遺体はどうしても後回しになる。米国のように民間のDNAデータベースを使った系譜捜査をやる土壌が、欧州にはほとんどない。
23. 謎の名無しさん
現地報道の写真を見た限り、家は内側から塞がれていて、暖炉には使った跡があるように見える。だとすると一酸化炭素中毒の可能性が真っ先に浮かぶ。携帯や身分証がないのも、家が内側から閉じられていたのなら誰かが持ち去ったとは考えにくい。旅慣れた人が縁を切って暮らしていて、事故で亡くなった——というのが私の見立てだ。
24. 謎の名無しさん(>>23への返信)
スウェーデンでは今年だけでも、ハイカーや狩猟者が一酸化炭素中毒で亡くなる事故が3件起きている。締め切った小屋で火を使えば普通に死ぬ。だから真っ先にこの説が出てくるのも仕方がない。防げる事故なだけに悔しい。
25. 謎の名無しさん
引っかかるのは、携帯電話がないだけでなく、本もノートも地図もペンも持っていなかったことだ。夜や雨の日をどうやり過ごしていたのだろう。方角はどうやって取っていたのだろう。意図的に全部手放したのか、最初から持たない人だったのか。
26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
すでに具合が悪くて、判断力が落ちた状態でたどり着いたのかもしれない。背負えるだけの荷物で歩いてきて、あの家に入って、そのまま病院に行く気力が出なかった。警察が「病気だったことをうかがわせるものがあった」と言っているのは、そういうことなのではないかと思っている。
27. 謎の名無しさん
装備を何年も更新していない人という印象を受けた。古い道具でも自分のやり方には十分だと思っていたか、単に買い替える余裕がなかったか。アウトドア専門店ではなく、工具も日用品も置いてある量販店で一式を揃えるタイプに見える。
28. 謎の名無しさん(>>27への返信)
スウェーデン人は壊れないかぎり買い替えない。私が単独で山に入るときの装備もほとんどが古いもので、同じ時期のヘグロフスのバックパックを二つ持っている。装備が古いことは、この人の人となりの手がかりにはあまりならないと思う。
29. 謎の名無しさん
数年前、スウェーデンの未解決事件で、容疑者のDNAを米国のデータベースにかけ、昔に移民した遠い親戚をたどって本人に行き着いた例があった。技術的には身元不明の遺体でも同じことができるはずなのに、殺人事件と違ってそこまでの手間をかける建前が立たないのだろう。
30. 謎の名無しさん
4年間、名前のないまま保管され、これから教会が引き取って埋葬する。DNAは残るから、いつか誰かが名乗り出れば繋がる可能性はある。ただ、誰も探していない人の名前は、誰かが探し始めないかぎり戻ってこない。だからこそ警察は写真を出したのだと思う。せめて彼を待っている人が、どこかにいてほしい。
未解決の謎
この一件で分かっていることは、驚くほど少ない。名前が分からない。出身地が分からない。なぜ身分証も携帯電話も持っていなかったのかが分からない。そして、なぜ4年ものあいだ、誰ひとり彼を探しに来なかったのかも分からない。警察が公表しているのは「1988年ごろ生まれ」「明るい髪と瞳」「病気だったことをうかがわせるものがあった」「事件性を示す痕跡はない」という、輪郭だけの情報である。
もっとも妥当に見えるのは、社会とのつながりを断って森を渡り歩いていたスウェーデン国内の男性が、体調を崩した末に空き家で亡くなった、という筋書きだ。持ち物のほとんどが現地で手に入る品であること、身分証を持ち歩かない習慣、テントすら持たない身軽さ——どれもこの見方と噛み合う。事件性が疑われていないことも、この線を後押しする。
それでも違和感は残る。森で自給的に暮らす人物は地元の警察が把握しているのが普通なのに、彼は記録になかった。国内の長期行方不明者は多くないはずなのに、4年かけても該当者が出てこない。そして、タイの護符と半世紀前の学生服の記章と米国の半ドル硬貨が、ひとつのキーホルダーの上に並んでいた理由も分からないままだ。どこかで手に入れた記念品なのか、誰かから受け継いだものなのか、それとも通りかかった空き家で拾ったものなのか。
男性の遺体は地元の教会が引き取り、火葬のうえ埋葬される予定だが、DNAをはじめとする情報は保存される。つまり、いつか誰かが名乗り出れば身元が判明する道は残されている。問題は、その「誰か」が現れるかどうかだ。警察が4年の沈黙を破って持ち物の写真を公開したのは、その一点に賭けたからにほかならない。


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