「あの人が中にいる」——1979年ウェストバージニア、そう言って2階へ上がった二人は戻らなかった

「あの人が中にいる」——1979年ウェストバージニア、そう言って2階へ上がった二人は戻らなかった 未解決事件

1979年7月14日の夜、ウェストバージニア州チャールストンのナイトクラブの駐車場で、デート中の女性が「あ、あの人が中にいる」とつぶやいた。店に入った彼女は「2階で人と話してくる」と席を立ち、数分後、同席していた18歳の青年が後を追って階段を上がった。二人を生きた姿で見た者は、それきり誰もいない。5年後に見つかったのは片方だけだった。47年が過ぎ、答えを待ち続けた家族の多くはすでに世を去っている。米国でも古い部類に入るコールドケースのひとつである。

※ コールドケース:捜査の手がかりが尽き、長期間未解決のまま残された事件のこと。米国では専従の再捜査班を置く警察組織も多い。

事件の概要

🗓️ 発生日:1979年7月14日(最後の目撃は同日午後11時ごろ以降)

🌫️ 場所:ウェストバージニア州チャールストンのナイトクラブ「キングス・イン」

👤 当事者:メイジー・メイ・シグモン=パーマー(当時24歳、近年の報道では25歳とも)/エリック・ファーリー(当時18歳、通称ジェイ)

🔍 状況:デート中、メイジーが「2階で人と話してくる」と席を立ち、数分後にジェイも階段を上がった

🕯️ その後:1984年5月、フェイエット郡の露天掘り鉱山でジェイが遺体で発見。メイジーは今も行方不明

メイジーはシソンビルの実家で両親と暮らしていた。若くして離婚したばかりで、老人ホームで働いた経験があり、ニュージャージー、ペンシルベニア、オクラホマで暮らしたこともある。周囲は彼女を「人を信じやすく、友達思いだった」と語っている。子どもがいたという記録は残っていない。

ジェイは高校を卒業したばかりで、軍に入る予定だった。家族は「いい子だった」と振り返る。二人は失踪までの数週間に何度かデートをしていたが、ジェイの父親によれば「付き合っていたわけではない」という関係だった。

判明している事実

最後の言葉は「あの人が中にいる」
その夜、二人はまずチャールストンのナイトクラブ「ローリン・トゥエンティーズ」で目撃されている。午後11時ごろ、知人の男性の車に乗せてもらい、2マイルほど離れた「キングス・イン」へ移動した。車を降りる前、メイジーは「あ、あの人が中にいる」と口にする。報道によっては「あの人がここにいる」とも伝えられており、言い回しは割れているが、いずれも店内の誰かを認識したという意味になる。運転していた男性にはそれが誰を指すのか分からず、メイジー自身も説明しなかった。

2階へ上がった数分の空白
二人が店内に入り、1階のテーブルで知人と同席したところまでは目撃されている。やがてメイジーが「2階で人と話してくる」と言って席を立ち、数分後にジェイが後を追って階段を上がった。家族が二人の消息をつかめたのは、ここまでである。店を出るところを見たという証言は出ていない。

捜査がつながるまで半年
両家はそれぞれ失踪届を出したが、当初は別々の管轄がそれぞれ別の事件として扱っていた。同じ夜に一緒だった二人だと結びつくまでに半年かかり、その後も一時は「駆け落ちした家出人」として処理されている。家族は一度もその筋書きを信じなかった。

※ 家出人(ランナウェイ)扱い:1970年代の米国では、失踪者を「自らの意思で家を出た」と分類すると事件性なしとされ、本格的な捜査に進まないことが多かった。全国規模の行方不明者データベースが整うのは2000年代に入ってからである。

駆け落ち説と噛み合わない事実
二人とも車を所有しておらず、ジェイに至っては運転免許も持っていなかった。所持品も自宅に残されたままだった。時間が経つほど「二人で姿を消した」という説明は成り立たなくなっていったが、家族が宙づりにされた時間は5年に及んだ。

5年後の鉱山、見つかったのは片方だけ
1984年5月、チャールストンから約30マイル(車で45分ほど)離れたフェイエット郡の露天掘り鉱山で、警備員が遺体を発見した。身元はエリック・ファーリーと確認され、警察は殺人事件として扱っている。周辺からメイジーの痕跡は一切見つからなかった。捜査当局は「メイジーがジェイを殺害・傷害した可能性は考えていない」と明言している。彼女に前科はなく、バイクのクラブや薬物が動く界隈に出入りしていた時期はあったものの、本人がそれに手を出していたわけではないとされる。

※ 露天掘り鉱山:山の斜面や地表を削って石炭を採る方式。ウェストバージニア州には広大な採掘跡が点在し、人の出入りがほとんどない区域が多い。

主な仮説

仮説1:鍵は「2階で会った相手」

もっとも具体的な手がかりは、駐車場での一言と、彼女が自分から2階へ向かったという事実だ。誰かがそこにいると分かった上で、話をしに行っている。ジェイが追いかけたのは、戻りが遅いか様子がおかしいと感じたからだろう。この読み方に立てば、答えは遺体が見つかった鉱山ではなく、キングス・インの2階にある。

仮説2:離婚したばかりの元夫をめぐる線

メイジーは失踪の少し前に離婚している。「あの人」を元夫と読む人は当時から多い。ただし離婚が円満だったのか、付きまといがあったのかといった経緯は公開されておらず、当時の捜査で元夫がどこまで調べられたのかも外からは分からない。

仮説3:過去の交友関係が引き金になった

彼女が出入りしていた界隈の誰かとの間に、本人が忘れていたようなトラブルが残っていた、という見立て。ジェイは巻き込まれただけということになる。捜査線上に名前が挙がった人物は存在するが、公的記録は今も「事件との結びつきは確認されていない」としており、この仮説を裏づける公表証拠もない。

仮説4:メイジーはどこかで身元不明のままになっている

まだ見つかっていないだけ、という可能性のほかに、別の州で身元不明の遺体(米国ではジェーン・ドウと呼ばれる)として記録されながら照合されていない、という可能性も指摘されている。彼女は複数の州で暮らし、記録上いくつもの別名が残っている。1979年当時はDNA型鑑定も全国データベースもなく、名前が一致しなければそこで捜索は止まった。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
まず浮かぶのは元夫の線。ただ、彼女が昔バイクのクラブや薬物が動く界隈に出入りしていたという話も引っかかる。あと、記録に残っている別名が10個近くあるのは何なんだ。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
調べたら捜査線上に名前が挙がっている人物もいるらしい。ただ、そちらの名前が出たということは元夫はもう除外されたという意味なのか、並行して見ているだけなのか、そこが分からない。

3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
別名の並びが妙なんだよ。愛称の揺れみたいなものじゃなくて、まったく別の名前がいくつも並んでいる。普通に暮らしていてこうはならない。

4. 謎の名無しさん
車を降りる前の「あ、あの人が中にいる」——報道によっては「あの人がここにいる」となっているけど、どちらにせよ店内の誰かを認識したということ。この一言が事件の中心だと思う。

5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
同乗していた男性には誰のことか分からず、彼女も説明しなかったんだよね。日常的に会う相手なら名前を出して「◯◯がいる」と言いそうなものだけど。

6. 謎の名無しさん
2階に上がったところまでは証言があるのに、店を出るところを見た人が一人もいないのが不気味すぎる。夜のナイトクラブに他の客がいなかったわけがない。

7. 謎の名無しさん(>>6への返信)
裏口か外階段があったんじゃないかと想像している。1階を通らずに外へ出られる経路があれば、誰にも見られないのは説明がつく。

8. 謎の名無しさん
二つの失踪が同じ事件だと結びつくまで半年かかったのが理解できない。家族はどちらも「あの晩、二人で出かけた」と警察に話していたはずだろう。

9. 謎の名無しさん(>>8への返信)
郡が違うと当時は本当につながらなかった。紙の書類と電話しかない時代で、隣の管轄が何を抱えているかなんて誰も見ていない。今なら数日で照合される話。

10. 謎の名無しさん
駆け落ち説がどう考えても無理筋。二人とも車を持っておらず、片方は免許すら持っていない。荷物も家に置いたまま。それで5年も家出人として処理されていたのがきつい。

11. 謎の名無しさん
24歳か25歳かは報道でも割れているんだな。いずれにせよ相手は高校を出たばかりの18歳。何も知らないまま巻き込まれたのだとしたら気の毒すぎる。

12. 謎の名無しさん
30マイル離れた鉱山まで移動するには車が要る。しかも夜に、人目につかない場所を選んで。土地勘のある人間の動きだし、一人でやったのかどうかも怪しい。

13. 謎の名無しさん(>>12への返信)
あの州の採掘跡は本当に無数にあって、地元の人間なら「あそこは誰も来ない」という場所をいくつも知っている。逆に、よそから来た人間があの場所を選ぶとは考えにくい。

14. 謎の名無しさん
2階には何があったんだ?客が普通に上がれるフロアだったのか、事務所や倉庫だったのか、それとも特定のグループのたまり場だったのか。そこが分かるだけで話がかなり変わる。

15. 謎の名無しさん(>>14への返信)
全部いい質問だと思う。それと、店の従業員やバーテンダーの証言が一切出てこないのも不思議だ。当時ちゃんと聞き取りが行われたのかすら分からない。

16. 謎の名無しさん
別名の多さは「新しい人生を始めた証拠」というより、もし早い段階でどこかで見つかっていても身元が特定できなかった要因のほうだと思う。

17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
姉妹の出生証明書を持ち、その生年月日を使っていた可能性があるという記述も見た。歯の記録も指紋も残っていないとなると、照合の手がかりはDNAだけになる。

18. 謎の名無しさん
名前が挙がった人物や元夫に寄りかかりすぎるのは危ういと思う。公的な記録は今も「事件との結びつきは確認されていない」としている。いちばん確かなのは、彼女が誰かに気づいて自分から2階へ上がり、彼が後を追ったという事実のほうだ。

19. 謎の名無しさん
自分は元夫でも名前の挙がった人物でもない気がする。もっと前、彼女があの界隈にいた頃につながった誰かじゃないか。ただ、離婚がどういう別れ方だったのかは知りたい。

20. 謎の名無しさん
18歳、卒業したてで軍に入る予定だった。人生がこれから始まるところで終わっている。数回デートしただけの相手と出かけた夜に、というのが本当にやりきれない。

21. 謎の名無しさん
見つけたのが鉱山の警備員だったということは、完全な無人地帯ではなかったわけだよな。人が回っていた場所で5年も気づかれなかったのか。

22. 謎の名無しさん(>>21への返信)
5年見つからなかったのは、そもそも誰も探していなかったからだと思う。駆け落ちした家出人として処理されていた間、本気の捜索は行われていないはずだ。

23. 謎の名無しさん
一番こたえるのは、答えを待っていた家族の多くがもう亡くなっていること。47年というのはそういう長さだ。仮に解けたとして、それを聞ける人がどれだけ残っているのか。

24. 謎の名無しさん
「あの人」を元夫だと決めつけないほうがいい。単なる知り合いかもしれないし、顔を合わせたくない相手だったのかもしれない。声のトーンが分からない以上、そこは開いたままにしておくべきだ。

25. 謎の名無しさん(>>24への返信)
ただ、避けたい相手なら店を出るという選択もあったのに、実際には自分から2階へ上がっている。会う必要があった相手か、会えるとは思っていなかった相手か、どちらかだろう。

26. 謎の名無しさん
あの州の出身だけど、田舎の町は今もそんなに変わっていない。誰が何をしていたかはみんな知っている。だからこそ47年も誰も口を割らないのが逆に不自然に感じる。

27. 謎の名無しさん(>>26への返信)
小さい町ほど噂は残るけど、噂と証言はまったく別物だからな。当時から「あれは誰々だ」という話はあったのかもしれない。それを警察の前で言える人がいなかっただけで。

28. 謎の名無しさん
父親が「何度かデートはしたが付き合ってはいなかった」と言ったという部分、息子を守ろうとした言い方にも読める。関係が浅いなら巻き込まれる理由もない、という意味で。

29. 謎の名無しさん
彼女が今も生きている可能性は正直低いと思う。ただ、別の州で身元不明のまま記録されて照合されていない可能性はある。複数の州で暮らし、名前も一つではなかった人だ。

30. 謎の名無しさん
保安官事務所は今も情報を受け付けている。47年前のあの夜、店にいた人がまだ生きているなら、覚えていることを話してほしい。もう誰かを守らなくていい時間が過ぎている。

未解決の謎

この事件が解けない理由は、失われた時間の長さにほぼ尽きる。二つの失踪が同じ事件だと結びつくまで半年、その後も「駆け落ち」として扱われた期間があり、本格的な捜査が動き出したときには最初の夜から何年も経っていた。ナイトクラブの客も従業員も散り、建物はすでに存在しない。

もっとも妥当に思えるのは、答えがキングス・インの2階にあるという読み方だ。彼女は誰かに気づき、自分から会いに行った。彼はそれを追った。二人が同じ夜に姿を消した以上、階段の上にいた人物がこの事件の中心にいる可能性は高い。

それでも違和感は残る。夜のナイトクラブで、二人が店を出るところを誰一人見ていないこと。そして5年後に片方だけが、街から30マイル離れた鉱山跡で見つかったこと。同じ相手の手にかかったのなら、なぜ一方の行方だけが47年も分からないままなのか。

答えを待っていた家族の多くは、すでに亡くなっている。それでも当時あの店にいた誰かが生きているなら、記憶はまだ失われていない。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ

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