【2018年】「病欠の電話は本人だったのか」——シカゴで消えた妊娠3ヶ月の郵便配達員

【2018年】「病欠の電話は本人だったのか」——シカゴで消えた妊娠3ヶ月の郵便配達員 行方不明・失踪

2018年10月2日、シカゴ南部の住宅街で、26歳の郵便配達員が姿を消した。妊娠3ヶ月。ベビー用品を熱心に調べ、体にいい食事を心がけ、家族とほぼ毎日ビデオ通話をしていた女性である。その日、彼女の職場には「体調が悪いので休む」という連絡が入った。だが後になって、その連絡が本人からのものだったのかどうか、誰も確認できていないことが分かる。

自宅前に停められた車の中には、財布も、携帯電話も、翌日の勤務に持っていくはずだった弁当も、そのまま残されていた。7年以上が過ぎた今も、彼女の行方は分かっていない。

事件の概要

🗓️ 発生日:2018年10月2日(最後に所在が確認された日)

🌫️ 場所:米イリノイ州シカゴ市南部・チャタム地区

👤 被害者:キエラ・ミシェル・コールズさん(当時26歳・妊娠3ヶ月)

🔍 状況:職場に病欠の連絡が入ったまま出勤せず、10月4日の安否確認で不在が判明。自宅前の車には財布・携帯電話・翌日分の弁当が残されていた

🕯️ 発見/結末:現在まで発見されていない。シカゴ市警は事件性を疑っているが容疑者は公表しておらず、捜査は中断状態にある

キエラさんは5人きょうだいの一人で、アメリカ合衆国郵便公社に季節労働の郵便物仕分け係として入り、そこから正規の配達員になった。勤務歴は数年。家族の住む地区の近くに部屋を借り、フルタイムで働きながら、仕事そのものを気に入っていたと家族は語っている。

※ アメリカ合衆国郵便公社(USPS):全米の郵便配達を担う連邦政府の独立機関。職員の勤怠は職員番号と専用システムで管理され、病欠の申請にも所定の手続きが必要になる。

暮らしていたのはチャタム地区。5年つき合っていた交際相手がいたが、同居はしていなかった。妊娠が分かってからの彼女は、家族の証言によれば「母親になることを心から楽しみにしていた」という。SNSの更新も、家族への電話も、毎日のように続いていた。だからこそ、10月4日になっても連絡が取れないことを不審に思った母親のカレンさんが、警察に安否確認を依頼した。駆けつけた警察官が見たのは、誰もいない部屋だった。

※ チャタム地区:シカゴ市南部(サウスサイド)にある住宅地区。中産階級の黒人コミュニティが根づいた地域として知られる。

※ 安否確認(ウェルネスチェック):家族などの依頼を受けて警察官が自宅を訪ね、本人の無事を確かめる米国の制度。連絡が途絶えた場合の第一報として使われることが多い。

判明している事実

車に残されていたもの
キエラさんの車は、自宅アパート前に停められた状態で見つかった。中には財布、携帯電話、そして翌日の勤務に持っていくために用意された弁当が入ったままだった。日常の持ち物をすべて置いたまま姿を消している点は、当初から捜査上の焦点になっている。

本人からか確認できていない病欠連絡
10月2日、職場には病欠の連絡が入った。しかしその連絡が本人からのものであったことは、現在まで確認されていない。郵便公社の病欠申請には職員番号と社内システムの操作が必要とされるため、仮に本人以外が連絡したのであれば、その人物は彼女の職員番号と手続きの流れを知っていたことになる。

2022年に公開された未公開映像
2018年当時は公開されていなかった防犯カメラ映像が、2022年6月に明らかにされた。自宅の向かいから撮られたその映像には、10月2日に買い物袋を持って車から降りるキエラさんが写っている。その後、別の車で一人の男性が到着して部屋に入り、日が暮れてから二人でキエラさんの車に乗り込んで出ていく様子まで記録されていた。

深夜のATMで下ろされた約400ドル
同じ夜の22時43分、24時間営業のドラッグストアに設置されたATMで、私服姿のキエラさんが2回に分けて計およそ400ドルを引き出す姿が防犯カメラに残っている。母親のカレンさんは「娘は家計にとても慎重で、あの額を一度に下ろすのはふだんの行動ではなかった」と述べている。その後、23時45分より前に彼女の車が近所に戻り、助手席側から男性が一人降りるところが記録された。ほかに車から降りた人物は確認されていない。さらに後の時間帯には、その男性が荷物を運び出して別の車に乗り込む様子も写っていた。

制服姿の女性の映像は別人だった
失踪直後、シカゴ市警は郵便公社の制服を着た若い女性がチャタム地区を歩く映像を公開し、多数の情報提供が寄せられた。だが母親のカレンさんは、その女性が娘ではないと感じていたという。捜査関係者もそれを把握したうえで「事件を風化させないために公表しないでほしい」と伝え、カレンさんは数年間その事実を伏せていた。捜査が停滞し始めてから、彼女は「あの映像は娘ではない」と公に語っている。

主な仮説

仮説1:身近な人物が関わっているとする見方

シカゴ市警は事件性を疑っており、「複数の重要参考人がいる」「彼女の個人的な知人に絞り込んでいる」「何が起きたのかについてはかなり良い見当がついている」と説明してきた。ただし同時に、法的な手続きを取るだけの証拠がそろっていないことも認めている。警察は現在まで容疑者を正式に発表しておらず、本記事でも特定の人物を犯人として扱わない。

※ 重要参考人(パーソン・オブ・インタレスト):米国の捜査で使われる呼称で、捜査線上にいるものの被疑者として特定されてはいない人物を指す。日本語の「重要参考人」に近いが、法的な地位を伴うものではない。

仮説2:病欠の連絡そのものが偽装だったとする見方

翌日の弁当を用意し、車に積んでいた人物が、その前日に自分から欠勤を申し出るのは不自然だという指摘は根強い。病欠の連絡が本人でなかったとすれば、失踪はコールズさんが最後に映像に写った夜のうちに起きており、翌朝の連絡は捜索の開始を遅らせるためだった、という筋書きが成り立つ。ただしこれは記録から導かれた推測であり、連絡の主が誰だったかは特定されていない。

仮説3:何らかの口実で呼び出され、現金を用意させられたとする見方

約400ドルという金額は、強盗の動機としては小さすぎる一方、節約家だった彼女が深夜に下ろす額としては不自然に大きい。そこから、出産準備に関わる買い物や譲渡の話など、彼女が応じる理由のある口実で呼び出されたのではないかという見方が出ている。この仮説は、当日の行動が事前に仕組まれていた可能性を示すが、裏づける物証は公表されていない。

仮説4:自らの意思で姿を消したとする見方

財布も携帯電話も車に残されており、家族との連絡も途切れていない状態からの失踪だった。妊娠中で、出産に向けた準備を進めていたという証言も複数ある。自発的な失踪を裏づける材料は現在まで一つも出ておらず、この仮説を支持する関係者はほとんどいない。それでも公式には「事件」と断定されていないため、可能性としては残り続けている。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
交際相手には長く続いた恋人が二人いて、二人とも妊娠していて、しかも名前がキエラとキアラ。読み間違いかと思って三度読み直してしまった。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
名前を呼び違えないための工夫だった、なんて笑えない冗談が成立してしまう。ここまで来ると偶然という言葉で片づける気になれない。

3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
自分も同じところで止まった。海外のポッドキャストでも取り上げられていて、少なくとも二人が互いの存在を知っていたところまでは触れられているらしい。

4. 謎の名無しさん
妊娠中がいちばん守られている時期だと思われがちだけれど、実際には逆だという指摘をよく見る。米国では妊婦の死因として殺人が上位に来るという研究が出ている。

5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
ハーバードの公衆衛生大学院がその研究を紹介していた。個別の事件の話ではなく統計として出てくると、受け止め方が変わってくる。

6. 謎の名無しさん
「教会に通っているから良い人」という評価だけは本当にあてにならないと思う。信仰の有無と行動は、切り離して見たほうがいい。

7. 謎の名無しさん
警察が「何が起きたのかはだいたい分かっている」と言いながら動けていない。証拠のハードルの高さがそのまま表れている状況に見える。

8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
遺体が見つからないまま有罪判決が出た例は米国にもある。ただ状況証拠を相当な厚さで積み上げる必要があって、そこで止まっているのだと思う。

9. 謎の名無しさん
クック郡は特に遺体を求める傾向が強いと聞いたことがある。同じ状況証拠でも起訴の判断が地域で変わるのは、家族からするとやりきれないだろう。

10. 謎の名無しさん
翌日の弁当が前の晩から車に積みっぱなしだったところが引っかかる。ふつうに出勤するつもりだった人の行動にしか見えない。

11. 謎の名無しさん
ATMの約400ドルが最大の謎だと思う。家計に慎重だったという家族の証言があるだけに、深夜にあの額を下ろす理由がどこかに必ずあるはず。

12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
ベビー用品を安く譲ってくれる人がいる、みたいな話で呼ばれたなら、妊娠中の彼女なら夜でも出ていった可能性はある。あくまで想像だけれど。

13. 謎の名無しさん
23時45分より前に車が戻ってきて、助手席から男性だけが降りている。その前の1時間ほどに何があったのか、そこに全部が詰まっている気がする。

14. 謎の名無しさん
その男性が荷物を運び出して別の車に乗り換えた、というくだりが一番不穏だと思った。運ばれた荷物の中身がどこまで特定されたのか知りたい。

15. 謎の名無しさん(>>14への返信)
車両を押さえて鑑識にかけたのかどうかが報じられていない。2018年の話だから、今から同じ車を調べても得られるものは少ないだろう。

16. 謎の名無しさん
病欠の連絡が本人からだったか確認できていない、という一文が一番怖い。職員番号と社内システムの知識が要るという話と並べて読むと、意味が変わってくる。

17. 謎の名無しさん
制服姿の女性の映像が別人だった、という話が個人的にはいちばんこたえた。母親は捜査のためと言われて、それを何年も抱え込んでいたという。

18. 謎の名無しさん
あの映像が公開されて多くの情報提供が集まったらしいけれど、別人だったのなら、その情報を照合するのに費やされた時間はどこへ行ったのだろう。

19. 謎の名無しさん(>>18への返信)
注目を保つための判断だったのだろうし、実際に事件は語られ続けた。ただ、遺族に事実を伏せさせる形になったのはきついと思う。

20. 謎の名無しさん
別のパートナーがいる男性と、妊娠した女性と、失踪。同じ構図の事件をいくつも思い出す。ヘザー・エルヴィスさんの件もそういう話だった。

21. 謎の名無しさん
郵便監察局(郵便業務に絡む犯罪を捜査する連邦機関)は、この種の事件にはかなり強い権限で動く組織のはずなのに、この件では表に出てくる動きがほとんど見えてこない。

22. 謎の名無しさん
この投稿で初めて知った事件だった。捜査が中断していると聞くと、事実関係が分からないことより、忘れられていくことのほうが怖く感じる。

23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
6万ドルを超える懸賞金がまだ生きていると書かれている。金額の話というより、誰かが口を開くきっかけが残っているということだと思う。

24. 謎の名無しさん
「謎らしい謎はない」と書いている人がいるけれど、それは筋書きの話。彼女がどこにいるのかという一番大きな問いは、7年経っても答えが出ていない。

25. 謎の名無しさん
コメント欄が一斉に特定の人物を名指ししているのが少し気になる。警察が容疑者を発表していない段階で断定に走ると、本当に必要な情報が埋もれてしまう。

26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
そこは同意する。ただ、公開されている行動の記録を時系列に並べると、説明されていない点が多すぎるのも事実だと思っている。

27. 謎の名無しさん
妊娠3ヶ月で、ベビー用品を調べて、食事にも気をつけていた人。その人が自分の意思で消える理由が、どう考えても見つからない。

28. 謎の名無しさん
関係者が州をまたいで転居すると、捜査の熱量が一気に落ちるように見える。制度のうえでは続けられるはずなのに、実際にはそうなっていない。

29. 謎の名無しさん(>>28への返信)
距離がそのまま壁になる、というのは他の未解決事件でもよく聞く話。地元紙が追わなくなると、そこで新しい情報も止まってしまう。

30. 謎の名無しさん
母親と継父と実父が、それぞれ今も呼びかけを続けているという。投稿には「生きていれば32歳」とあった。この事件はまだ冷え切っていないと思いたい。

未解決の謎

この事件が奇妙なのは、情報が少ないからではない。むしろ逆で、10月2日の夜のキエラさんの動きは、防犯カメラによって断片的にではあるが追跡できている。買い物袋を持って帰宅し、訪ねてきた人物と一緒に車で出かけ、深夜のATMで現金を下ろし、そして車だけが戻ってきた。時系列は残っているのに、その線の先が途切れている。

最大の空白は、車が戻ってから翌朝の病欠連絡までの数時間である。誰が職場に連絡を入れたのかが確定すれば、事件の性質は一気に絞り込まれる。郵便公社の勤怠手続きは職員番号を必要とするため、これは本来なら記録から追える種類の問いのはずだ。それが7年以上たっても公表されていないこと自体が、この事件のもどかしさを表している。

そして、母親が数年間抱え込んだ「あの映像は娘ではない」という一言。捜査の熱を保つための判断だったにせよ、結果として世間の関心は別人の姿に向けられ続けた。事件を風化させないための選択が、真相への距離をかえって広げてしまった可能性はある。

シカゴ市警は「何が起きたのかについてはかなり良い見当がついている」と述べながら、証拠が足りないことを理由に捜査を中断している。分かっているのに動けない、という状態のまま、6万ドルを超える懸賞金だけが残された。答えを持っている人物が、おそらくどこかにいる。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレPeopleThe Charley Project

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