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1978年メルボルン「死亡推定時刻に空軍の制服を着た男が門から出ていった」5児の母刺殺はなぜ解けないのか

1978年メルボルン「死亡推定時刻に空軍の制服を着た男が門から出ていった」5児の母刺殺はなぜ解けないのか 未解決事件

白昼、メルボルンの閑静な住宅街で、5人の子を持つ母親が自宅の子供部屋で14回も背中を刺されて殺された。手足を縛られ、猿ぐつわをされた無防備な状態で。学校から帰った3人の子供たちが、その遺体を見つけた。死亡推定時刻のころ、近隣住民が「空軍の制服を着た男」が家の門から出ていくのを目撃している――。48年経った今も犯人は捕まっていない。なぜ彼女は、髪を漂白している最中という極めて無防備な状態で、見知らぬ男を家に入れてしまったのか。鍵を握るのは、その「制服」が持つ意味だったのかもしれない。

事件の概要

🗓️ 発生日:1978年2月17日(金)昼前後

🌫️ 場所:オーストラリア・メルボルン東部の郊外、アーマデール(ダンデノン・ロード575番地)

👤 被害者:メアリー・アン・フェイガン(41歳)。空軍将校の妻で5児の母

🔍 状況:自宅の子供部屋で背中を14回刺殺。手足を縛られ猿ぐつわをされた状態。性的暴行の痕跡はなし。死亡推定時刻は午前11時〜午後2時。侵入の痕跡なし

🕯️ 発見/結末:下校した子供たちが遺体を発見。生後17か月の末子はベビーベッドで泣いていた。犯人は特定されず、現在も100万豪ドルの懸賞金がかかる未解決事件

メアリー・アンの夫コリンズは、オーストラリア空軍のグループ・キャプテン(大佐相当)で、当時トッテナム基地の司令官だった。事件前夜、コリンズは基地での会食のあと宿舎に泊まっており、不在だった。朝、年長の3人は徒歩で登校し、メアリー・アンは6歳のジャックを車で送り届け、生後17か月のパトリックと一緒に帰宅した。それが、家族が見た彼女の最後の元気な姿となった。

※ オーストラリア空軍(RAAF):Royal Australian Air Force。グループ・キャプテンは陸軍の大佐に相当する高級将校の階級。

事件当日の朝、家の角では水道管破裂の補修工事が行われていた。マルバーン市の道路作業員3人が現場にいたことが、のちに捜査の中心となる。だが捜査は最初の2か月をまったく別の線に費やし、迷走を続けた。そして本来もっとも重視されるべきだった「制服の男」の目撃情報は、いつしか脇に追いやられていった。

判明している事実

手足を縛られ背中を14回刺殺
遺体は子供部屋のベッドにうつ伏せで、毛布に包まれていた。足首を縛られ、両手は自分のタオルを裂いた紐で背後に拘束され、猿ぐつわをされていた。背中の刺し傷は14か所、深さ2.5〜3.8センチ。両肺・胃・心臓の左心室後壁に達していた。一方、性的暴行を示す証拠は検出されなかった。

侵入の痕跡なし、彼女は自ら扉を開けた可能性
玄関に押し入った形跡はなかった。当日午前、彼女は髪を漂白する準備をしており、洗面台には染料のペーストが残されていた。夫の証言では、彼女は家族の前ですら髪を染めることを嫌い、その最中に他人を家に入れるとは考えにくいという。つまり犯人は、彼女が自ら扉を開けるほどの「正当な理由」を持っていた可能性が高い。

空軍の制服を着た男の目撃
近所のアパートに住む元鉄道員の男性が、午後0時10分すぎ、575番地の門から出てくる男を目撃した。30代半ば、がっしりした体格で身長約170センチ、髭はなし。空軍の夏服――水色のシャツ、濃色のズボン、つばのある帽子を着ていたが、制服はしわくちゃで身なりが整っていなかった。男は家を振り返り、左右を見渡してから立ち去った。

盗まれた赤いハンドバッグと現金180ドル
小さな赤いハンドバッグが消えていた。中には現金約180ドル、預金通帳、いつも着けていた永遠の指輪、宗教メダル、車と家の鍵が入っていた。一方、手に着けた他の宝飾品や腕時計は残されたまま。廊下の電話はソケットから抜かれていたが、犯人の仕業か発見後の混乱かは不明のままだ。

道路作業員への16時間超の取り調べ
捜査は途中から、作業員の一人である労務者に集中した。彼は当日、現場を約45分離れており、不在の理由について計4通りの食い違う説明をした。1978年4月20日、彼は殺人課で16〜17時間に及ぶ取り調べを受けたが、容疑を否認。「起訴するか釈放しろ」と要求し、釈放された。彼は起訴されることなく、1990年代に死亡している。

主な仮説

仮説1:制服を使って扉を開けさせた外部の人物

1978年、携帯電話はなかった。空軍将校の妻が「夫の身に何かあった」と知らされる方法は、制服姿の人間が直接玄関に現れて伝えるというものだった。夫は前夜から不在。もし制服の男が平日の昼に門前に立てば、彼女が真っ先に思うのは「夫に何かあったのでは」ということだ。これなら、髪を漂白する最中という無防備な状態でも扉を開けてしまう説明がつく。そして制服の不自然さに気づいたときには、もう手遅れだった――という読み筋だ。この説は犯人がメアリー・アンを知っている必要はなく、ただ「夫が空軍将校だ」と知っていればいい。

仮説2:道路作業員(労務者)による犯行

捜査が最終的に追い詰めた線。労務者は当日朝、メアリー・アンと裏庭のゴミ撤去について会話しており、彼女について同僚と性的で露骨な発言をしたことを宣誓のうえ認めている。現場の路面で扱っていたビチューメンに似た黒い物質が、殺害現場の部屋のシャツから検出された。私設ノミ屋から金を受け取ったという彼の説明は、ノミ屋本人の宣誓証言で完全に否定された。状況証拠は確かに多い。一方で、決定的な物証はなく、彼の同僚はのちのDNA鑑定で除外されている。

※ ビチューメン:道路舗装に使うアスファルトの主成分。粘着性が高く、当時の作業現場では靴や衣服に付着しやすかった。

仮説3:制服でヒッチハイクした「異様な男」

目撃の数十分後、ダンデノン・ロードで車に拾われたヒッチハイカーがいた。「青い軍服のようなもの」に濃色のつば帽を被り、道路の中央分離帯から走って渡ってきたという。運転手に「街まで。もうダメだ、市電に乗れない」と言い、会話を拒み、目的地もないまま突然「降ろしてくれ」と頼んだ。運転手は彼を「普通じゃない」と評した。門の男とヒッチハイカーが同一人物なら、犯行直後に現場から逃れようと焦る犯人の姿と一致する。

仮説4:時刻のズレが示す「労務者シロ」の可能性

労務者犯人説は、彼が現場を離れた午前10時半〜11時半に犯行があったことを前提とする。だが病理学者の正式な証言では、死亡推定時刻は午前11時〜午後2時。つまり作業員が現場に戻った後の時間帯まで含まれる。さらに「悲鳴」の目撃証言も時刻が午後1時〜1時半で揺れており、目撃者の一人は「聞いたかどうか自信がない」とすら証言している。これらを踏まえると、午前中の45分という枠に犯行を押し込む前提自体が崩れる。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
ヒッチハイカーが市電のことで文句を言ってたのが不可解だ。あのダンデノン・ロードの路線なら金曜の午後でも15〜20分間隔のはず。なぜそんなに急いでいたのか。人を殺した家のすぐ近くの停留所で座っていたくなかった、というのが理由なのかもしれない。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
当時の市電の本数が同じだったかは分からないけど、私はあの「市電に乗れない」発言を、車に乗せてもらうための口実だったと受け取ったよ。とにかくその場から早く離れたかったんだと思う。

3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
その日は猛烈に暑くて遅延があった可能性はない? 2月のメルボルンだし。とはいえ、行く当てもなさそうだったのが結局いちばん引っかかるんだよな。

4. 謎の名無しさん(>>3への返信)
調べてみたら、その金曜は25度くらいで、メルボルンの2月にしては全然暑くない日だったよ。だから猛暑による遅延説は厳しいと思う。

5. 謎の名無しさん
丁寧なまとめをありがとう。正式な制服を着た人物が、彼女に扉を開けさせるよう仕向けた、というのは確かにありそうな話だ。あの時代、制服姿はそれだけで信用を引き出す力を持っていた。

6. 謎の名無しさん(>>5への返信)
実は捜査初期、殺人課のトップも近い見方をしていたらしい。制服の目撃は当初きわめて重視され、それで侵入したのではと懸念されていた。捜査が作業員に傾くにつれ、軽視されていったんだ。

7. 謎の名無しさん
彼女が扉を開けた理由として、これ以上に筋の通る説明はないと思う。軍服の男を見て、夫に何かあったと思い込んだ。そして異変に気づいたときにはもう遅かった。誰かがその心理を意図的に利用したんだ。むごい話だよ。

8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
でもそれなら、犯人は「夫が空軍だ」と知るくらいには家族に詳しいのに、誰にも顔を知られず、いなくなっても誰にも気づかれない人物ってことになる。その矛盾をどう埋めるんだろう。

9. 謎の名無しさん
彼女がどれくらい他の将校と付き合いがあったのかが気になる。子育てで忙しかっただろうけど、将校とその家族は時々集まりを持つものだし。誰かが彼女に執着していて、夫の不在を知って軍服でやって来た、という線もゼロじゃないと思う。

10. 謎の名無しさん
理屈は分かるんだけど、俺の解釈はちょっと違う。しわくちゃの軍服っていうのは、犯人が血を隠すために夫の汚れた制服を着込んだんじゃないかと思う。もし制服が侵入の口実だったなら、なぜ血まみれにならなかったんだ?

11. 謎の名無しさん
火葬されてないなら、労務者を掘り起こしてDNAを採ればいいのに、と思ってしまう。それで決着がつくならやる価値はあるはずだ。

12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
彼には娘がいたから、すでに娘経由でDNAを得ている可能性はある。ただ実際、彼を巡る証言や時系列の穴を考えると、掘り起こす許可が下りるほど嫌疑が濃いとは言えない。豪州で掘り起こし命令を取るのは簡単じゃないんだよ。

13. 謎の名無しさん
詳細な調査と、関係資料を全部読んでくれたことに感謝する。ポッドキャストも聴いてみるよ。確かこれと似て、別の母親が撃たれた事件がヴィクトリア州であった気がする。80年代か90年代で、やはり近くで作業していた人間が絡む奇妙な目撃証言があった……うろ覚えだけど。

14. 謎の名無しさん
記事をありがとう。被害者は実は42歳だったらしい。報道はみんな41歳としているけど、亡くなる前月に誕生日を迎えていたそうだ。いずれにしても若すぎる。家は事件の翌年に売られ、それ以来持ち主が変わっていないとか。

15. 謎の名無しさん
細かい点だけど、刺し傷の深さは2〜3センチで本当に合ってる? 1978年だとまだ完全にメートル法に移行してなかったはず。もし本当に2〜3センチなら、この凶行の激しさにしては傷が浅すぎる気がして引っかかる。

16. 謎の名無しさん
記事を書いた人に聞きたい。あなた自身は誰が犯人だと考えている? 子供たちのことを思うと、本当に痛ましい事件だ。

17. 謎の名無しさん
夫が裏で仕組んだ可能性はないかな。自分は外に出ておいて、犯人に制服を用意し、扉を開けさせる台詞まで指示する。永遠の指輪に何か思い入れがあったのなら、それが消えたのも気になる。

18. 謎の名無しさん
これはミステリーというより、明白な容疑者を起訴するだけの証拠が揃わなかった事件、という感じがする。状況証拠は労務者に集中しているわけだし。

19. 謎の名無しさん(>>18への返信)
でも、別の人物――軍服の男――を昼間にはっきり目撃した証言があるのに、それを無視して「明白な容疑者」と言い切るのは乱暴じゃないかな。あの目撃はかなり具体的だ。

20. 謎の名無しさん
軍服の男が殺し、あとから労務者が「何かおかしい」と気づいて、同僚に見られないようこっそり貴重品を数点失敬した……という二段構えの可能性もあるんじゃないか。それなら現金と指輪だけ消えた説明にもなる。

21. 謎の名無しさん
これだけ刺されていて、しかも宝飾品は残されている。性的暴行が目的でも強盗が目的でもないなら、これは計画的な殺人で、しかも現場には何らかの演出が施されている気がする。ところで「オフサイダー」って何のこと?

22. 謎の名無しさん(>>21への返信)
オフサイダーは豪州の言い回しで「相棒・助手」のことだよ。あと、挿入や射精の痕跡がない性的動機の暴行というのも、決して珍しいものじゃない。だから性的暴行が目的でなかったと断言するのも早計だと思う。

23. 謎の名無しさん
正直に言うと、いくら穴があると言っても、労務者説はほかのどの説よりまだ筋が通っている。なんというか、もっとミステリアスな方向に話を持っていきたくて、彼を容疑者から外したがっているように感じてしまうんだよな。

24. 謎の名無しさん
労務者で決まりでしょ、どう見ても。

25. 謎の名無しさん(>>24への返信)
当日その家で別の男を目撃した、しかもかなり詳細な証言があるのに、なぜ「どう見ても」と言い切れるのかが分からない。それを無視するのはフェアじゃないよ。

26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
ごめん、「どう見ても」なんて軽く言うべきじゃなかった。確かにあの目撃証言は無視できる重さじゃないね。撤回するよ。

27. 謎の名無しさん
労務者の件は興味深いけど、あの食い違う証言の数々は、要するに全員が違法賭博のことでビクビクしていただけ、という気もする。大きな罪は犯していないのに、ちっぽけな罪で捕まるのを恐れて挙動不審になる――よくある話だ。ノミ屋本人が特に必死だっただろうしね。

28. 謎の名無しさん(>>27への返信)
それに当時のビチューメンは作業現場で本当にあちこちに飛び散っていた。現場の脇を通っただけで靴に付いてもおかしくない。学校から帰ってきた子供が運び込んだ可能性だってある。だからシャツの黒い物質も、決定打にはならないと思う。

29. 謎の名無しさん
むしろ気になるのは目撃者の信頼性だ。3年間その家に男が入るのを一度も見たことがない、と言っているけど、夫は確かに不在がちでも、勤務がなければ普通に帰宅して住んでいたわけで。そこが少し引っかかる。とはいえ、しわくちゃの軍服を「おかしい」と感じ取ったのは鋭いと思うよ。

30. 謎の名無しさん(>>29への返信)
オフサイダーがDNAで除外されたということは、捜査側は犯人のDNAを保持しているってことだよね。それなら今こそ遺伝子系図学を使えば、犯人にたどり着ける可能性があるんじゃないか。48年は長すぎる。

※ 遺伝子系図学:犯行現場のDNAを家系図データベースと照合し、容疑者の親族をたどって身元を絞り込む捜査手法。近年、欧米の長期未解決事件で成果を上げている。

未解決の謎

この事件が48年経っても解けない最大の理由は、捜査が初動で「制服の男」を脇に置き、最初の2か月を別の線に費やしてしまったことにある。本来もっとも重視すべきだった門前の目撃と、ヒッチハイカーの証言は、いずれも詳細で互いに整合していた。だが捜査の焦点が道路作業員に移ると、これらの手がかりは追われなくなった。空軍関係者のパレードで何度も面通しが行われたが、男は一度も特定されなかった。

もっとも妥当に見えるのは、やはり「制服で扉を開けさせた外部犯」の読み筋だ。夫が空軍将校で前夜から不在という条件下で、しわくちゃの軍服の男が門前に立つ――これは、髪を漂白中という無防備な彼女が自ら扉を開ける唯一に近い状況を作り出す。犯人が現役軍人ではなく、かつて軍に在籍した「過去の制服」の持ち主だったなら、現役兵士の面通しで特定できなかったことにも説明がつく。制服は1972年ごろに刷新されており、軍を知らない目撃者には旧型でも「現役の夏服」に見えたはずだ。

一方で、労務者を巡る状況証拠の重さも消えない。性的な暴言、ノミ屋の証言と矛盾する金の出所、現場のシャツに付いたビチューメン、駆動部のある靴跡――どれも無視できない。だが彼は午後には平然と現場に戻り、同僚と酒を飲み、翌週も普段通り出勤した。血痕を見た者は一人もいない。45分の枠で凶行と証拠隠滅を終え、その後何食わぬ顔で過ごし、そして死ぬまで秘密を守り通す――おしゃべりで知られた彼にそれができたのか、という違和感が残り続ける。

残された最大の疑問は、そもそも「なぜ制服が門前にあったのか」だ。それは彼女を欺くための小道具だったのか、それとも血を隠すための偽装だったのか。メアリー・アンへの動機は最後まで立証されなかった。だが、夫コリンズへの動機が捜査された形跡も、公開資料には見当たらない。100万豪ドルの懸賞金は今も生きている。遺伝子系図学という新たな武器もある。48年は、確かに長すぎる。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ