【2017年】食料品を片づける途中で家を出た男——ラ・パルマ島、5か月で3人が消えた

【2017年】食料品を片づける途中で家を出た男——ラ・パルマ島、5か月で3人が消えた 行方不明・失踪

大西洋に浮かぶスペイン領カナリア諸島のラ・パルマ島で、2017年の春から夏にかけて、互いに接点のない男性3人が相次いで姿を消した。1人目は買ってきた食料品を片づけかけたまま台所に残し、2人目はバナナ農園へ続く未舗装路の入口に車を置いたまま、3人目は「洞窟で残りの人生を送る」という書き置きを残して、いなくなった。

人口およそ8万人の小さな島で、わずか5か月のあいだに起きた3件の失踪。陸でも海でも、洞窟の中まで捜索が行われたが、3人の行方を示す手がかりは見つかっていない。2021年にこの事件をRedditでまとめたのは、カナリア諸島出身の投稿者だった。

事件の概要

🗓️ 発生日:2017年3月31日(1人目)、5月11日(2人目)、8月25日(3人目)

🌫️ 場所:スペイン・カナリア諸島のラ・パルマ島(ティハラフェ、タサコルテ、北部ガラフィアの山中)

👤 行方不明者:ペドロ・ペレス・マルティンさん(46)、アレハンドロさん(26)、英国人のアンソニー・ジョン・ウォルトンさん(67)

🔍 状況:3人とも自分の車を残して消えた。うち2人は財布を車内に置いたままで、もう1人は洞窟で暮らすという書き置きを残していた

🕯️ 現状:2019年4月の現地報道の時点でも3件とも手がかりはなかった。その後、3人が見つかったという報道は伝えられていない

ラ・パルマ島は、モロッコ南部の沖合に連なるカナリア諸島7島のひとつ。全長およそ45キロの小さな火山島だが、最高峰のロケ・デ・ロス・ムチャチョスは標高2,423メートルに達し、海岸の大半は高いところで300メートルを超える断崖に囲まれ、内陸には深い渓谷が刻まれている。2021年のクンブレ・ビエハ火山の大噴火で名前を聞いた人もいるだろうが、失踪はその4年前の出来事で、噴火とは関係がない。

※ ロケ・デ・ロス・ムチャチョス:ラ・パルマ島の最高峰。小さな島にこの標高があるため、海から一気にそびえ立つ険しい地形になっている。

リゾート観光でにぎわうグラン・カナリア島やテネリフェ島に比べて訪れる人は少なく、2017年当時の島の人口は8万1,350人。投稿者によれば、カナリア諸島で未解決のまま残る行方不明事案は176件あるが、大半は都市部を抱えるグラン・カナリア島とテネリフェ島に集中している。

判明している事実

1人目・ペドロさん——台所に残された買い物袋
ペドロ・ペレス・マルティンさん(46)は、ティハラフェという小さな村の借家で一人暮らしをしていた。離婚していて、娘が2人いる。ショベルカーのオペレーターとして働き、うつ病の薬を飲みながら治療を受けていた。その家に移ったのは、失踪のわずか2週間ほど前だった。

2017年3月31日(金)、ペドロさんはふだんどおり仕事から帰宅したあと、もう一度出かけてATMで現金を下ろし、食料品を買った。姿が見られたのは、その帰り道が最後だ。翌日、家族の届け出を受けて警察が家に入ると、荒らされた様子はなかった。ただ台所のテーブルには買い物袋が置かれ、乳製品など傷みやすいものの一部は冷蔵庫に入っていたのに、残りは袋に入ったままだった。片づけの途中で、急に家を出ていったかのようだった。

まもなく町なかで車が見つかった。きちんと駐車され、キーは残されたまま。車内には身分証の入った財布と携帯電話があり、最後の通信記録は失踪当日の午後8時過ぎだった。近所の住民は前日の夕方、近くのハイキングコースを「何か考え込んでいるように」うつむいて歩くペドロさんを見ているが、コース周辺やそばの井戸を調べても何も出てこなかった。末娘のヤミレットさんは、習慣を大事にし、娘たちの暮らしに深く関わってくれた父が自分から消えるはずがないと話す。私立探偵にも依頼したが、新しい手がかりは得られていない。

2人目・アレハンドロさん——バナナ農園の入口に残された車
アレハンドロさん(26)は4歳の息子を育てるシングルファーザーで、ロス・リャノス・デ・アリダネで父親と暮らしていた。やはり離婚しており、失踪の翌日には元妻とともに民事の裁判に出る予定があった。

2017年5月11日(木)の夕方、アレハンドロさんは母親のマリア・デル・マルさんを訪ね、午後5時半ごろに帰っていった。変わった様子はなかったという。午後8時ごろ、白いオペル・コルサで海岸のほうへ下っていく姿が目撃されたのが最後になった。翌12日に夜勤まで続けて働いた看護師の母親は、13日の朝、送っておいたWhatsAppのメッセージが読まれていないことに気づく。息子が前日の裁判に来なかったと知り、電話をかけてもつながらない。16時間の勤務明けのその足で、捜索願を出しに行った。

ところが対応した警官は、「サッカーの試合があったし、飲み明かして女の子の家にでもいるんでしょう」と取り合わず、受理してもらうまで30分以上粘らなければならなかったという。車はその数時間後、自宅から3キロほど離れた海辺の町タサコルテで、バナナ農園へ続く未舗装路の入口に置かれているのが見つかった。財布は車内にあったが、携帯電話はなかった。家族によれば、ふだん行くような場所ではない。それなのに捜査が動き出したのは週明けの15日で、現場はおよそ48時間放置された。その場所には母親が置いた小さなプレートがあり、「Algún día, Alejandro(いつの日か、アレハンドロ)」と記されている。

3人目・アンソニーさん——「洞窟で暮らす」と書き残した詩人
アンソニー・ジョン・ウォルトンさんは1950年、ロンドンの裕福な家庭に生まれた。両親は英国各地に薬局を持ち、本人はケンブリッジ大学に進んだが家業は継がず、いつからかラ・パルマ島で自由奔放に暮らし始めた。相続した財産の一部、約50万ユーロで、島の北部ガラフィアの松林が広がる急斜面に田舎家を買っている。

その山の中に、アンソニーさんは主に外国人から成るヒッピー風の小さな共同体をつくった。地元の人の前に姿を見せることはまれで、見かけるとスカートをはいていたり、爪を塗っていたりしたという。仲間をつないでいたのは詩と音楽で、パーティーやコンサートをたびたび開き、詩集も出版した。スペイン語と英語が入り混じる無料の月刊冊子『エル・パペリート(小さな紙)』まで自費で発行し、リサイクルの決まりや「パチャママとつながる方法」を載せていた。

※ パチャママ:南米アンデス地方で信仰されてきた、大地の母なる女神。

2017年8月25日(金)、67歳だったアンソニーさんがいなくなった。同居人が見つけたのは本人の署名入りの手書きのメモで、島の北側に数多くある洞窟のどこかに移り住み、残りの人生を過ごす、という内容だった。車は近くの未舗装路の路肩で見つかり、住民たちも洞窟を探して回ったが、アンソニーさんは生きた姿でも遺体でも見つかっていない。友人のスロバキア人男性によれば、当時のアンソニーさんはパーティーや音響機材にお金をつぎ込んだ末にほとんど文無しで、残っていた現金3,000ユーロほども持っていかなかった。気分の浮き沈みも激しく、「さっきまで世界一いいやつだったのに、次の瞬間には最低なやつになる」ほどだったという。

遺体も、口座の動きも、島を出た形跡もない
3件とも、警察と住民のボランティアが周辺の森や山を捜索したが、成果はなかった。ペドロさんとアレハンドロさんの銀行口座には、失踪以来お金が動いた記録がない(アンソニーさんは口座を持たず、現金で暮らしていたらしい)。暴力の痕跡など、事件性を示す証拠も見つかっていない。

海岸の大半は崖で小舟を出せる浜も少なく、誰にも気づかれずに島を出るのは簡単ではない。一方でアレハンドロさんの母親は、「フェリーで渡る車のトランクや、島々を行き来する漁船なんて誰も調べない」と話す。支援団体「SOSデサパレシードス」のサンティアゴ・カルロス・マルティンさんは、「こういう島でこれほど失踪が続くのは奇妙だ」としたうえで、専門的な捜索の手段がなくボランティア頼みの捜索になったこと、捜索をもっと早く始められたかもしれないことを指摘している。

※ SOSデサパレシードス:スペインの非営利団体で、行方不明者の家族への助言などを行っている。

主な仮説

元スレの投稿者自身は「自分なりの説はない」としている。語られてきた見方は、次の4つだ。

仮説1:渓谷や崖、海での事故

投稿者によると、島の山で行方が分からなくなった人の多くは無事に見つかり、渓谷で転落した人も遅かれ早かれ発見される。海で溺れた場合も、カナリア諸島では遺体が数日のうちに岸に戻ってくることがほとんどだという。家族も捜査関係者も事故の可能性は低いとみており、アレハンドロさんの母親も、車の発見場所は崖から離れていると話している。一方で、67歳のアンソニーさんが本当に洞窟を目指したのなら、山の中で動けなくなった可能性は残る。

仮説2:自らの意思で姿を消した

誰にも知られずに島を出た可能性と、自ら命を絶った可能性の両方を含む見方だ。ペドロさんはうつ病の治療中、アレハンドロさんは裁判を翌日に控え、アンソニーさんはお金が尽きかけて書き置きまで残していた。元スレのコメント欄でも、この見方を取る人がもっとも多かった。ただし3件とも公式に自死と判断されたわけではなく、家族は強く否定している。島を出たのだとしても、フェリーで密かに渡るには協力者が要り、諸島のどこでも3人の姿は確認されていない。

仮説3:事件に巻き込まれた

ペドロさんの娘とアレハンドロさんの母親は、何者かに危害を加えられたのではないかと考えている。とくにアレハンドロさんの件では初動が遅れ、現場がおよそ48時間放置された。ただし捜査当局は、事件性を示す証拠が一切ないことから、この可能性を高くみていない。3人は年齢も暮らしぶりもばらばらで、同じ人物が関わったと考える根拠もない。

仮説4:3件は無関係で、偶然重なっただけ

3人に接点はなく、事情もそれぞれ違う。小さな島で短期間に続いたから目立っただけで、1件ずつ見れば別々の説明がつくのでは、という見方だ。ただ投稿者は、その年に島で未解決のまま残った行方不明はこの3件だけで、統計的に明らかな外れ値だとしている。

海外の反応

以下は、2021年2月に元スレへ寄せられた反応。

1. 謎の名無しさん
家族は否定してるけど、正直3人とも自分で命を絶ったように思える。うつ病の治療中、裁判の前日、お金が底をついた直後。3人とも追い詰められる理由があった。ただ、遺体がひとつも出てこないのは確かに不思議だ。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
スレ主です。自分もその可能性は捨てていないし、まず思い浮かべたのは島じゅうにある渓谷だった。でもそういう場所は徹底的に探されてる。1人だけ見つからないならまだ分かる。3人とも見つからないのが本当に奇妙なんだ。

3. 謎の名無しさん(>>2への返信)
ドイツで大学に入ったころ、崖の近くであったパーティーのあとに若い女性が行方不明になった。警察は徹底的に探したと言っていたのに、7〜8年たって作業員が会場のすぐ下で遺骨を見つけた。「探した」と「そこにいない」は別の話だよ。

4. 謎の名無しさん
家族が「あの人が自分を傷つけるはずがない」と言うのは本当によくあること。「いかにもあの人らしい」なんて言う家族はまずいない。突然のショックと悲しみの中では、それが自然な反応なんだと思う。

5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
身内を自死で亡くしたからよく分かる。母は長いこと「あの子がそんなことをするはずがない」と言い続けていた。大切な人が自分から去ったと認めるより、誰かに奪われたと思うほうが、なぜか楽なんだよね。

6. 謎の名無しさん
でも、買ってきた食料品を冷蔵庫にしまっている途中で、急に全部放り出して出ていく? 覚悟を決めた人の行動には、どうしても見えないんだけど。

7. 謎の名無しさん(>>6への返信)
うつを経験した人なら分かると思うけど、気分って本当に急に崩れることがあるんだよ。さっきまで普通に買い物をしていた人が、次の瞬間には何も手につかなくなる。片づけが途中だったからといって、覚悟があったかなかったかまでは外からは分からないと思う。

8. 謎の名無しさん
フェリーで車のトランクに隠れて島を出た、という説はさすがに無理があると思う。新しい家に移ったばかりの人と、息子を大事にしていた人が、なぜそこまでするのか。しかも協力者まで必要になる。

9. 謎の名無しさん
ペドロさんの件は、誰かに「呼び出された」ように見える。片づけを途中でやめて車で出かけ、財布も携帯も車に置いていった。その日は仕事にも行って買い物もしてるし、切羽詰まっていたようには思えない。

10. 謎の名無しさん(>>9への返信)
最後の通信が午後8時過ぎってあるけど、その中身が知りたい。電話なのかメッセージなのか。決まった習慣を大事にする人ほど、ひとつの知らせで大きく揺らぐこともあると思う。

11. 謎の名無しさん
島の野生動物ってどうなってるんだろう。森の中で遺体をすぐに持ち去ってしまうような、大きな肉食動物がいたりする?

12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
スレ主です。カナリア諸島は「ヨーロッパのハワイ」みたいな亜熱帯の島で、陸でいちばん大きな捕食者はチョウゲンボウ(小型のハヤブサの仲間)くらい。幼児だって持ち上げられないよ。サメに襲われる事故もほぼ聞かない。

13. 謎の名無しさん
潮の流れはどうなの? 強い海流があれば、遺体があっという間に沖へ運ばれて、そのまま見つからなくなることもありそうだけど。

14. 謎の名無しさん(>>13への返信)
流れは強いよ、とくに諸島の北側は。でも溺れた人のほとんどは結局岸に打ち上げられる。2017年だけでもカナリア諸島では93人が溺れて亡くなったけど、遺体はたいてい見つかってる。自分で何キロも沖まで泳いで出ない限り、海に消えるのは難しいんだ。

15. 謎の名無しさん
遺体が岸に上がるのは、比較的浅くて穏やかな海での話じゃないかな。高い崖から深い海に落ちた場合は、落ちた場所が分からないまま何日かたつと、ずっと沖まで流されていることもあると思う。

16. 謎の名無しさん
ひねくれた疑問なんだけど、遺体が見つからなかったのは本当に奇妙なのかな。むしろ「見つからなかった」からこそ、この3件がひとまとめにされてるんじゃない? 遺体が見つかった失踪は、最初から比べる対象に入っていない気がする。

17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
スレ主です。事故や自死だったと仮定すれば、遺体がひとつも出ないのは「極めて」奇妙なんだ。調べた限り、その年に島で未解決のまま残った行方不明はこの3件だけ。統計的に見ても明らかな外れ値だと思う。

18. 謎の名無しさん
いちばん腹が立ったのはアレハンドロさんの件の警察。16時間働いて駆けつけた母親に「飲み歩いてるだけでしょう」と言い、車が見つかっても週明けまで放置。その48時間で消えた証拠は、もう取り戻せない。

19. 謎の名無しさん
アレハンドロさんだけは、自死とは言い切れない気がする。車を停めたのはバナナ農園の入口で、崖のそばじゃない。小さな息子の暮らしにあれだけ関わっていた父親が、誰にも何も言わずに消えるとは思えないんだ。

20. 謎の名無しさん
ペドロさんもアレハンドロさんも、財布を車に置いていったのが気になってた。でも自分も運転中はポケットの財布がかさばるから、助手席に放り出してる。財布の要らない場所に、少しのつもりで行っただけなのかもしれない。

21. 謎の名無しさん
アンソニーさんだけは、自死というより不慮の事故のように思える。気の向くままに生きてきた人みたいだから、気になるものを見つけて山に分け入り、そこで足を滑らせた、なんてことも十分ありそう。

22. 謎の名無しさん
本当に洞窟で暮らすつもりだったとして、67歳の人にそれまで洞窟を探検した経験はあったのかな。短い溶岩洞なら迷わないけど、何キロも枝分かれしている洞窟なら話は別。存在を知られていない洞窟は探しようがないし。

23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
カナリア諸島は火山島だから、多いのは溶岩洞のほう。洞窟で人が行方不明になったり亡くなったりした例もあるにはあるけど、自分の知る限り、どれも水中洞窟で起きたものなんだ。

24. 謎の名無しさん
アンソニーさんの件は、周りの人の証言に頼っている部分が大きいのが少し気になる。書き置きが本当に本人の筆跡だと確認されたのかどうか、どこにも書かれていないし。

25. 謎の名無しさん(>>24への返信)
一緒に暮らしていた仲間なら、本人の性格はよく知っていたはず。署名入りの書き置きがあって、気分の浮き沈みも激しかったのなら、周りは見たままを話しているだけだと思うよ。

26. 謎の名無しさん
5か月で3人、似たような状況で痕跡ゼロ。偶然にしてはできすぎてる。断定する気はないけど、カナダのトロントでは、行方不明扱いだった男性たちが同じ連続殺人犯に殺されていた事件もあった。

27. 謎の名無しさん(>>26への返信)
それはさすがに飛躍しすぎだと思う。3人は年齢も暮らしも住んでいた場所もばらばらで、つながりがひとつもない。事件を示す証拠も出ていない。いつか自然のほうが答えを見せてくれるんじゃないかな。

28. 謎の名無しさん
前に暇つぶしで、自分の国の行方不明者データベースを読んだことがある。食事の支度や犬にエサをやっている途中で急に家を出て、鍵も開けっぱなし、というパターンが意外と多かった。ずっと頭から離れない。

29. 謎の名無しさん
自分もうつを抱えているから、衝動が急にやってくるのは知ってる。でも、もし自分が消えたら「どうせ自分で…」と思われて、誰もそれ以上探してくれないんじゃないかと怖くもなる。家族が事件を疑うのは責められない。

30. 謎の名無しさん
「いつの日か、アレハンドロ」のプレートで胸が詰まった。答えが出ないまま待ち続ける家族のつらさは想像もつかない。いつか3人とも、家族のもとに帰れる日が来ますように。

未解決の謎

2019年4月のスペインの現地報道では、3件とも手がかりのないまま捜査が続いていると伝えられた。2021年の元スレ投稿時点でも、事件としては閉じられていないものの、新たな手がかりがなく捜査は止まった状態だったという。その後、3人が見つかったという報道は伝えられていない。

捜査当局が事件性を高くみていない以上、残るのは事故か、本人の意思による失踪だ。ただ、どちらにしても引っかかるのは、この島では崖や渓谷、海で亡くなった人も遅かれ早かれ見つかる、という点だ。1人なら見つからないこともある。けれど3人とも、足取りを示すものが何ひとつ残っていない。かといって事件だとすれば、年齢も暮らしもまるで違う3人を結ぶ線が見えてこない。

1件ずつ見ても、答えの出ない問いが残る。ペドロさんは、なぜ食料品を片づける途中で家を出たのか。アレハンドロさんは、ふだん行かないバナナ農園の入口に車を置いて、どこへ向かったのか。警察の初動が遅れた48時間に、失われた手がかりはなかったのか。アンソニーさんが書き置きのとおり洞窟を目指したのだとすれば、どこで足取りが途切れたのか。

3件は本当に偶然の重なりなのか、それとも誰も気づいていない共通点があるのか。答えを待つ家族にとって、あの年の春と夏は、まだ終わっていない。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ

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