【2019年】カメラ台座付きのハーネスを着けたシロイルカ——「ロシアのスパイ」はどこから来たのか

【2019年】カメラ台座付きのハーネスを着けたシロイルカ——「ロシアのスパイ」はどこから来たのか 都市伝説・陰謀

2019年4月、ノルウェー北部、北極圏のインゴイ島の沖で漁をしていた男性の船に、1頭のシロイルカが近づいてきた。網かロープが絡まっているように見え、クジラはそれを外そうとするかのように船体へ体をこすりつけてくる。よく見ると、それは人間が作ったハーネスだった。

※ シロイルカ:全身が白い小型のクジラの仲間で、英語名はベルーガ。社会性が強く、ふつうは最大25頭ほどの群れで暮らす。

※ ハーネス:動物の胴体に巻きつけるベルト状の装着具。犬の胴輪のようなもので、機材の取り付けなどに使う。

外されたハーネスには、カメラを取り付けるための台座と、「Equipment St. Petersburg」という英語の文字があった。見つかった海は、ロシア海軍の拠点ムルマンスクから約420km。人に異様に慣れ、落とし物を拾って返してくるこのクジラは「ロシア軍が訓練したスパイクジラではないか」と騒がれた。ノルウェーの報道陣は、ノルウェー語でクジラを意味する「hval(フヴァル)」とロシア人の名前「ウラジーミル」を組み合わせ、彼を「フヴァルディミール」と呼んだ。

それから5年あまり後の2024年8月、彼はノルウェー南部の沖で死んでいるのが見つかったと報じられた。どこで、誰に、何のために訓練されたのか。答えは最後まで公式には示されなかった。

事件の概要

🗓️ 発見:2019年4月(ノルウェーの漁師が最初に目撃)

🌫️ 場所:ノルウェー北部・北極圏のインゴイ島沖(ロシア海軍の拠点ムルマンスクから約420km)

👤 主役:オスのシロイルカ「フヴァルディミール」

🔍 状況:カメラの台座と英字の入ったハーネスを着け、人にひどく慣れていた。仲間の群れはいなかった

🕯️ その後:2024年8月31日、ノルウェー南部の沖で死んでいるのが見つかったと報じられた。出どころは公式に確認されていない

最初にクジラを見つけたのは、漁師のヨアル・ヘステンさんだった。クジラの身を案じて写真を撮ったものの、陸に戻っても取り合ってくれる地元の役所が見つからず、最後にトロムソ大学の海洋生物学者アウドゥン・リカルドセンさんへ写真を送った。リカルドセンさんは、自分の知る限り、このハーネスはどの標識調査や追跡調査のものでもないと確認した。群れで暮らすはずのシロイルカが、たった1頭でいたことも気がかりだった。

※ 標識調査:野生動物に発信機や目印を取り付けて放し、移動の経路や暮らしぶりを調べる調査。

リカルドセンさんの仲介でノルウェー漁業局が加わり、救出が試みられた。クジラはこのときも自分から船に寄ってきて、ドライスーツで海に入ったヘステンさんがハーネスのバックルを外した。「心が通じた気がした。水の中で一度も怖いと思わなかったし、敵意も感じなかった。彼はただ助けを求めていたんだ」と、ヘステンさんは振り返っている。ハーネスが外れると、クジラは沖のほうへ泳ぎ去った。

判明している事実

ハーネスにはカメラの台座と「Equipment St. Petersburg」の英字
ハーネスには、GoPro(小型のアクションカメラ)を取り付ける台座が付いていたが、カメラ本体はなかった。「Equipment St. Petersburg」の文字は、ロシア語ではなく英語で書かれていた。この文字と発見場所から、ロシア軍に訓練されたクジラが逃げ出したか、放されたのではないかという見方が広がった。元スレの投稿者は、ロシア製とされる装備に英語の表記がある点に引っかかると書いている。

港に居着き、人の手から餌をもらい、落とし物を拾って返した
約1週間後、クジラは再び現れ、約40km離れたハンメルフェストの港まで船についてきた。そのまま港に居着き、船を追いかけては人に構ってもらおうとした。漁業局は当初、人間に頼るようになるのを心配して餌やりを控えるよう呼びかけたが、クジラは痩せていて、自力ではうまく餌を取れていないらしいことが分かってくる。このままでは死にかねないとして餌やりが始まり、1日2回の給餌は港の名物になった。2019年5月、港で一緒に泳いだリカルドセンさんは足ひれを引っ張って脱がされたが、クジラは沈んでいく足ひれを追いかけて拾い、鼻先に乗せて返してきたという。カヤックの男性が水に浸けたGoProをくわえて潜り、海底を映してから持ち主に返す様子も撮影されている。

群れには戻らず、港ではスクリューの傷を負った
2019年7月、フヴァルディミールは自分から港を離れ、ノルウェー北岸の島々の周りで何度か目撃された。自力で餌を取れるようにはなったようだが、相変わらず1頭きりで、船や人に近づき続けた。9月に現れたアルタの港では、船のスクリューで背中に傷を負い、一部の住民から物を投げつけられている。彼を見守っていた調査団体ノルウェー・オルカ・サーベイは2019年12月で見守りを終えたが、2020年7月にはスクリューによるとみられるひどい傷を負った姿が確認された。保護団体ドルフィン・プロジェクトは、囲いを設けたフィヨルドで保護するようノルウェー政府に求め、「フヴァルディミールは亡命者だ。だから庇護が必要なんだ」と訴えていた。

ラグビーボールを拾って返す動画が世界中に広まった
2019年11月、ラグビーボールを拾っては船の上の人たちに返してくるシロイルカの動画が拡散した。このクジラがフヴァルディミールだと、ノルウェー・オルカ・サーベイが確認している。ボールは2019年ラグビーワールドカップの公式グッズで、乗っていた人たちは一部で「南アフリカのラグビーファン」と報じられたが、クジラの研究者ジャッキー・ヒルデリングさんが調べたところ、船はセーブ・アワー・シーズ財団につながる調査船だったという。

2024年、ノルウェー南部の沖で死んでいるのが見つかった
2024年8月31日、フヴァルディミールはノルウェー南部の沖で死んでいるのが見つかったと報じられた。動物保護団体のワンホエール(OneWhale)とノア(NOAH)は「銃で撃たれた傷がある」として、刑事捜査を求めた。しかし、ノルウェー獣医学研究所の解剖では撃たれた形跡は見つからず、死因は細菌感染の可能性が高いとされた。口の中に刺さっていた木の枝による傷から感染した可能性が指摘されている。ノルウェー当局は、銃撃を裏付ける証拠がないとして捜査を打ち切った。

主な仮説

フヴァルディミールが以前どこかで飼われ、物を拾ってくるよう教え込まれていたことは、ほぼ間違いないとみられている。狩りが苦手で群れにも加われないことから、幼いころから長く飼われていた可能性もある。問題は、それがどこの誰だったのかだ。

仮説1:ロシア海軍に訓練された「軍用クジラ」だった

最も広く語られてきたのがこの説だ。ハーネスはサンクトペテルブルクで作られたとみられ、カメラの台座も付いていた。2017年にはロシアの国営テレビが、海軍がシロイルカやバンドウイルカ、アザラシを訓練し、基地の警備やダイバーの補助、縄張りに入った部外者への攻撃までさせていると報じていた。海洋哺乳類を軍で使うこと自体は珍しくなく、アメリカ海軍にもバンドウイルカに落とし物の回収や機雷探しをさせる軍用海洋哺乳類プログラムがある。

※ 軍用海洋哺乳類プログラム:イルカなどの海洋哺乳類を訓練し、機雷の探知や水中の落とし物の回収、基地の警備などに使う軍の計画。クジラやイルカは体に備わったソナーのような能力で、海底の物を見つけるのが得意とされる。

一方で、決定的な証拠は何もない。元スレの投稿者によれば、シロイルカは飼育下で病気がちなうえ持久力にも欠け、ロシアの計画からは外されていたという。ロシア軍は関与を否定した。退役大佐のヴィクトル・バラネツ氏はラジオで、スパイのクジラに「サンクトペテルブルク」と書いた装備を着けさせたら正体をばらすようなものだと指摘し、ロシアはイルカの軍事利用を隠していないのだから、この件だけを否定する理由もないと述べた。

仮説2:民間の施設で、ダイバーの手助けなどを仕込まれていた

ロシアの海洋生物学者ドミトリー・グラゾフ氏によれば、ムルマンスクには、クジラやイルカに物の回収や、困っているダイバーの手助けを教える民間の団体がある。グラゾフ氏は、ハーネスが間に合わせの作りで、民間人でも簡単に手に入る材料でできていることから、軍とは関係ないとみている。

同じころ、ロシア極東のスレドニャヤ湾では、水族館に売るために捕まえたシャチやシロイルカを狭い囲いに詰め込んだ、いわゆる「クジラ監獄」が国際的な非難を浴びていた。捕獲は違法とされ、クジラたちは最終的に海へ戻された。元スレの投稿者は、この悪評のせいで、フヴァルディミールについて何か知っているロシア側の関係者も名乗り出にくかったのではないかと推測している。

仮説3:子どもたちに寄り添う「セラピー用クジラ」だった

ムルマンスク駐在のノルウェー元領事モルテン・ヴィーケビー氏は、2009年ごろに現地のダイビングセンターで、障害や学習の困難を抱える子どもたちのための「セラピー用クジラ」として飼われていたシロイルカ、セミョーンを見たという。ヴィーケビー氏は冗談まじりに、このクジラのスパイ容疑を晴らすのが自分の務めだと語っている。

ただ、同じダイビングセンターの現在の責任者は、いまクジラは飼っておらず、最後の1頭は2016年に水族館へ売ったと説明した。クジラを放したことも逃げられたこともなく、ハーネスも着けていなかったという。元スレの投稿者は、映像のセミョーンには頭の左側や尾の付け根に傷跡のようなものが見えるが、フヴァルディミールには見当たらないと指摘している。とはいえ映像の間には10年ほどの開きがあり、同じ個体でなくても同じ施設の出身という線は残る。

仮説4:ロシアとは無関係で、地名は手がかりにならない

ハーネスの文字が英語だったことから、ロシアとのつながりそのものを疑う声もある。元スレでは、フロリダ州にも同じ綴りのセントピーターズバーグという港町があることから、ロシア以外で飼われていたのではという意見も出た。シーワールド(米国の大手海洋テーマパーク)のような施設のクジラは記録がしっかり残っていて隠し通すのは難しい、という反論もあるが、製品は世界中に出回るため、ハーネスの製造地とクジラの飼育地が同じとは限らない。文字だけでは出どころを決められない、というのがこの説の立場だ。

海外の反応

以下は2020年、元スレに寄せられた反応。当時、フヴァルディミールはまだノルウェー北部の海で1頭きりの暮らしを続けていた。

1. 謎の名無しさん
ボールを拾ってくるかわいいシロイルカの動画、としか思ってなかった。裏にこんな話があったなんて。どこにいるにしても、安全にお腹いっぱい食べて暮らしていてほしい。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
最新の目撃情報でスクリューの傷を負ってたと知って、ほんとに落ち込んだ。でも野生で生き延びているのは間違いないんだから、そこは明るいニュースだと思いたい。

3. 謎の名無しさん
カメラの台座付きハーネスを着けて、しかも見つかったのがロシア海軍の拠点から400kmちょっとの海でしょ。これで「スパイとは無関係です」と言われても、正直そっちのほうが信じにくい。

4. 謎の名無しさん(>>3への返信)
本気の諜報機材なら「Equipment St. Petersburg」なんて書くわけないって。しかも英語で。ロシア製ですって名札をぶら下げて泳ぎ回るスパイがどこにいるんだよ。

5. 謎の名無しさん
サンクトペテルブルク生まれのロシア人だけど、スパイの部分は眉唾だと思う。兵隊の靴下を買う予算すら足りないって言われてる国に、秘密のクジラ諜報部隊なんてあるわけない。とにかくクジラがかわいそうだよ。

6. 謎の名無しさん(>>5への返信)
現地の人の意見はありがたい。ひとつ聞きたいんだけど、ロシアで作られた製品に英語で文字が入ってるのってよくあること? ハーネスの表記が英語だったのが、ずっと引っかかってるんだ。

7. 謎の名無しさん
衛星写真で、オレーニャ湾に海洋哺乳類用とみられるいけすが見つかったらしい。ロシアが特殊作戦用の潜水艦を置いてる場所だよ。セラピー施設みたいに部外者が出入りする施設を、そんな機密の場所に置くとは思えない。

8. 謎の名無しさん
ロシアの国営テレビが紹介してた訓練って、基地の警備、ダイバーの補助、侵入者の撃退だっけ。物を拾ってくる、ダイバーに寄っていく、ってあたりは妙に重なる。侵入者の撃退だけは、この人懐っこさじゃ無理だけど。

9. 謎の名無しさん
カヤックの人のGoProを返す動画、よく見てほしい。返したあと、口を大きく開けてご褒美を待つしぐさを2回もして、餌を落とされたんじゃないかって水の中をのぞき込んでる。拾ったら餌がもらえると教わった動きそのもので、胸が痛い。

10. 謎の名無しさん
子どものころ動物園でシロイルカを見るたび、うれしいのと悲しいのが一緒に来た。1頭がいつも寂しそうな顔でガラスに寄ってきてさ。港でカメラを返してきた動画の顔、あれと同じだった。「ねえ、遊んでよ」って顔。

11. 謎の名無しさん
いつも1頭きりって確かなの? クジラのことはよく知らないけど、ときどき群れに合流して、しばらくしたらまた1頭で旅に出てる、ってことはないのかな。

12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
ほかのクジラと一緒にいるところは一度も目撃されてないんだ。群れと過ごしては離れる、を繰り返してるなら希望はあるけどね。いつか仲間ができて、人間を探しに来なくてもよくなればいいんだけど。

13. 謎の名無しさん(>>11への返信)
素人の話だけど、シャチは地域ごとに鳴き声の「方言」が違うって読んだことがある。彼も言葉が通じないのかもしれない。もっと悪ければ、飼われていたせいで覚える機会がなかったのかも。

14. 謎の名無しさん
オーストラリア人のダイバーがラジオで話してたんだけど、水難救助の訓練中にシロイルカが寄ってきて、ダイバーのベルトの留め具を外し、ナイフを手際よく抜き取ったらしい。「こいつは他に何を仕込まれてるんだ」って、訓練を続けるのが不安になったそうだよ。

15. 謎の名無しさん(>>14への返信)
それってノルウェーでの話? ダイバーのナイフを抜き取るのはフヴァルディミールの得意技で、ハンメルフェストでも実際にダイバー相手にやってるんだよ。

16. 謎の名無しさん
ベルトの留め具を外してナイフだけ抜くって、遊びで覚えるには芸が細かすぎない? 侵入してきたダイバーを丸腰にする訓練を受けてた、って言われたら普通に納得しちゃう。

17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
自分で覚えた可能性もあると思う。人の物を取っては返すのが一番好きな遊びみたいだし。仮に武装解除の訓練を受けてたとしても、奪ったナイフをすぐ持ち主に返しちゃうんだから、番兵としては完全に落第だよ。

18. 謎の名無しさん
ハーネスの写真を見たけど、正直かなり安っぽい。うちの犬のハーネスのほうがよっぽど頑丈そう。軍の装備ならもう少しちゃんとした作りにすると思う。かなりきつかったらしいから、体が大きくなりきる前に逃げたのかもね。

19. 謎の名無しさん
映画『フリー・ウィリー』のシャチ、ケイコを思い出した。実際のケイコも海に戻されたあと人間を探して寄ってきて、ほかのシャチにはなじめなかった。保護か自由かで揉めたところまでそっくり。

20. 謎の名無しさん
まだ本文を読んでないけど、タイトルに満点をあげたい。「このシロイルカはロシアのスパイか?」なんて見出し、開かずにいられるわけがない。

21. 謎の名無しさん
アメリカのフロリダにもセントピーターズバーグって港町があるよね。そっちで作られたハーネスなら、英語で書いてあった理由も説明がつく。どこかの海洋パークで芸を覚えて、放されたときに発信機が外れたとか。

22. 謎の名無しさん(>>21への返信)
夢を壊して悪いけど、セントピーターズバーグはメキシコ湾側で、シーワールドのあるオーランドとはほぼ無関係。そもそもシロイルカをフロリダからノルウェーまで運ぶ理由がないよ。地名は計画のコードネームだと思う。マンハッタン計画みたいにね。

23. 謎の名無しさん
セラピー動物の線はかなりありえると思う。動物セラピーって、資格もなければ動物の福祉のルールも守らない個人が勝手にやってる例がけっこうあるんだよ。違法に手に入れたクジラを、見かねた職員がこっそり逃がした、なんて話でも驚かない。

24. 謎の名無しさん(>>23への返信)
セラピー用なら、ハーネスは子どもが水に入ったときにつかまる持ち手だったのかも。元領事も子どもを引っ張って泳ぐ用じゃないかと言ってた。ただ、北極圏のロシアの海で子どもが泳げるとは思えないんだよね。

25. 謎の名無しさん
野生で暮らすのが一番なのは分かってる。でも、ここまで人に慣れてるなら、人間に構ってもらえる水族館のほうが幸せなんじゃないかとも思う。港でスクリューに当たり続けるよりはましでしょ。

26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
本当に難しい問題だと思う。飼育下に戻せば一生、餌も話し相手も人間頼みで、自然に暮らすチャンスはなくなる。ノルウェー当局も、野生で生き延びている限りは野生に置くって立場なんだよね。それでも船に寄っていくのは心配。

27. 謎の名無しさん(>>25への返信)
アイスランドにシロイルカを受け入れる海のいけすがあるって聞いたことがある。水族館の水槽よりずっと広いし、自分が決められるならそこに送るな。ノルウェーでも、フィヨルドを囲って保護しようって声が出てるよね。

28. 謎の名無しさん
アルタの港で物を投げつけた人たちがいたって、本当に何なんだろう。助けを求めるように寄ってくる相手に、なぜそんなことができるのか。スパイかどうかより、人間のそっちのほうがよっぽど怖い。

29. 謎の名無しさん
続報。昨日また目撃されて、船にやられたひどい傷がかなりきれいに治ってきてるって。写真も上がってた。とりあえずひと安心したよ。

30. 謎の名無しさん
軍だろうが民間だろうが、こんなに賢くて仲間と暮らす生き物を捕まえて道具にする権利なんて誰にもない。群れから引き離されて、逃げ出した先でも1頭きりなんて悲しすぎる。いつか仲間を見つけてほしい。

未解決の謎

元スレから4年後、フヴァルディミールはノルウェー南部の沖で死んでいるのが見つかったと報じられた。保護団体は銃撃を疑ったが、解剖で撃たれた形跡は見つからず、当局も捜査を打ち切った。死因をめぐる騒ぎは、ひとまず収まった。

それでも、最初の謎は最後まで解けなかった。あのハーネスは誰が作り、誰が着けたのか。カメラで何を撮らせるつもりだったのか。なぜロシアの地名が、ロシア語ではなく英語で書かれていたのか。軍の計画から逃げ出したのか、民間の施設から放されたのか、それともまったく別の場所から来たのか。ロシア軍は関与を否定し、ロシア側が認めた事実もない。スパイだったのかどうかは、結局公式には確認されていない。

ほぼ確かなのは、彼がどこかで人間に飼われ、物を拾ってくるよう教え込まれていたらしいことだ。群れに加わらないまま港に寄っては船に近づき、傷を負いながらも人間に構ってもらおうとし続けた。「スパイクジラ」の名で世界に知られたシロイルカが、本当は誰のもとから来たのか。その答えは、少なくとも公式には明らかにされていない。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ

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