【2025年】最後に盗んだのは牛乳だった——3人の子と森に消えた父、4年目の終わり

【2025年】最後に盗んだのは牛乳だった——3人の子と森に消えた父、4年目の終わり 未解決事件

3人の子どもを連れて森に入った父親が、4年近く見つからなかった。ニュージーランド北島の牧草地と国有林の境目、携帯電話の電波も届かない一帯で、家族4人はいつのまにか「都市伝説」のような存在になっていた。地元では「まだあの辺りにいる」と噂され、SNSでは「制度と戦う父親」として英雄視する声まで生まれていた。その逃亡が終わったのは2025年9月8日の早朝、村の商店を荒らしたという一本の通報からだった。父親は警察官に撃たれて死亡し、警察官1人が撃たれて重体になった。そして子ども3人は、全員生きたまま保護された。

事件の概要

🗓️ 発生日:2025年9月8日(早朝)/逃亡の始まりは2021年12月

🌫️ 場所:ニュージーランド北島 ワイカト地方 ピオピオ周辺の農道

👤 当事者:トム・フィリップス(逃亡していた父親)と3人の子ども

🔍 状況:商店荒らしの通報 → 四輪バギーでの逃走 → タイヤを潰す装置で停止 → 警察官との銃撃

🕯️ 結末:フィリップスは警察官に撃たれて死亡。警察官1人が重体。子ども3人は全員無傷で保護

舞台になったのはワイカト地方のピオピオという小さな町の周辺だ。日本の読者にはイメージしにくいが、この一帯は牧場と国有林ばかりで、人よりも羊のほうがはるかに多い。ひとつの国有林が日本の県ひとつぶんの面積を持つことも珍しくなく、舗装路から数キロ外れれば携帯電話は圏外になる。ヘリコプターで上空から探しても、木々の下に何があるかは見えない。捜索する側が「面積で負ける」土地なのである。

※ ワイカト地方:ニュージーランド北島の中西部に広がる地方。酪農と牧羊が主産業で、内陸には広大な国有林と丘陵地帯が続く。ピオピオはその南端に位置する人口500人ほどの町。

もうひとつ、日本と大きく違う点がある。ニュージーランドの警察官は、通常は拳銃を身につけて勤務していない。銃器は必要と判断されたときに車両から取り出す運用で、住民に銃を向けられる場面そのものが例外的な出来事として扱われる。今回、最初に現場へ到着した警察官が置かれた状況の危うさは、この前提を知っているかどうかで見え方が変わる。

※ ニュージーランド警察の装備:同国の警察官は日常業務で拳銃を常時携行せず、必要時にパトカー内の保管庫から取り出す方式を採っている。銃社会である米国とは運用が根本的に異なる。

判明している事実

2021年12月に4人で姿を消した
フィリップスと3人の子どもが行方をくらませたのは2021年12月。以後、家族は住居にも学校にも戻らず、地図に載らない場所で暮らし続けた。子どもたちの親権をめぐる経緯は複雑で、離婚後に母親の側へ親権が戻らないまま推移していたことが報じられている。最初の失踪騒動の後も子どもたちは父方の親族のもとに置かれており、なぜそうした判断になったのかについて、警察も行政機関も詳細を明らかにしていない。

武装強盗と車両窃盗に結びつけられた
2023年5月、テ・クイティの銀行で発砲をともなう武装強盗が起き、フィリップスが関与したとされた。このとき同行していた人物は、子どものうち1人だった可能性があると報じられている。同年8月にはトヨタの車両が盗まれ、後に乗り捨てられた状態で見つかっている。森に潜んでいるだけではなく、物資と現金を得るために人里へ降りていたことが、この時点ではっきりした。

2024年10月に子どもたちの生存が確認された
2024年10月、4人が目撃され、3日間にわたる大規模な捜索がおこなわれた。結果的に身柄の確保には至らなかったが、子どもたちが生きていることが公的に確認されたのは、失踪から約3年を経たこのときが初めてだった。それまでは「子どもたちは無事なのか」という問い自体に答えがない状態が続いていた。

最後の目撃は商店の防犯カメラだった
2025年8月下旬、フィリップスと子どものうち1人が商店に押し入る様子が防犯カメラに記録された。盗まれたのは牛乳だった。この映像が、警察が最終的に捜索範囲を絞り込む手がかりになったとされる。武装した状態で銀行を襲った人物が、最後は牛乳を盗みに降りてきていた——その落差を、多くの人が生活の行き詰まりの証拠として受け取った。

終わりは農道での銃撃だった
2025年9月8日早朝、ピオピオの商店が荒らされているという通報を受けて警察が動いた。フィリップスと子ども1人が乗った四輪バギーを短時間追跡した後、警察はタイヤを潰す装置を路面に展開して車両を停止させる。そして農道の上で銃撃が起きた。最初に現場へ到着した警察官が撃たれて重体となり、ヘリコプターで病院へ搬送されて手術を受けた。フィリップスは、その後に到着した警察官らによって撃たれ、死亡した。四輪バギーにはライフルを含む複数の銃器が積まれていたとされる。

※ 四輪バギー(クアッドバイク):農場や林道で使われる四輪の小型オフロード車。舗装路を避けて移動できるため、牧場地帯では日常的な足として普及している。

※ タイヤを潰す装置(スパイクストリップ):路面に展開して逃走車両のタイヤをパンクさせる警察用の器具。車を急停止させず、徐々に減速させて止めることを狙う。

一緒にいた子どもは無傷だった。そしてこの子どもが、その場にいなかった残る2人の居場所を警察に伝え、離れた場所の簡素な野営地で2人とも無傷で発見された。2021年12月から続いた約3年9か月の追跡は、こうして終わった。

主な仮説

仮説1:親権をめぐる争いが引き金になったという見方

もっとも多く語られているのがこれだ。母親が生活を立て直しつつあり、子どもの親権の一部を取り戻せる見通しが立ったタイミングで父親が森に入った、という話がニュージーランド国内では繰り返し語られてきた。ただしこれは地元で流通している見立てであって、公式に確認された動機ではない。フィリップス本人が理由を語る機会は永遠に失われたため、なぜあの時期だったのかは推測の域を出ない。

仮説2:反政府的・陰謀論的な思想が下地にあったという見方

子どもたちの母親は以前から、フィリップスの反政府的な信条と支配的な性格について報道機関に語っていた。ニュージーランドとオーストラリアには「クッカー」と呼ばれる俗語があり、反ワクチンから地球平面説まで、陰謀論に深くはまり込んだ人々を指す。この層に彼の同調者が少なくなかったという指摘は、スレッドでも現地在住者から複数出ていた。制度そのものを敵とみなす世界観があったなら、裁判所の決定に従うという選択肢は最初から存在しなかったことになる。

仮説3:外部の支援者が物資を運んでいたという見方

4年近く、大人1人と成長期の子ども3人が森の中で暮らし続けた。食料も燃料も、育つ子どもの衣服や靴も要る。盗みだけで賄える量ではない、というのが現地の実感だ。警察は捜査の過程で、身内側から何らかの支援を受けている可能性をにおわせていた。昨年には期間限定の懸賞金が出され、特定の誰かに情報提供を促す狙いがあったのではないかとも受け取られている。誰がどこまで手を貸していたのかは、いまも公表されていない。

仮説4:支援が途切れ、追い詰められた末の結末だったという見方

1年半ほど前から、オークランド方面と彼の地元をつなぐ道路の巡回が強化された。強盗や窃盗が目立ち始めたのもちょうどその頃と重なる。初期に支えていた人物が摘発を恐れて手を引き、以後は自力で調達せざるを得なくなった——という筋書きだ。最後の防犯カメラ映像で盗まれたのが牛乳だったことは、この見方を裏づける材料として語られている。追い詰められた末に人里へ降り、そこで警察と鉢合わせした、というわけである。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
こんな終わり方しか残されていなかったのかと思うと、やりきれない。とにかく子ども3人が全員生きて保護されたことだけが救いだ。これから必要になる支援を、きちんと受けられる環境に置いてほしい。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
数週間前、特殊部隊を投入するべきだという案が出ていたけれど、現場の主任刑事と政府側がそろって反対したと聞いた。突入して撃ち合いになれば子どもが巻き込まれる、という判断だったらしい。結果論とはいえ、あそこで押し切らなかったのは正しかったと思う。

3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
子どもたちには最初から選択肢がなかった。住む場所も食べるものも付き合う相手も、全部大人が決めて、外の世界から切り離された。今からでも学校に通って、同世代と話して、退屈な日常を取り戻してほしい。

4. 謎の名無しさん
SNSの空気が本当にしんどい。「家庭裁判所と戦った父親」みたいな英雄譚に仕立て上げている人が一定数いる。武装して店を襲い、駆けつけた警察官に銃を向けた時点で、その物語はもう成立しないと思うんだけど。

5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
父親を持ち上げるついでに母親を叩く流れになっているのが、いちばんきつい。事情を何ひとつ知らない他人が、会ったこともない女性の落ち度を勝手に組み立てて広めている。

6. 謎の名無しさん
ニュージーランド在住だけど、外部に協力者がいなかったとは到底思えない。こっちの茂みは本当に深くて、身を隠そうと思えばいくらでも隠れられる。しかも彼に同情的な「クッカー」層は決して少なくない。去年の期間限定の懸賞金も、明らかに特定の誰かに向けた圧力だった。

7. 謎の名無しさん(>>6への返信)
クッカーというのは、オーストラリアやニュージーランドで陰謀論にはまり込んだ人を指す俗語です。反ワクチンから地球平面説まで守備範囲は広い。要するに「頭が煮えてしまっている」というニュアンスの悪口ですね。

8. 謎の名無しさん(>>6への返信)
警察も当初から、身内の側から何らかの支援を受けている可能性をにおわせていた。子どもたちが消えた後で、彼だけが親族の家にいるところを見られたという話もあったはずだ。

9. 謎の名無しさん
1年半くらい前から、オークランドと彼の地元をつなぐ道路の巡回が目に見えて増えた。強盗が目立ち始めたのもちょうどその頃だ。最初に支えていた誰かが怖くなって手を引いたんだろう、というのが地元の見立てになっている。

10. 謎の名無しさん
最後の防犯カメラ映像が「牛乳を盗んでいるところ」だったというのが、全てを物語っていると思う。冬を越すための蓄えが底をついて、危険を承知で人里に降りるしかなくなっていた。

11. 謎の名無しさん(>>10への返信)
四輪バギーにはライフルを含む複数の銃が積まれていたそうだ。金物店に押し入っていたという報道もあったし、武器も物資も盗んで回るしかない状態だったんだろう。

12. 謎の名無しさん
撃たれた警察官が回復することを願っている。ヘリコプターで運ばれて手術を受けたと聞いたけれど、その後の経過が気になって仕方ない。彼にも帰りを待っている家族がいる。

13. 謎の名無しさん(>>12への返信)
ニュージーランドの警察官は普段、拳銃を腰に下げていない。必要なときに車両から取り出す運用になっている。だから最初に現場へ着いた一人がいきなり銃口を向けられる状況は、こちらの感覚では本当に異常なんだ。

14. 謎の名無しさん
野営地で見つかった子どもたちが「警察に対して友好的だった」と発表されたのが、正直いちばん意外だった。あれだけ長く外の世界から切り離されていたら、警官を敵とみなしていてもおかしくなかったのに。

15. 謎の名無しさん
みんな「洗脳されていて森から出たがらないはずだ」と決めつけていたけれど、実際には助けが来るのをずっと待っていたのかもしれない。子どもは大人が思っているよりずっと、自分の状況を分かっている。

16. 謎の名無しさん
母親が報道向けに出したコメントを読んだ。子どもたちが無事だったことを喜び、家族として迎え入れる準備をしていると述べる一方で、暴力的な結末だけは避けたかったという悔しさもにじませていた。

17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
離婚後の親権の経緯はかなり込み入っていて、母親の側に親権は戻っていなかった。最初の失踪騒動の後も、子どもたちは父方の親族のもとに置かれている。なぜその判断だったのかを、警察も行政も説明していない。

18. 謎の名無しさん
母親が以前のインタビューで語っていた「あの人は人の話を絶対に聞かない。自分のやり方が通るか、さもなければ何もないかのどちらかだった」という言葉が、いまになって重く響いてくる。

19. 謎の名無しさん
純粋に疑問なんだけど、4年近く、4人分の食料と燃料をどうやって回していたんだろう。真冬もあるし、子どもは育つから服も靴もサイズが変わっていく。盗みだけで賄える量とはとても思えない。

20. 謎の名無しさん
現地の地形を知らないと想像しにくいと思う。あのあたりは牧場と国有林ばかりで、人よりも羊のほうが圧倒的に多い。舗装路から少し外れただけで、もう携帯電話は通じなくなる。

21. 謎の名無しさん(>>19への返信)
補足すると、ニュージーランドの国有林には日本の県がまるごと収まる規模のものがざらにある。ヘリコプターで上から見ても、木の下に何があるかは分からない。人手をいくら投入しても、面積のほうが勝ってしまう。

22. 謎の名無しさん
裁判所から緊急の報道禁止命令が出たという記事があった。内容は公表されていないので、憶測を並べるのはやめておく。ただ、まだ表に出ていない事実があるのは間違いなさそうだ。

23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
進行中の捜査の詳細を出さないのは普通のことだし、この種の命令自体もよく使われる手続きだ。注目度が高い事件だから大げさに騒がれているだけだと思う。何より、無理に暴いて傷つくのは子どもたちのほうだ。

24. 謎の名無しさん
「家庭裁判所は男性に不利にできている」という物語を信じ切っている人たちにとって、この件は格好の素材だった。実際に何をしたかよりも、その物語に当てはまるかどうかで評価が決まってしまっている。

25. 謎の名無しさん
つい最近アメリカでも、父親が3人の子どもを連れ去って山に入り、最悪の結末になった事件があった。あのニュースを見たとき、真っ先にこの件を思い出した。向こうの父親はいまだに見つかっていない。

26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
それと比べれば、子どもが3人とも生きて戻ってきたのは、考えうる中でいちばんましな結末だったと思う。ましなだけであって、良い結末では全然ないけれど。

27. 謎の名無しさん
4年近く学校に行っていないというのは、単に勉強が遅れているという話では済まない。同年代と過ごした時間、けんかして仲直りした経験、そういうものが丸ごと抜け落ちている。

28. 謎の名無しさん
教育の空白はあとから取り戻せる、という専門家の話を読んだことがある。時間はかかるけれど、周囲が焦らせないことがいちばん大事なのだそうだ。まずは安心して眠れる場所からだと思う。

29. 謎の名無しさん
地元の人たちが何ひとつ知らなかったとは思えない。かくまった人、見て見ぬふりをした人、通報しようか迷ったまま黙っていた人、それぞれいたはずだ。その沈黙がこの4年を成立させていた面はあると思う。

30. 謎の名無しさん
未解決だったものが解決した、という報告のはずなのに、ちっとも晴れない。父親は死に、警察官は重傷を負い、子ども3人にはこれから長い時間が必要になる。誰ひとり得をしていない終わり方だった。

未解決の謎

誰が「4年」を成立させたのか

この事件は結末が出ている。逃げていた人物は死亡し、探されていた3人の子どもは全員生きて保護された。それでも、なぜこの逃亡が4年近くも成立したのかという問いには、いまだに誰も答えていない。大人1人と成長期の子ども3人が屋外で暮らすには、食料も燃料も、季節ごとの衣服も、体調を崩したときの薬も要る。数回の窃盗と強盗だけで、4回の冬を越せる量とは考えにくい。警察が身内側からの支援の可能性をにおわせ、期間限定の懸賞金までかけたということは、当局も「協力者がいる」という前提で動いていたことになる。その協力者が誰で、いつ手を引いたのかは公表されていない。

捜索網にかからなかった理由も、地形だけで説明しきれるかどうかは意見が分かれている。ワイカト内陸の国有林は確かに広大で、上空からの捜索が効きにくい土地だ。しかし4年のあいだに目撃情報は何度も寄せられ、2024年10月には3日間の大規模捜索までおこなわれている。それでも身柄の確保に至らなかったのは、土地の広さのためなのか、動きを事前に伝える誰かがいたためなのか。地元では後者を疑う声が根強い。

そして最大の空白は、子どもたちが過ごした4年間そのものである。どこで、どんなふうに暮らし、何を食べ、何を教えられていたのか。学校にも医療機関にも記録が残らない期間が、彼らの子ども時代の大半を占めてしまった。この点については裁判所から緊急の報道禁止命令が出ており、公表されていない事情がまだ残っている。スレッドでも憶測が飛び交ったが、確認できないことを並べても子どもたちの不利益にしかならない、という抑制的な意見が支持を集めていた。

※ 報道禁止命令(injunction):裁判所が特定の情報の公表を差し止める命令。捜査中の事件や、未成年者が関わる案件で当事者の保護を目的として出されることがある。

結末が出た事件が、必ずしも解明された事件になるわけではない。この件で明らかになったのは「いつ、どこで、どう終わったか」だけだ。なぜ始まり、どうやって続き、誰が支えていたのか——その大半は、まだ森の中に置き去りにされたままである。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレCNN

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