RSSヘッドライン

「国営石油トップを乗せたジェット機が墜落」30年後に遺骨から爆発痕、誰が爆弾を仕掛けたのか…?

「国営石油トップを乗せたジェット機が墜落」30年後に遺骨から爆発痕、誰が爆弾を仕掛けたのか…? 未解決事件

1962年10月、イタリアで最も強大な権力を握った男の一人が、乗っていたジェット機もろとも北イタリアの村に墜落して死んだ。国営石油公団ENIを率い、「七姉妹」と呼ばれた巨大石油メジャーに真っ向から挑んだ実業家、エンリコ・マッテイ。当初は「事故」として処理されたこの墜落は、30年後の再捜査で機内に仕掛けられた爆弾によるものだと判明する。だが——誰が、なぜ爆弾を仕掛けたのか。60年以上が過ぎた今もなお、その答えは誰にも分からない。これが、イタリア戦後史に残る政治的ミステリー「マッテイ事件」である。

※ 七姉妹(セブン・シスターズ):20世紀半ばに世界の石油市場を支配した欧米の巨大石油会社7社の総称。今でいう「石油メジャー」にあたる。

事件の概要

🗓️ 発生日:1962年10月27日

🌫️ 場所:イタリア北部ロンバルディア州の村(カターニア発ミラノ行きの飛行中に墜落)

👤 犠牲者:エンリコ・マッテイ(ENI総裁、56歳)、操縦士ベルトゥッツィ、米国人記者マクヘイルの計3名

🔍 状況:搭乗していたジェット機が墜落し、全員死亡。当時の政府調査は「事故」と結論

🕯️ 結末:1990年代の再捜査で機内爆発物による他殺と断定。犯人・依頼主は特定されず

エンリコ・マッテイは1906年生まれ。皮革産業の職工から身を起こし、第二次大戦中はキリスト教民主主義系のパルチザン指導者として頭角を現した。戦後、彼はムッソリーニ政権時代の国営石油会社アジップの解体を命じられて総裁に就任するが、その命令を無視して会社を立て直す。やがてポー平野で天然ガスが発見されると、マッテイはこれを最大限に喧伝し、1953年に発足した国営エネルギー公団ENIの実質的支配者へと駆け上がっていった。

マッテイが危険視されたのは、その大胆すぎる外交だった。彼はチュニジア、モロッコ、イラン、エジプトといった産油国と、既存の石油メジャーより格段に有利な条件で契約を結び、NATOに逆らってソ連からも大量の原油を買い付けた。アルジェリア独立運動への支持も公言していた。「鉛の時代」を数年先取りするかのように、彼はあまりに多くの勢力を敵に回していたのである。

※ 鉛の時代:1960年代末から1980年代初頭のイタリアで、極左・極右のテロや政治的暗殺が頻発した社会的混乱期の呼称。

判明している事実

当初の結論は「事故」
1962年10月27日、マッテイはシチリア島のカターニアからミラノへ向かうジェット機(モラーヌ・ソルニエMS.760)に、操縦士イルネリオ・ベルトゥッツィ、米国人記者ウィリアム・マクヘイルとともに搭乗していた。機体はロンバルディア州の村に墜落し、3人全員が死亡。当時の国防相で後に首相となるジュリオ・アンドレオッティが指揮した調査は、これを「事故」と結論づけた。

遺骨に残っていた「爆発の痕跡」
1990年代半ば、事件は一人の判事によって再捜査される。マッテイの遺体からは「爆発の衝撃波による複数の損傷のはっきりした痕跡」が見つかり、遺骨や機体の金属片からは爆薬の痕跡が検出された。金属片の一部は、マッテイの骨そのものに食い込んでいたという。

トリノ工科大の鑑定「計器盤の裏に爆弾」
トリノ工科大学は、マッテイが墜落時に身につけていた指輪と、現場から見つかった金属製の計器を鑑定し、いずれからも爆発の痕跡を確認した。報告書は、墜落は計器盤の裏に仕掛けられた小型爆発物の起爆によって引き起こされたと結論。これを受けて判事は、マッテイの死を「氏名不詳の一人または複数の人物による殺人」と正式に認定した。

取材記者マウロ・デ・マウロの失踪
1970年、映画『マッテイ事件』の取材のため、調査報道記者マウロ・デ・マウロがマッテイの死を追った。彼はマッテイの元側近グラツィアーノ・ヴェルツォットに接触した後、「イタリアを揺るがすスクープを掴んだ」と同僚に漏らしたという。その2日後の9月16日、デ・マウロは帰宅途中に何者かに拉致され、以後二度と姿を見せていない。

捜査官3名の暗殺
さらに不気味なことに、デ・マウロの失踪を捜査していた警察官やカラビニエリ(国家憲兵)が少なくとも3人、後にシチリアマフィアに暗殺されている。そのうち少なくとも1人は、マッテイとデ・マウロ、2つの死の繋がりを追っていた人物だった。

主な仮説

仮説1:フランスの影——OAS暗殺説

アルジェリア独立を声高に支持したマッテイを、アルジェリア駐留のフランス人テロ組織OASが暗殺したとする説。マッテイがOASの「暗殺リスト」に載っていたとの証言もある。OASは1961年のヴィトリー=ル=フランソワ列車爆破(28人死亡)や、マッテイの死のわずか2か月前のド・ゴール大統領暗殺未遂を起こした実績を持ち、動機も実行力も揃っている。なお、フランス情報機関SDECEの犯行だとする元諜報員の証言もあるが、こちらは信憑性が低いとされる。

※ OAS(秘密軍事組織):アルジェリア独立に反対したフランス軍人らが1961年に結成した非合法武装組織。フランス本国とアルジェリアで多数のテロ・暗殺を実行した。

仮説2:アメリカの意向——CIA説

ソ連から大量の原油を買い付け、NATOに公然と逆らったマッテイを、アメリカ(CIA)が排除したとする説。1958年の米国家安全保障会議の機密報告書は、マッテイを「苛立たしい障害」と評していた。当時のイタリアは、共産党の選挙勝利をアメリカが本気で恐れ、NATOの秘密工作網「グラディオ」が張り巡らされた冷戦の最前線でもあった。ただし具体的な物証には乏しく、動機の域を出ないのが弱点である。

※ グラディオ(作戦):冷戦下の西欧でNATOが構築した秘密の反共「残置」ネットワーク。イタリアでは政治工作やテロへの関与が後年問題化した。

仮説3:コーザ・ノストラと石油メジャー(最有力)

最も多くの証拠が指し示すとされるのがこの説だ。1990年代初頭、重要な情報提供者となった元シチリアマフィアのトンマーゾ・ブシェッタは、シチリアマフィアがアメリカのマフィア、アンジェロ・ブルーノの依頼を受けてマッテイ暗殺を実行したと証言した。理由は、マッテイが「中東における重要なアメリカの権益」を害していたから——つまり、彼の取引に脅かされたアメリカの石油会社が暗殺を命じた、という構図である。別のマフィア証人ガエターノ・イアンニも同様の証言をし、これが再捜査の引き金となった。取材記者デ・マウロや捜査官がマフィアに消されたことも、この説を裏付けている。

仮説4:実行犯と依頼主を分ける「合作」説

「たった一人の黒幕」を探すのではなく、実行犯と依頼主を分けて考えるべきだとする見方。すなわち、実行はシチリアマフィア、依頼は石油または諜報の利権、そして事後の隠蔽はイタリアの政治家、という多層構造だ。実際、最初の「事故」調査を仕切ったアンドレオッティは、後にマフィアとの繋がりを法廷で認定されている(最終的には無罪)。当時のイタリアでは国家・マフィア・諜報の境界が曖昧で、利害が一致すれば自然に協調した。なお少数派には、「30年後の鑑定は当てにならず、本当にただの事故だった可能性も残る」と唱える声もある。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
イタリアの、しかも1990年より前の要人の不審死なんて、殺す動機を持つ勢力が多すぎて、真面目に解こうとするだけ時間の無駄だと思う。マフィア、諜報機関、政治家、外国、全部にそれぞれの理由がある。

2. 謎の名無しさん
「イタリアで不審死ですって?信じられないわ」って皮肉が真っ先に浮かぶ。あの国とあの時代は、ベッドの上で穏やかに息を引き取る方がよっぽど珍しかった。

3. 謎の名無しさん(>>2への返信)
むしろ「畳の上で大往生した要人」がいたら、そっちを24時間態勢で捜査すべきレベルだよな。冗談みたいだけど、当時のイタリアは本当にそういう空気だった。

4. 謎の名無しさん
「鉛の時代」の少し前とはいえ、この事件は前後の政治テロと地続きなんだよな。映画監督のパゾリーニも、モーロ元首相の暗殺も、みんな真相が不透明なまま。マッテイはその原型みたいな存在。

5. 謎の名無しさん
恥ずかしながらOASって組織を初めて知って調べたら、とんでもない連中だった。1961年の列車爆破だけで28人殺してる。マッテイを消す動機も実行力も十分あったわけだ。

6. 謎の名無しさん(>>5への返信)
しかもマッテイが死ぬわずか2か月前に、ド・ゴール大統領の暗殺未遂までやらかしてる。アルジェリア独立を支持したマッテイを狙う理由は、確かにあの組織にはあった。

7. 謎の名無しさん
この事件で一番ゾッとするのは、真相を追った記者マウロ・デ・マウロが、取材のわずか2日後に拉致されて、そのまま二度と戻らなかったことだよ。何かに近づきすぎたんだ。

8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
さらに怖いのは、そのデ・マウロの失踪を捜査していた警官やカラビニエリが少なくとも3人、後にシチリアマフィアに暗殺されてること。触れた者が次々に消えていく。

9. 謎の名無しさん
個人的には「実行犯」と「依頼主」を分けて考えるのが一番しっくりくる。トリノ工科大の鑑定で計器盤の裏に仕掛けられた小型爆弾だと分かった以上、現地に精通した実行部隊がいたのは確実だ。

10. 謎の名無しさん(>>9への返信)
実行はコーザ・ノストラ、依頼は石油か諜報の利権、そして事後の火消しはイタリアの政治家。この3層構造だと思えば、綺麗に一枚岩の黒幕を探すよりずっと現実的だよね。

11. 謎の名無しさん
証言の重みで言えば、やっぱりコーザ・ノストラ+アメリカ石油メジャー説が一番強い。マフィアの大物証人ブシェッタが「中東のアメリカ権益を害したから」と証言したのが、再捜査のきっかけになったんだから。

12. 謎の名無しさん
CIA説も無視できない。当時のイタリアはグラディオや、共産党の選挙勝利をアメリカが本気で恐れていた時代。ソ連から原油を買ったマッテイは、確かにワシントンの神経を逆撫でしていた。

13. 謎の名無しさん(>>12への返信)
とはいえ「困った死があればとりあえずCIA」って風潮もあるからなあ。動機はあっても、CIAが直接手を下したという具体的な物証は、結局出てないままなんだよね。

14. 謎の名無しさん
個人的に一番の赤信号は、最初の事故調査を仕切ったのが後の首相アンドレオッティだったこと。よりによってこの人物が「事故」で幕引きしたという一点が、逆に事件性を強く匂わせている。

15. 謎の名無しさん(>>14への返信)
アンドレオッティは後年、1980年までマフィアと繋がりがあったと法廷で認定されてる(最終的には無罪だけど)。記者ペコレッリ殺害の首謀者としても訴追された人物だからね。

16. 謎の名無しさん
「どうやって殺したか」はもう決着してると思う。トリノ工科大がマッテイの指輪と機体の金属片から爆発の痕跡を検出して、計器盤裏の爆弾だと結論づけた。ただの事故で指輪に爆轟痕はつかない。

17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
ただ、墜落から30年以上経った焼けた残骸と遺骨からの鑑定が、どこまで信用できるのかという慎重論も分かる。物的には強いけど、「依頼主」までは絶対に届かない鑑定でもあるからね。

18. 謎の名無しさん
2001年のドイツのドキュメンタリーが言ってた「墜落現場が異常な速さで片付けられ、計器や機体の一部が酸で溶かされた」という話、事実なら完全に組織的な隠蔽だよ。もっとも真偽は自分には確かめようがないけど。

19. 謎の名無しさん
陰謀論の派手さに隠れがちだけど、巻き込まれた操縦士のベルトゥッツィやアメリカ人記者マクヘイルにも家族がいたんだよな。要人一人を消すために、無関係な二人ごと空から落とした。

20. 謎の名無しさん
これ映画化するなら、全ての容疑者が周到に暗殺を計画していく群像劇として盛り上げておいて、オチで「実は本当にただの事故でした」ってどんでん返しにしたら、最高に皮肉が効くと思う。

21. 謎の名無しさん
忘れちゃいけないのは、マッテイが産油国にとっては英雄的な存在だったこと。七姉妹より遥かに公平な条件で、チュニジアやイランやエジプトに利益を還元しようとした。だからこそ余計に敵が多かった。

22. 謎の名無しさん(>>21への返信)
そう、まさにそこが命取りだった。産油国に有利な契約を次々結ばれたら、既存の石油メジャーは利益構造ごと崩れてしまう。「殺す動機」で言えば、彼らこそ筆頭候補なんだよ。

23. 謎の名無しさん
未見の人にはフランチェスコ・ロージ監督の映画『マッテイ事件』を勧めたい。1972年にカンヌで最高賞を獲った作品で、真相不明のまま終わる作り自体が、この事件の本質をそのまま表している。

24. 謎の名無しさん
「複数勢力の合作」説、地味だけど一番現実に近い気がする。全員がそれぞれの理由でマッテイを邪魔だと思っていた。誰か一つが動けば、他は黙って見ていればいいだけの話だ。

25. 謎の名無しさん(>>24への返信)
当時のイタリアは国家・マフィア・諜報・政党の境界が曖昧で、利害が一致すれば自然に協調してしまう構造だった。だから「単独の黒幕」を探す発想そのものが、的外れなのかもしれない。

26. 謎の名無しさん
30年間も「事故」で通っていたという事実そのものが、隠蔽が成功していた証拠だと思う。爆発の痕跡が遺骨に残っていたのに、90年代まで再捜査されなかったのは、どう考えても異常だよ。

27. 謎の名無しさん(>>26への返信)
逆に言えば、その30年で証拠のほとんどが失われた。今さら遺骨から「爆弾だった」と分かっても、誰が仕掛けたのかを立証する物証は、もう地中にも空にも残っていないんだ。

28. 謎の名無しさん
結局この事件は「層は全部見えているのに、一番上の層だけは最初から否認できるように作られていた」完璧な請負殺人なんだと思う。だから謎というより、見えているのに触れられない事件なんだよ。

29. 謎の名無しさん
日本人的には、戦後の下山事件みたいな空気を感じる。要人がありえない状況で死に、国家がらみの疑惑が渦巻き、結局誰も裁かれないまま歴史になっていく。国は違えど、構図がよく似ている。

※ 下山事件:1949年、初代国鉄総裁の下山定則が出勤途中に失踪し、翌日に轢死体で発見された事件。自殺か他殺かも判然としないまま未解決となった。

30. 謎の名無しさん
事件から60年以上、受賞映画が作られ、記者が消え、いくつもの殺人が重ねられても、誰がマッテイを殺したのかは分からないまま。3人の犠牲者に祈りを。真実は彼らと一緒に、あの村の土に埋まっているんだろう。

未解決の謎

60年以上を経て、法医学はついに「どうやって殺したか」を明らかにした——計器盤の裏に仕掛けられた、小さな爆弾。当初「事故」とされた墜落は、遺骨に食い込んだ金属片と指輪に残る爆轟痕によって、他殺だと断定された。だが「誰が」「なぜ」という肝心の問いには、いまも空白が横たわったままだ。

証言の重みで最も有力とされるのは、シチリアマフィアが実行し、その背後に脅かされた石油メジャーの利権があったとする説である。だが、実行犯は分かっても依頼主は最初から否認できるように設計されており、真の発注者に手が届くことは、おそらく永遠にない。取材した記者が消え、その死を追った捜査官が殺され、最初の調査を率いた政治家自身が黒に限りなく近いグレー——事件の周囲では、真相に近づいた者ほど不幸に見舞われてきた。

マッテイ事件が今なお人々を惹きつけてやまないのは、証拠がないからではない。むしろ「層」がすべて見えているのに、一番上の一枚にだけは決して手が届かないからだ。事故と断じるには物証が多すぎ、犯人を名指しするには依頼主が巧妙に隠れすぎている。事件から60年余り、受賞映画が作られ、記者が消え、いくつもの殺人が積み重なった今も、エンリコ・マッテイを空から落としたのが誰だったのかは、依然として誰にも分からない。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ

コメント