2025年5月29日の午前、カリフォルニア州レディング。21歳のレスナー・カルデナスは、鹿を避けようとして車を横転させる事故を起こした。彼はちゃんと当局に通報したのに、警官が到着する前になぜか現場を立ち去り、知人の車で自宅へ帰った。そこまでは無事だった。ところが彼は事故直後にもかかわらず登山装備を取りに帰り、タクシーで2時間かけて地元の登山口へ向かい——そのまま忽然と消えた。財布も現金も置いたまま、消えたのはパスポートだけ。深刻な事故の直後に、なぜ彼は一人で山へ向かったのか。
レスナーは「ICE」※を極度に恐れていたという。合法的なビザを持っていたにもかかわらず、その単語を耳にするだけで強い不安に襲われた。事故・パニック・頭部外傷・移民当局への恐怖——いくつもの要素が絡み合うこの失踪は、今も解けていない。
※ ICE:アメリカ移民・関税執行局(Immigration and Customs Enforcement)。不法移民の摘発・国外退去を担う連邦機関で、近年の取り締まり強化により移民コミュニティで強い恐怖の対象となっている。
事件の概要
🗓️ 発生日:2025年5月29日(事故発生)/同日中に失踪
🌫️ 場所:カリフォルニア州レディング 〜 マウントシャスタのアバランチガルチ登山口
👤 被害者:レスナー・ノエ・ベラスケス・カルデナス(当時21歳)。ホンジュラス出身、マウントシャスタ大学レスリング部、EMT(救急救命士)訓練生
🔍 状況:横転事故の現場を離れて帰宅後、登山装備を取ってタクシーで登山口へ。午後2時22分にタクシーに乗り、その後消息を絶つ
🕯️ 発見/結末:5月31日に正式に行方不明者として届出。6月6日から捜索開始も手がかりなし。現在も発見されていない
レスナーはホンジュラス生まれで、カリフォルニア州レイクエルシノアで育ち、進学のため北部へ移った。マウントシャスタ大学ではレスリングをし、EMTの訓練を受け、ファーストレスポンダー(救急隊員)になることを夢見ていた。運転免許を取ったのもごく最近だった。親友の父ブライアン・キンシーは彼を「14歳の精神年齢」「極端に純粋で世間知らず」と評しつつ、「将来を心から楽しみにしていた、いい奴だった」と語っている。
失踪当時、レスナーの母はステージ4の癌を患っていた。家族は「彼が自ら姿を消すような子ではない」と訴える一方、母の容体が重く、自分たちが捜索に加われないことを悔やんでいた。
判明している事実
事故現場を立ち去った
5月29日午前10時30分頃、オークラン・ロードで鹿を避けようとして横転事故を起こす。彼は自らCHP(カリフォルニア州ハイウェイパトロール)に通報したが、なぜか当局の到着前に現場を離れた。通りかかった人物が撮った写真が、確認できる最後の姿となっている。
帰宅は確認されている
レスナーを知る女性が彼を自宅まで送っており、その女性によれば「受け答えはしっかりしていて、目立った怪我もなかった」という。事故時に着ていた服がのちにルームメイトによって自宅で見つかっており、帰宅していたことは確実とされる
ポケットの謎のイヤリング
彼が脱ぎ捨てたズボンのポケットから、女性物のイヤリングが一組見つかった。それは女性ルームメイトのものでも、彼が交際していた女性のものでもなかった。なぜ彼が持っていたのか、誰の物なのかは不明のまま
残したもの・持ち出したもの
財布と現金は自宅に残されていた。なくなっていたのはパスポートだけ。タクシー代をどうやって支払ったのかは判明していない。午後2時22分、イーストサイプレス通りのウェルズ・ファーゴ銀行近くでタクシーに拾われ、約2時間後にアバランチガルチの登山口で降ろされた
時刻の矛盾
親友ハンターが「探す」アプリで確認したところ、レスナーの携帯はタクシーに乗る16分も前の午後2時06分にマウントシャスタの麓で反応していた。携帯はその午後以降、圏外のまま。最後の位置情報はアバランチガルチがあるマウントシャスタ付近を示している
主な仮説
仮説1:事故による遅発性の頭部外傷で山中で死亡した
スレッドで最も支持された説。横転事故では一見無事に見えても、脳震盪や脳内出血の症状が時間差で悪化することがある。事故直後に登山へ向かうという異常な判断、タクシー運転手への不可解な発言(「友人のタイムを破りたい」)は、軽度でも頭部外傷があれば説明がつく。人里離れたアバランチガルチ周辺で意識を失えば、遺体は容易に見つからない。
仮説2:ICEへの恐怖からパニックを起こし、山へ身を隠した
親友の父が唱える説。レスナーは事故の責任を過大に恐れ、その延長でICEを避けようと人里離れた山中に身を潜めた可能性。ただし彼の名前はICEのデータベースに登録されておらず、合法的に滞在していた。恐怖が現実の脅威を上回っていた、という見立てである。
仮説3:登山中の事故・遭難(不慮の死)
彼の言葉どおり実際に登山に出て、道に迷うか滑落した可能性。マウントシャスタは雪上歩行や本格的な登山技術を要する難所で、慣れた登山者でも危険が伴う。事故に頭部外傷や恐慌状態が重なれば、判断力を失って遭難に至るのは十分あり得る。
仮説4:意図的な失踪
自らの意思で姿を消したとする説。パスポートだけを持ち出した点が根拠だが、現金や財布を残し、危篤の母を抱えていた状況とは矛盾する。一部のコメントは「身を隠して無事でいてほしい」と希望をつなぐが、説明のつかない点が多い。
海外の反応
1. 謎の名無しさん
かなり激しい事故の場合、すぐには分からない頭部や内臓の損傷を負っている可能性を考えなきゃいけない。脳震盪は特に厄介で、直後は元気そうに見えても後から急激に悪化する。だから医療現場では数日間の経過観察を勧めるんだ。残念ながら、レスナーは登山中に事故の遅発性の症状で倒れた可能性が高い気がする。
2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
それなら、深刻な事故の直後にいきなり登山に出かけた理由も説明がつく。普通の精神状態ならまずやらない行動だ。あまりに悲しい。早く見つかってほしい。
3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
交通事故で脳に損傷を負った人が、脳が見えるような状態でも救急隊員と笑って冗談を言ってた、なんて話もある。ショックが現実感を麻痺させて、まったく別の歪んだ世界を作り出してしまうんだ。タクシー運転手への奇妙な発言もそれで説明できる。
4. 謎の名無しさん
横転事故なら、アドレナリンで気づかないだけで頭部に損傷を負っていた可能性が高い。脳の損傷や出血の症状は、治療を受けずにいると時間とともに悪化する。タクシー運転手と話していた頃には、もう少しめまいや錯乱が出始めていたんじゃないか。事故で車がどれだけ壊れたのかが気になる。
5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
脳震盪が引き起こした被害妄想が、トレイルでの判断ミスにつながった、というのも十分あり得る。「ICEを避けるため」にコースを外れたのかもしれない。アバランチガルチをグーグルマップで見てほしい、トレイルの周りは本当に何もない。トレイルから1マイルでも外れたら、遺体が見つからずに残るのは容易だと思う。
6. 謎の名無しさん
タクシー運転手への「友人のタイムを破りたい」という発言も妙だ。彼に登山する友人なんていなかったはずなのに。頭が混乱していたか、あるいは「ICEが怖い」と言いたくなくて咄嗟に嘘をついたか。どちらにせよ正常な状態じゃない。
7. 謎の名無しさん
同僚にも似たことが起きた。旦那さんが「事故ったけど無事だ、家に帰る、後で会おう」と電話してきたのに、仕事から帰宅したら彼はソファで亡くなっていた。元気そうに見えても、内側で何かが進行していることがある。
8. 謎の名無しさん
有名なミュージシャンにもバイク事故の後、一見ひどくない様子だったのに脳の損傷で亡くなった人がいたよね。オールマン・ブラザーズ・バンドのベリー・オークリーだ。事故直後は大丈夫そうに見えていた。人体は本当に時間差で裏切ってくる。
9. 謎の名無しさん
自分も交通事故脳損傷の経験者だけど、これを読んで真っ先に頭部外傷を疑った。事故のショックで人は信じられない行動をとる。家族や友人にとってどれほど恐ろしい状況か、想像するだけで胸が痛い。
10. 謎の名無しさん(>>9への返信)
自分も友人から従兄弟の話を聞いたことがある。ストリートファイトでバットで頭を殴られて、酔った状態で帰宅して眠って、そのまま二度と目を覚まさなかったそうだ。頭部への衝撃は本当に怖い。
11. 謎の名無しさん
このスレで一番冷静な投稿があった。レディングのウェルズ・ファーゴからマウントシャスタの登山口までは66マイル以上、車で1時間以上かかる。午後2時22分に乗って、日没は午後8時34分。登山に使える時間は5時間ちょっとしかないうえ、帰りの足も確保しなきゃいけない。タクシー代は片道150ドル以上したはず。これは登山者の行動じゃない。
12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
しかも降ろされた地点は、マウントシャスタを登る一般的な起点ですらないらしい。アバランチガルチまではそこからさらに3マイル歩く必要があって、登山者は普通そこからは始めない。何もかもが「計画された登山」とは思えない。
13. 謎の名無しさん
「探す」アプリの時刻の食い違いは、わりとよくある現象として説明がつくよ。自分のデバイスがネットワーク経由で位置を返すとき、1時間くらい未来の時刻で表示されることが実際にある。だから16分前に麓で反応したのも、必ずしも不気味な意味はないと思う。
14. 謎の名無しさん
こういう事件で一番怖いのは不慮の事故死だ。人目を避けて道なき道に入り込んで、足を滑らせて転落して、近くに誰もいなくて声も届かない。それで終わってしまう。彼が安全に身を隠しているだけだと願いたいけれど。
15. 謎の名無しさん
そもそもなぜタクシー運転手にどうやって支払ったのか聞かないんだ。運転手の話から多くの答えが得られるはずなのに。
16. 謎の名無しさん(>>15への返信)
2025年だぞ、携帯を持っていたんだから、たぶんそれで払ったんだろう。ウェルズ・ファーゴの口座があれば、スマホのウォレットにカードを入れてATMで現金を引き出すこともできたはずだ。
17. 謎の名無しさん
それにしてもタクシー運転手がまだ特定されていないらしいのが引っかかる。運転手から答えが出てくるはずなのに。
18. 謎の名無しさん(>>17への返信)
いや、運転手は特定されているはずだよ。そうでなければ車内での会話の内容なんて分からないだろう。「友人のタイムを破りたい」という発言が伝わっている時点で、運転手は証言しているということだ。
19. 謎の名無しさん
事故の責任を過剰に恐れた、という説には100パーセント納得できる。合法移民で英語も話せて、事故は鹿のせいだった。現実的には保険料が少し上がるくらいで済んだはずだ。でもICEの行き過ぎた取り締まりへの恐怖と、発達の遅れと、人生経験の少なさが重なると、人はパニックを起こす。パニックの中では、普段ならやらないことをやってしまう。
20. 謎の名無しさん(>>19への返信)
ストレス下では本当に頭がおかしな働き方をする。自分も交差点で横から突っ込まれた事故のとき、図書館に本を返すことが世界で一番大事な用事に思えて、警官に止められて救急隊の検査を受けるよう説得されるまで、徒歩ででも立ち去ろうとしていた。あの異常な執着は今でも自分でも理解できない。
21. 謎の名無しさん
財布も現金も置いていったのに、自分の意思で姿を消したと考えるのは無理がある。本気で失踪するつもりなら、せめて金は持っていくはずだ。持ち出したのがパスポートだけ、というのがどうにも説明しづらい。
22. 謎の名無しさん
ブラウンやブラックの人はマウントシャスタでは気をつけたほうがいい。前にも言ったことがあるが、あの一帯は何かと不穏だ。
23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
いや、もっと現実的な答えは、マウントシャスタが単純に簡単な山じゃないってことだよ。本格的な登山経験と雪上歩行の技術が要る。自分は白人だけど、シャスタは誰にとっても同じくらい厳しい。人が消える事例は、陰謀よりも不慮の遭難で説明がつくことのほうがずっと多い。
24. 謎の名無しさん(>>22への返信)
マウントシャスタ周辺は田舎で保守的な土地柄で、覚醒剤中毒者やスキンヘッド、ヒッピー、違法な大麻栽培者まで入り混じっている。神秘的な話をすれば、あの山は宇宙人の隠れ家だとかビッグフットがいるとかいう噂もある。とはいえ、結局のところ田舎で本物の山だから、ほぼ間違いなく遭難だろう。
25. 謎の名無しさん
似たような失踪事件を最近読んだ。交通事故のあと職場を出て、防犯カメラに普段と違う行動が映っていたけど、すぐに通報するほどではなく、そのまま消えてしまった父親の話だ。脳卒中だったんじゃないかと家族は言っている。事故後の「普通に見えるけどおかしい」状態は本当に危うい。
26. 謎の名無しさん
一人で登山に行っちゃダメだ、絶対に。たとえ慣れた人でも、何かあったときに助けを呼べない。彼に同行者が一人でもいれば、結末は違っていたかもしれない。
27. 謎の名無しさん
ポケットから出てきた女性物のイヤリングがずっと気になっている。ルームメイトの物でも交際相手の物でもないって、じゃあ誰の?事件と関係あるのかないのか分からないけど、こういう説明のつかない細部が一番引っかかる。
28. 謎の名無しさん(>>27への返信)
たぶん事件とは無関係の偶然だと思う。落とし物を拾っただけかもしれないし。でも未解決事件ではこういう小さな謎が独り歩きしがちなんだよね。気持ちは分かる。
29. 謎の名無しさん
事故・頭部外傷・ICEへの恐怖・慣れない山。一つひとつは説明できても、全部が同じ日に重なったことがこの事件を異様にしている。どれか一つでも欠けていれば、彼は今も生きていたかもしれない。
30. 謎の名無しさん
危篤の母を残して、自分から消えるとは思えない。だからこそ、これは意図的な失踪じゃなく、事故と混乱が招いた悲劇なんだと思う。どうか山のどこかで、せめて安らかであってほしい。早く家族のもとに帰れますように。
未解決の謎
レスナー・カルデナスの失踪は、いまだに一つの結論に収まらない。最も多くの支持を集めるのは「事故による遅発性の頭部外傷で、慣れない山中で意識を失った」という説だ。横転事故の直後に登山へ向かうという異常な判断、タクシー運転手への不可解な発言、これらは軽度でも脳の損傷があれば一応の筋が通る。アバランチガルチ周辺はトレイルを一歩外れれば人の目が届かない荒野で、遺体が見つからずに残るのも不思議ではない。
一方で、説明のつかないピースが残る。事故現場をなぜ立ち去ったのか。ポケットに入っていた持ち主不明のイヤリングは何だったのか。財布と現金を残してパスポートだけを持ち出したのはなぜか。「探す」アプリが示したタクシー乗車16分前の位置情報は、本当に単なる誤差なのか。タクシー代の支払い方法すら、はっきりしていない。
ICEへの過剰な恐怖が彼を山へ追い込んだのか、頭部外傷が判断を狂わせたのか、それとも単純な遭難なのか。どの仮説も決定打を欠いたまま、レディング警察の捜索は6月6日以降、手がかりをつかめずにいる。母の容体ゆえに家族が十分に動けなかったことも、この事件の痛ましさを深くしている。
21歳の救急救命士志望の青年は、人を助ける側になろうとしていた。その彼が、誰の助けも届かない場所で消えた。彼がどこかで生きていること、あるいはせめて安らかであることを、ただ願うしかない。
出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ / SFGATE / California DOJ Missing Persons

