2007年7月27日、ローマ南西部マリアーナ地区の茂みで、放火とみられる火災の消火作業中に消防隊が奇妙なものを発見した。焼け焦げながらもほぼ原形をとどめた人の骨格だった。そのすぐそばには、2003年に忽然と姿を消した77歳の年金生活者、リベロ・リッチの身分証と自宅の鍵が入ったポシェットが残されていた。骨はリッチ氏のものなのか——捜査が進むにつれ明らかになったのは、もっと奇怪な真実だった。この一体分の骨格は、実は5人の異なる人間の骨をつなぎ合わせて組み立てられたものだったのだ。
事件の概要
🗓️ 発生日:骨格発見 2007年7月27日(リッチ氏の失踪は2003年10月31日)
🌫️ 場所:イタリア・ローマ市 マリアーナ地区、ヴィア・デッラ・ペスカーリア(テヴェレ川沿いの遊歩道近くの茂み)
👤 被害者:リベロ・リッチ(失踪当時77歳、元装飾職人)/骨の提供者とされる身元不明の男女5人
🔍 状況:野焼きの消火中に発見された骨格が、後の鑑定で5人分の骨を組み合わせたものと判明
🕯️ 発見/結末:骨の身元特定は一部にとどまり、リッチ氏、マグダレナ・キンドリス、アレッシア・ロザーティの行方はいずれも不明のまま
リッチ氏はヴィア・ラーヴァ近くのアパートで一人暮らしをしていた元装飾職人で、バチカンとも取引のある会社に長年勤めていた。2003年10月31日午前10時頃に外出したまま戻らず、以来消息を絶っていた。
発見された骨格は頭蓋骨に火傷の痕があり、頸椎・胸椎・腰椎の一部、ほぼ無傷の右大腿骨、脛骨・腓骨の破片、左上腕骨の一部、複数の指骨・中手骨、肋骨の破片や肩甲骨の一部などで構成されていた。ベージュの靴、青いジャケット、茶色のTシャツ、黒いズボンを身につけていたが、この服装は遺族の証言によれば、リッチ氏が失踪当日に着ていたものとは異なっていたという。
判明している事実
服装の食い違い
骨格が着ていた服は、リッチ氏の家族が確認したところ、失踪当日の服装とは一致しなかった。誰かが意図的に別の服を着せた可能性が指摘されている。
骨は5人分だった
2010年、家族の要請で頭蓋骨とリッチ氏のDNA照合が行われたところ、頭蓋骨は女性のものと判明した。さらに他の骨も調べたところ、1989年から2006年の間に死亡した男性2人・女性3人、計5人分の骨が混在していることが分かった。
組み立てには高度な解剖学の知識が必要
骨は本来あるべき位置に一つも狂いなく配置されており、捜査当局は「組み立てた人物は人体の構造にかなり精通していたはずだ」との見解を示している。
遺棄されたのはごく最近だった
骨には動物に荒らされた形跡がなく、捜査官は「発見された火災の直前に、その場所へ運び込まれたばかりだったはず」とみている。
遠縁のリッチ氏とのつながり
5人のうち女性1人(40代後半〜50代半ば、2002年11月〜2006年11月の間に死亡と推定)は、母方の※ミトコンドリアDNAでリッチ氏と遠い血縁関係にあることが判明した。これは単なる偶然なのか、それとも骨を集めた何者かがリッチ氏を知っていた証なのか、いまだに答えは出ていない。
※ ミトコンドリアDNA:母から子へほぼ変異なく受け継がれる遺伝情報。父方の系譜は追えないが、母方をたどれば数世代前の遠い親戚でも血縁関係を特定できる。
主な仮説
仮説1:墓荒らし(グレイヴロビング)説
複数の墓から盗んだ骨をかき集めて処分した、とする説。しかし棺の製造に使われる亜鉛などの金属片が骨から検出されなかったことから、捜査当局はこの線を退けている。もっとも、火にくべられたあとの骨に棺の金属片が残るかどうか自体を疑問視する声もあり、完全に否定された仮説とは言えない。
仮説2:宗教儀式・オカルト説
骨が何らかの秘教的儀礼や邪教の儀式に使われたのではないか、とする説。捜査は一時この線も検討したが、有力な証拠は出ず立ち消えになった。
仮説3:マリアーナ一家(組織犯罪)関与説
1960年代から1999年までローマ南西部を仕切っていた犯罪組織「バンダ・デッラ・マリアーナ」との関連も疑われた。しかし細部の状況が一致しないとして、この仮説も捜査線から外された。
仮説4:マグダレナ・キンドリス説
2024年になって浮上した比較的新しい仮説。5人のうちの1人、35〜45歳の女性の骨が、1995年に失踪した47歳の女性マグダレナ・キンドリスのものではないか、というもの。キンドリスの失踪現場の不可解な状況と結びつけて語られているが、確定した証拠はまだない。
海外の反応
1. 謎の名無しさん
グレイヴロビング説にも一理あるとは思う。でも骨格があまりに精巧に組み立てられていたことと、リッチ氏の身分証がすぐそばにあったことが引っかかる。ただ遺棄するだけなら、行方不明中の男の身分証をわざわざ添える意味がわからない。誰かが「気づいてほしい何か」を残したくてやったんじゃないかとすら思えてくる。動機も方法も見当がつかないけど、こんな話は初めて聞いた。名前が挙がってる人物を少し調べてみるよ。
2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
この事件、エマヌエラ・オルランディやミレッラ・グレゴリの失踪と結びつけたがる人も多いね。個人的にはこれは独立した事件だと思うけど、遠いところでその失踪者ともつながってる気がしてならない。骨の身元がまだ特定されていない以上、ローマで起きた他の失踪事件ともいくらでも結びつけられてしまう、本当に底なしの話だよ。
3. 謎の名無しさん
骨を焼いたのはDNAを消すためだったんじゃないかな。誰かがリッチ氏の身分証を手に入れて、別の骨をそれっぽい服装で並べて、火をつけて灰と骨片だけを残そうとした。それで警察に彼を死亡と判断させたかったのかもしれない。動機はさっぱり分からないけど、数日前に知ったばかりなのにどうしても頭から離れない事件だ。
4. 謎の名無しさん
墓荒らし説は簡単に切り捨てられすぎだと思う。棺に使われる金属の痕跡が、そもそも骨の表面に残るのかすら怪しい。発掘・洗浄・着せ替え・焼却という工程を経てなお金属片が残るとは考えにくい。それでも一番あり得るシナリオではあるし、こういうことをする精神状態の人間は過去にも実在する。
5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
でも、行方不明中の女性の骨まで含まれているとしたら、一体どの墓を暴いたっていうんだろう。墓荒らしだとしたら、なぜわざわざ複数の骨格から寄せ集めて“完全な形”に組み直す必要があったのか。そもそも1人分以上の骨格に触れられる立場に、どうやってたどり着いたのか。疑問だらけだよ。
6. 謎の名無しさん
行方不明女性の骨だという確証はまだない、単なる仮説にすぎないよ。私が推してるのは、複数の墓から個別に骨を持ち出して、自分だけの妄想的な目的のために組み立てたという線。アナトリー・モスクヴィン※も似たようなことをした——少女たちの遺体を掘り出してミイラ化を試み、服を着せて自室に置いていた。彼は精神を病んでいて、そうすることで彼女たちを何か恐ろしい運命から救えると妄信していた。
※ アナトリー・モスクヴィン:ロシアの元教師・郷土史家。2000年代に多数の少女の遺体を墓から掘り出し、人形のように加工して自宅に安置していたことが発覚し逮捕された。
7. 謎の名無しさん
その説、かなり納得できる。骨が色んな時期・場所から集められたんだとしたら筋が通る。ただ一つだけどうしても理解できないのが、リッチ氏の私物が現場にあったことなんだよね。
8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
リッチ氏の身分証が入ったバッグが「すぐそば」で見つかったって話、具体的にどれくらいの距離だったのかが気になる。数メートル離れてただけなら無関係かもしれない。それと、現場はリッチ氏の自宅からどれくらい離れてたんだろう。テヴェレ川までの距離は?高齢者が誤って川に落ちて、誰かがそのバッグだけ拾って藪に捨てた、なんて可能性はないのかな。ただそうなると、頭蓋骨がリッチ氏の遠縁だったという偶然があまりにできすぎてる気もするけど。
9. 謎の名無しさん
正確な距離は記事に書かれていないけど、かなり近かったらしい。イタリアでは高齢者が釣りをする習慣もあるから、リッチ氏が誤って川に落ちた可能性はゼロじゃないと思う。ただ、それが単なる偶然だとしたらあまりに出来過ぎてる。
10. 謎の名無しさん
DNA検査自体が何かの理由で汚染されていた可能性はないのかな。5人分の骨が偶然フランケンシュタインのように組み合わさっているより、全部が1人の遺骨だったと考える方がずっと自然な気がしてしまう。
11. 謎の名無しさん(>>10への返信)
私も同じことを思った。研究所での取り違えはあり得るし、骨は解剖学的に正しい位置にすべて収まっていたというのも、むしろ1人の遺骨だった可能性を後押ししてる気がする。ひょっとしてあの骨、本当はリッチ氏本人のものなんじゃないかな。
12. 謎の名無しさん
骨は火でかなり黒く焼け焦げていたから、他の骨と混同するのは逆に難しいはず。何年もかけて何度も検査されてきた骨格が、途中で別の骨とすり替わったり重複が出たりせずに今の形にまとまっているとも考えにくい。
13. 謎の名無しさん(>>12への返信)
組み立てた人物が重複する骨を処分しただけだと思う。シンプルに、連続殺人犯がいて、骨は複数の被害者のものだった、それだけの話。今後さらに骨を調べれば、被害者リストにもっと名前が加わるかもしれない。異常ではあるけど、驚くほどのことでもないよ。つらいのは遺族だ。それでも骨が返還されれば、少なくとも殺されていたことを知り、ようやくきちんと弔うことができる。加害者が死んでいるか服役中でない限り、他の場所にもこうした寄せ集めの骨格がまだあるかもしれない。
14. 謎の名無しさん
この事件を調べ始めてすぐ、ショックを受ける情報にぶつかった。ミトコンドリアDNA鑑定によって、頭蓋骨(女性1)は行方不明の77歳リッチ氏の母親の血縁者だと判明していたらしい。しかも二人は、ユダヤ・コーカサス系に多い珍しい遺伝的変異を共有していたという。2010年の情報だから、投稿主も見落としてたのかもしれない。
15. 謎の名無しさん(>>14への返信)
その話は記事にも軽く触れられてたよ。単なる偶然か、それとも「墓荒らし」がリッチ氏の遠縁の骨だと知った上でわざと選んで盗んだのか。なぜ骨格をリッチ氏に結びつけておきながら、リッチ氏本人の骨は含めなかったのか——彼のバッグを持っていたなら尚更、そこが引っかかる。
16. 謎の名無しさん
リッチ氏本人が失踪を偽装したんじゃないかとすら思えてくる。とはいえ複数の骨格が絡んでいる以上、もし親族の墓を暴いたのだとしたら、必要な骨は普通1つの墓に揃ってるはずだよね。生前に骨格の構造を研究しながら、家族の墓所を暴いていたのかもしれない。でも全部が1つの墓になかったのだとしたら妙な話だし、こじつけにも感じる。まだ検査されていない骨片もあるらしいから、判明している5人以外にも関係者がいる可能性がある。
17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
私が知る限り、骨はすべて検査済みでその5人に結びついている。リッチ氏が自ら失踪を偽装したという線も、私は退けたい。77歳の年金生活者がわざわざ死を偽装する理由がまず分からないし、仮にそうだったとしても、ほとんど誰にも知られていなかった自分の失踪事件のために、5年近くも経ってからこんな騒ぎを起こしにわざわざ戻ってくる理由がない。
18. 謎の名無しさん
筋が通ると思う可能性は3つある。1つ目、リッチ氏が自ら姿を消して死を偽装した説。ただ77歳の年金生活者が死を偽装するとは考えにくく、もし生きていたなら骨格発見時には81歳になっている。もっと若い男性ならまだ分かるけど、年齢だけで大きな疑問符がつく。2つ目、悪趣味な悪ふざけ説。誰かがリッチ氏のバッグを見つけて悪ふざけを思いつき、どこかから骨を入手した。医学生か、献体された遺体に関わる仕事をしていた人物かもしれない。ただキンドリス説が正しいなら、この線は崩れる。彼女の骨だけをわざわざ盗む理由が見当たらないから。3つ目、マリアーナ一家との関連は否定されているけど、それでも捨てきれない。骨の検査に3年もかかったのは単なる警察の怠慢かもしれないけど、組織犯罪の影がちらつく。
19. 謎の名無しさん(>>18への返信)
私は「悪ふざけ」寄りの説に惹かれる。骨を集めて骨格を組み立てるなんて、どこかの奇妙なパフォーマンスアーティストがやりそうなことに思える。個々がバラバラの人間の骨を集めて一つの骨格にする、みたいな深いメッセージを表現したかったのかもしれない。
20. 謎の名無しさん
この事件の一番おかしいところは、犯人が「隠そうとした形跡」と「見つけてほしそうな形跡」を両方残していることだと思う。骨を焼いて身元を消そうとした一方で、行方不明者の身分証をわざわざ添えている。矛盾しているように見えるけど、もし目的が「リッチ氏は死んだ」と信じ込ませることだったなら、その二つは同じ一つの行動になる。
21. 謎の名無しさん
この事件はときどき掘り返されては話題になるけど、結局いつも何も進展しないまま終わる。私は以前から他のユーザーが言っていた通り、「トンバローロ(墓荒らし)」説を推している。
22. 謎の名無しさん
マグダレナ・キンドリスの失踪現場の描写を読んで鳥肌が立った。部屋の真ん中に置かれた脚立、コンセントが抜かれて倒れた扇風機、プロペラに巻きつけられたネクタイ、指の跡のような血痕——ここまでは自殺の現場みたいに見える。なのに肝心の遺体だけがどこにもない。これほど不気味な失踪の現場、他に読んだ記憶がない。
23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
本当にそう思う。自殺を装った現場なのに肝心の本人がいないというのが、すべての辻褄を狂わせてる。当時交際していた相手はフィレンツェで母親の見舞い中だったらしいけど、電話で知らせを受けて相当ショックを受けたそうだよ。もし彼が現場にいなかったのが本当なら、少なくとも彼を疑う理由は薄くなる。
24. 謎の名無しさん
アレッシア・ロザーティの名前も出てきてたね。彼女も1994年にローマで21歳のときに姿を消してる。ローマで身元不明の骨が見つかるたびに、この街で行方不明になった女性の名前がとりあえず片っ端から照合対象に挙げられてしまうんだと思う。それだけこの街には未解決の失踪事件が積み重なってるってことなんだろうけど。
25. 謎の名無しさん
バチカン絡みの陰謀論やエマヌエラ・オルランディ事件と結びつける投稿をよく見かけるけど、正直ちょっと安易すぎる気がする。ローマで起きる未解決事件は、最終的にほぼ全部オルランディ事件にこじつけられてしまう傾向があると思う。
26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
同意。オルランディ事件があまりに有名すぎて、ちょっとでも接点がありそうな話は何でも「証拠」扱いされがちだよね。投稿主自身も単なる憶測にすぎないから本文には含めなかったって書いてるくらいだし、そのくらい距離を置いて見た方がいいと思う。
27. 謎の名無しさん
イタリアの捜査体制について補足すると、こういう骨の鑑定はカラビニエリ※傘下のRIS(科学捜査部門)が担当することが多い。DNA鑑定には時間もコストもかかるし、優先順位の高い事件が山積みだから、家族が声を上げなければ何年も塩漬けになることも珍しくない。今回、家族が2010年に検査を要請するまで放置されていたのも、その一例だと思う。
※ カラビニエリ:イタリアの国防省管轄下にある国家憲兵組織で、内務省管轄の国家警察(ポリツィア・ディ・スタート)と並ぶもう一つの警察機構。科学捜査や重大犯罪の捜査も担う。
28. 謎の名無しさん
骨が一つも本来の位置からずれずに組み上げられていたという点が一番不気味だと思う。医療関係者、葬儀関係者、あるいは解剖学を学んだ経験のある人物、かなり限られた層にしかできない作業のはず。趣味でできるレベルの精度じゃない。
29. 謎の名無しさん
一番つらいのは、身元がまだはっきりしない骨の持ち主たちの家族が、今もどこかで答えを待ち続けているということ。リッチ氏やキンドリスさんの家族もそうだけど、名前も出てこないまま忘れられていく人たちのことを思うと胸が痛む。
30. 謎の名無しさん
18年経ってもこの謎は解けていない。骨の一部はまだ検査すら終わっていないと聞くし、ローマのどこかに、まだ見つかっていない別の寄せ集めの骨格が眠っている可能性だってゼロじゃない。この事件が教えてくれるのは、都市の片隅には、名前も持たないまま忘れられている人がまだ大勢いるという、単純だけど重い事実だと思う。
未解決の謎
骨格が発見されてから18年が経ったいまも、5人分の骨のうち身元が判明したのはごく一部にとどまっている。リッチ氏、マグダレナ・キンドリス、アレッシア・ロザーティ——名前が挙がった3人の行方は、いずれもいまだ分かっていない。
墓荒らし、宗教儀式、組織犯罪との関連——捜査当局が検討した仮説はどれも決定打を欠いたまま棚上げにされている。唯一はっきりしているのは、骨を組み立てた何者かが人体の構造を熟知しており、しかもその作業をごく直前に行っていたらしいという点だけだ。
ネット上ではエマヌエラ・オルランディ事件など、バチカン関連の失踪劇と結びつける声も根強い。ただし元投稿者自身が「単なる憶測にすぎない」と釘を刺しているように、確たる根拠のあるつながりは今のところ見つかっていない。
なぜ5人分もの骨を一つの骨格として組み上げる必要があったのか。なぜそこにリッチ氏の身分証が添えられていたのか。誰が、何のためにこの骨格を作り、なぜ2007年のあの日に燃やしたのか——マリアーナの「骨の蒐集者」が残した問いは、今も答えのないまま宙に浮いている。

