2025年5月2日の朝、カナダ東部ノバスコシア州の静かな田舎町ランズダウン・ステーションで、6歳の女の子リリーと4歳の男の子ジャックが、自宅の裏庭から忽然と姿を消した。両親が「子どもたちが家の中で動き回る音は聞こえていた」と語る一方で、最後に姿を見た時刻ははっきりしない。100人を超える捜索隊、ドローン、生体・遺体の両方を探せる訓練犬まで投入されながら、見つかったのは小さな長靴の足跡ひとつと、リリーの毛布の切れ端だけだった。事件はカナダ全土で連日報じられ、王立カナダ騎馬警察※が数百件もの情報提供を受けながら、いまも幼い兄妹の行方はわかっていない。
※ 王立カナダ騎馬警察(RCMP):カナダの連邦警察。自前の警察を持たない田舎の自治体では、このRCMPの小規模な分署が地域の治安を担当する。ピクトゥ郡もその一つだった。
事件の概要
🗓️ 発生日:2025年5月2日(金)朝、午前8時〜9時40分の間
🌫️ 場所:カナダ・ノバスコシア州ピクトゥ郡 ランズダウン・ステーション
👤 被害者:リリー・サリヴァン(6歳)、ジャック・サリヴァン(4歳)の兄妹
🔍 状況:自宅の裏庭から二人同時に失踪。母親は午前10時に911へ通報。物的証拠は長靴の足跡と毛布の切れ端のみ
🕯️ 発見/結末:大規模捜索でも痕跡なし。2025年7月以降、警察は「犯罪事件」とは扱っていない。一年経っても未発見
兄妹は母マレイヤ・ブルックス=マレーと継父ダニエル・マーテル、二人の間に生まれた幼い妹とともに、田舎の敷地に建つトレーラーハウスで暮らしていた。同じ敷地内の別棟にはマーテルの母も住んでいた。後に親族たちは、家の中は散らかり、子どもが暮らすには不向きな状態だったと証言している。
失踪前日の5月1日、咳をしていたリリーを含む家族全員が、町へ買い物に出かける姿が店の防犯カメラに映っていた。そして翌2日の朝、母は学校に「二人は体調不良で欠席する」と連絡。両親は寝室で赤ん坊と一緒におり、台所のほうから子どもたちの物音が聞こえていたという。やがて音が止み、継父が様子を見に行くと、子どもたちと長靴、リリーのリュックが消えていた——それが両親の語る、最後の記憶である。
判明している事実
通報は午前10時、警察は27分後に到着
母マレイヤが911に通報したのは午前10時1分。継父は車で周辺を探しに出ており、警察が現場に着いたのは10時27分だった。継父は「9時から10時の間、森の中を探しているとき、子どものものかもしれない悲鳴を聞いた」とも供述している。
物的証拠は足跡と毛布だけ
家の裏手の森で、二つの大きさの小さな長靴の足跡が見つかったが、行方不明の兄妹のものか、捜索に加わった人の子どものものかは判別できなかった。また家から1マイル足らずの木に、リリーの毛布の切れ端が引っかかっており、同じ毛布の別の断片が自宅敷地の端に置かれたゴミ袋から見つかっている。
あらゆる手段を尽くした捜索
翌3日には100人超、4日には200人近い警察と住民が周辺をしらみつぶしに探した。ドローンによる上空からの捜索、生存者を探す犬と遺体を探す犬の両方、隣接州の警察や国境管理局まで動員されたが、5月18日の追加捜索を含め、手がかりは一つも出なかった。
継父をめぐる複数の懸念
母と継父は2023年に交際開始からわずか数週間で同居し、数か月でこの土地に移っている。母は警察の聴取で、継父が時おり自分を押したり押さえつけたりしたと語った。継父は過去に薬物使用歴があり、事件と同じ年に成人女性に対する性的暴行などの容疑で逮捕されている。本人は一貫して無実を主張し、DNAも提供している。
実父は「3年会っていない」
失踪当夜、母は「実父が子どもたちをニューブランズウィック州へ連れ去ったかもしれない」と警察に伝えた。だが実父コーディ・サリヴァンは「3年間子どもたちに会っていない」と否定。彼は失職する9か月前まで養育費を払い続けており、当日は自宅にいたと供述している。
主な仮説
仮説1:森に迷い込み、命を落とした
もっとも多くの人が支持するシナリオ。敷地のすぐ裏から森が始まり、その奥には川や湖が点在する。地元出身者によれば、この一帯はチョークチェリーやサンザシの茂み、ポプラが密生し、大人でも進むのが難しいほどの「壁のような森」だという。小さな兄妹が迷い込めば、捜索隊でも見つけられないという見方は根強い。
仮説2:家庭内で何かが起き、隠された
継父の経歴、失踪直後に母子が現場を離れ二人が連絡を絶ったこと、毛布の切れ端がゴミ袋から見つかったこと——こうした点から、家庭の中で起きた事故か事件を大人たちが隠しているのではないか、と疑う声もある。ただし警察は現時点で「犯罪を裏付ける合理的根拠はない」としている。
仮説3:第三者による連れ去り
失踪当日の朝、近くの道で「手をつないで歩く男の子と女の子」と、ドアを開けたセダンのそばに立つ50〜60代の女性を目撃したという通報があった。この女性も車も特定されていない。森に痕跡がまったく残らなかったことから、車で連れ去られたとする見方もある。
仮説4:前夜のうちに失われていた
「子どもたちが動き回る音を聞いた」という両親の説明そのものを疑う人もいる。実際に最後に姿を見た時刻が曖昧なことから、兄妹は前夜から朝までの間にすでにいなくなっており、翌朝の通報までの説明は後から作られたものではないか、という指摘である。
海外の反応
1. 謎の名無しさん
「7月以降は犯罪事件として扱っていない」ってどういう意味なんだろう。子どもたちが自分の足で歩いて出ていったと完全に信じてるってこと?正直まったく理解できない。
2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
カナダの文脈だと「特定の犯罪行為を裏付ける証拠が足りないから、まだ犯罪事件とは断定できない」って意味なんだ。行間を読むと、警察は誰が関わっているかも、どうやったかの見当もついてるけど、動くだけの証拠がない、って感じだと思う。
3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
こっちでは「証拠がないから今は犯罪事件と分類できない」を、言葉をすごく慎重に選んでそう表現するんだよ。証拠が出た瞬間に、行方不明の保護対象児童から犯罪捜査へ切り替わる。北の国は言い回しが本当に厳格なんだ。
4. 謎の名無しさん
実父がなぜ失踪の9か月前まできっちり養育費を払っていたのか、そこが気になる。仕事を失って母親の家に転がり込んだ時期と重なるらしいけど、それでも自分の子から離れる選択をするって、人としてどうなんだろう。
5. 謎の名無しさん
母と継父は事件の直後にほぼ即別れてる。子どもがまだ見つかってないのに現場を離れて連絡まで絶つって、普通じゃない。よほどの事情があったのか、それとも。
6. 謎の名無しさん(>>5への返信)
継父との関係がうまくいってなかったり、暴力があったなら、離れること自体は責められないと思う。問題は連絡を絶ったほうじゃなくて、そこに至る家庭の中身のほうだよ。
7. 謎の名無しさん
自分の子どもの人生に関わらない選択を、なぜわざわざするのか理解できない。実父の話だけど、この文脈では脇道かもしれないとはいえ、どうしても引っかかってしまう。
8. 謎の名無しさん
毛布のもう片方の切れ端がゴミ袋から見つかった、っていう点がずっと頭から離れない。なぜそこに引っかかるのか自分でもわからないけど、何かが引っかかる。
9. 謎の名無しさん(>>8への返信)
川が近いっていう事実を、みんな深刻に過小評価してると思う。あの地形なら水に流された可能性も十分にある。
10. 謎の名無しさん
自分はピクトゥ郡の出身なんだけど、あの土地を知っていれば、この小さな子たちが簡単には見つからない理由がよくわかる。森、川、湖——本当に広くて深いんだ。
11. 謎の名無しさん
もう一年近く経つなんて信じられない。胸が締めつけられる。
12. 謎の名無しさん
ノバスコシアではこの事件は避けて通れないくらい報道された。むしろもっと知られなくていい。事件を金儲けに使う連中や、両親を「貧乏白人のクズ」だの母親が先住民だのと叩く投稿があふれていて、見ていて醜い。
13. 謎の名無しさん
イギリス在住だけど、ポッドキャストでこの事件を追ってる。最初は「絶対に親だ」と思ってた。でも今は、子どもたちが迷い込んで森の中で何かが起きた、という悲しいだけの話なのかもしれないと思い始めてる。
14. 謎の名無しさん
両親は寝室で赤ん坊と一緒にいて、二人の子は台所にいた。リリーが時々顔を出していたらしい。静かになったので継父が見に行くと、もういなかった。継父は車で、母は911で——という流れ。後から作った話にしては妙にディテールがある。
15. 謎の名無しさん
継父の母親が「ジャックはリリーと二人だけで森には絶対に入らない」と言ってるのが気になる。よく散歩に連れて行ったけど、ジャックは茂みや倒木で歩けなくなると座り込んで、結局抱きかかえることになったと。4歳児が自力で森の奥へ進むイメージが持てない、と。
16. 謎の名無しさん
うちの叔母が祖母とすごく親しいんだけど、子どもたちは以前にも家から逃げ出したことがあるらしい。親はおそらくネグレクト気味ではあったけど、積極的に何かをやったわけじゃないと思う。捜索犬が見つけられなかったと言うけど、想定よりずっと遠くまで行ってしまう例もある。
17. 謎の名無しさん
ポリグラフ※がいくつも出てくるけど、あれは要するに大量の疑似科学だよ。結果がどうであれ、それで何かが証明されるわけじゃない。
※ ポリグラフ:いわゆる「うそ発見器」。心拍や呼吸などの生理反応から供述の真偽を推定する装置だが、科学的信頼性には批判が多く、多くの国で裁判の証拠としては使えない。
18. 謎の名無しさん
道で「手をつないで歩く男の子と女の子」を見たという目撃証言と、セダンのそばの女性の話を初めて知った。あの時間に継父の母親は何をしていたんだろう、と考えてしまう。アリバイはあるんだろうけど、誰が起きていて誰が寝ていたのか、時系列が気になる。
19. 謎の名無しさん
アルバータ州からずっと追っていた。地図でこの一帯を調べてみたら、森が密集しすぎていて、もう壁みたいだった。あれなら、たとえはっきりした跡を残していても見つけるのは難しい。
20. 謎の名無しさん
警察は誰が責任を負うべきか見当はついてるけど、確たる証拠がないんだと思う。それより、家が子どもに不向きだと身内が知っていたなら、なぜもっと早く誰も声を上げなかったのか、そこが疑問でならない。
21. 謎の名無しさん(>>20への返信)
児童福祉局がこの家庭を把握していたという未確認の話は読んだことがある。でもそういう情報は普通は非公開だから真偽は不明。あまり来客を入れない家だったみたいで、住環境の実態が外に知られたのは失踪後だったんじゃないかな。
22. 謎の名無しさん
そもそも子どもたちは本当に買い物から家に帰ってきたんだろうか。それとも帰り道のどこかで——と考え始めると、両親の説明のどこからどこまでが本当なのか、わからなくなってくる。
23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
継父の母親はブランコで遊ぶ音を聞いたと言っている。あのブランコは家のものだから、よその子が使っていたとは考えにくい。だとすると彼女は本当のことを言っているか、両親をかばっているかのどちらかだ。
24. 謎の名無しさん
継父はメディアで自分をヒーローのように見せようとしている気がする。「母が911をかけたがったのを、自分が探しに行くから待てと止めた」と言ってるけど、結局母は彼が走り回っている間に通報した。自分の足跡があちこちに残る理由を、先回りして説明しているように聞こえる。
25. 謎の名無しさん
継父が進んでDNAを提供したことを誠意のように言う人がいるけど、彼にとっては失うものがない。同じ家に住んでいたんだから、子どもにDNAが付いていて当然。善意のジェスチャーとはほど遠いよ。
26. 謎の名無しさん
正直、この事件は腹立たしい。痕跡も足取りも一切残らず、捜索犬すら何も見つけられなかった。それを説明できる唯一のシナリオは、車で連れ去られたというものだと思う。顔見知りか、あるいは子どもをうまく誘い込んだ他人か。
27. 謎の名無しさん(>>26への返信)
殺人をやり遂げるのに必要なのは、たいてい知能じゃなくて運だよ。痕跡が残らなかったのはただの偶然かもしれない。警察犬だって間違える。完全犯罪を企てる天才なんてのは、たいていフィクションの中だけの話さ。
28. 謎の名無しさん
2月3日の全国行方不明者の日に出たRCMPの最新発表は、かなり重いトーンだった。1,100件を超える情報提供があってもなお、捜査は1月に公開された文書に頼らざるを得ない状況らしい。事件そのものより家庭の事情が前面に出てしまっている。
29. 謎の名無しさん(>>28への返信)
個人的には、事故か、とっさの暴力か、いずれにせよ家の中で何かが起きたと思っている。継父が「子どもたちは敷地内にはいない」と強く言い張るのも引っかかる。母親が主犯だとは思えない。立場の弱い彼女が、巻き込まれて口を閉ざしている可能性のほうが高い気がする。
30. 謎の名無しさん
母親が二人を自閉傾向があると話していたという点を思い返すと、胸が痛む。これだけ水辺が近いのも不安だし、毛布がゴミに出されていたことが、心理的に「子どもを捨てた」象徴のように見えてしまって、どうにも気持ちが落ち着かない。
未解決の謎
この事件がここまで人々の心を離さないのは、相反する二つの絵がどちらも捨てきれないからだろう。一方には、壁のように密生した森と無数の水辺があり、小さな兄妹が迷い込んで命を落としたという、悲しいだけの自然のシナリオがある。他方には、散らかった家、継父をめぐる暴力や薬物の影、失踪直後に連絡を絶った母子、そしてゴミ袋から見つかった毛布の切れ端という、家庭の内側を疑わせる無数の引っかかりがある。
捜索犬が生存者も遺体も嗅ぎ取れなかったこと、ドローンと延べ数百人の捜索でも痕跡ひとつ出なかったことは、「森で迷った」説にも「家庭で何かが起きた」説にも、それぞれ説明のつかない穴を残している。道で手をつないで歩く子どもと、特定されないままのセダンと女性の目撃証言は、第三者の関与という三つ目の可能性を完全には消させない。
警察は今のところ「犯罪を裏付ける合理的根拠はない」としながらも、新たな技術的手段によって事件が犯罪捜査へ切り替わる可能性に含みを残している。最大15万カナダドルの懸賞金がかけられ、1,100件を超える情報が寄せられてもなお、リリーとジャックの行方を指し示す決定的な一本は、いまだに現れていない。幼い兄妹がどこへ消えたのか——その問いは、一年が過ぎようとする今も、答えのないまま残されている。
出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ / Wikipedia「Disappearance of Lilly and Jack Sullivan」

