「自転車もカメラも、20年見つからない」シドニーのモーテルを出て出勤前に消えた32歳の料理人

「自転車もカメラも、20年見つからない」シドニーのモーテルを出て出勤前に消えた32歳の料理人 行方不明・失踪

2005年7月21日の朝、シドニーの繁華街に近いサリーヒルズの小さなモーテルを、32歳の料理人サイモン・ナイトがチェックアウトした。その日の午後にはニュータウンのカフェで勤務が入っていたが、彼は店に現れなかった。それから20年、本人も、乗っていた高級自転車も、いつも持ち歩いていたデジカメも、どこからも出てきていない。前日に引き出した500ドルが入っていた口座は、それきり一度も動いていない。2015年には検視官が「おそらく亡くなっている」と判断し、警察は25万豪ドルの懸賞金をかけて今も情報を求めている。

事件の概要

🗓️ 失踪日:2005年7月21日(木)の朝

🌫️ 場所:オーストラリア・シドニー、サリーヒルズのクラウン・ストリートにあるモーテル(シティ・クラウン・モーテル)

👤 失踪者:サイモン・ナイト(32歳、料理人。身長183cm、赤毛でひげあり)

🔍 状況:モーテルに一泊してチェックアウトしたのを最後に消息を絶った。午後のカフェの勤務に来なかったため、職場の同僚が異変に気づいた

🕯️ 現状:遺体は見つかっていない。2015年の検視官審問で死亡の可能性が高いと判断。懸賞金25万豪ドル

サリーヒルズは、シドニー中心部の南東に広がる古いテラスハウスの街だ。すぐ北をオックスフォード・ストリート※が走り、カフェやバーが並ぶ。サイモンはこの界隈の暮らしを気に入っていて、父親のボブさんは「とても楽しそうにしていた」と振り返っている。同性愛者で、地元のゲイのコミュニティでの付き合いを楽しんでいたと報じられている。写真と庭いじりが好きで、料理の仕事から離れるために園芸の講座に通い始めたばかりだった。

※ オックスフォード・ストリート:シドニー中心部から東へ延びる通り。ゲイバーやクラブが集まる同性愛者の街として知られ、毎年のマルディグラ(LGBTQのパレード)の会場にもなる。

家族の話では、失踪の前日、仕事から帰ってきたサイモンは「様子が変わっていた」という。自転車とカメラを持って、人と共同で借りていた家を出た。銀行で500ドルを引き出し、そのままクラウン・ストリートのモーテルに泊まった。翌朝チェックアウトしてからの足取りは、まったく分かっていない。

判明している事実

高級自転車とデジカメが一緒に消えた
警察によると、サイモンは自転車で移動していた。報道では「最上位クラス」とされる高価なマウンテンバイクで、ソニーのサイバーショットも持っていた。どちらも20年間、捨てられた状態でも、質店や中古市場でも見つかっていない。最後に目撃されたときの服装は、濃い緑のTシャツとブルージーンズだった。

500ドルを引き出した口座は二度と使われていない
モーテルに行く前に、サイモンは口座から500ドルを引き出していた。その口座は、失踪した日から一度も使われていない。新しい土地で暮らし始めるつもりなら、いずれ金を動かしそうなものだが、その形跡はない。

最後の夜に連絡していた相手
地元紙によると、警察の担当者は「夜のうちにキングス・クロス※のエスコート業者に連絡していたが、彼の消息が聞かれたのはそれが最後だった」と説明している。

※ キングス・クロス:サリーヒルズの北東にある歓楽街。かつてはシドニー最大の夜の街として知られた。

うつ病の既往と警察の見立て
サイモンには以前うつ病を患った経験があり、2009年の報道では、失踪の頃に薬を飲むのをやめていたとされる。一方で、2020年に会見した警察の幹部は「自分を傷つけようと考えていた明らかな兆候はなかった」と述べている。

検視官の判断は7年で逆になった
2008年の検視官審問※では、死亡しているとは判断できなかった。家族の求めで開かれた2015年の2度目の審問で、検視官は「おそらく亡くなっている」と結論を改め、翌年には死亡証明書が出たと父親は話している。懸賞金は2009年に10万豪ドル、2020年11月に25万豪ドルへ引き上げられ、失踪から20年の2025年7月にも、警察と家族が改めて情報提供を呼びかけ、父親は「20年、サイモンに何があったのか知るのを待ち続けている」と語った。

※ 検視官審問:死因や死亡の有無がはっきりしない事案について、検視官(コロナー)が証拠を調べて判断を示す手続き。オーストラリアや英国では、遺体が見つからない失踪者についても開かれる。

主な仮説

仮説1:自ら命を絶ち、見つからない場所を選んだ

うつ病の既往があり、薬をやめていたとされ、前日には様子が変わっていたという。家を出て、まとまった現金を引き出し、モーテルに泊まった流れは、身辺を整理していたようにも見える。ただ、警察は自傷の兆候はなかったとしており、遺体だけでなく自転車とカメラまで見つからないことの説明は難しい。

仮説2:交通事故に遭い、遺体と自転車ごと隠された

自転車で走っていてはねられ、運転していた人物が発覚を恐れて遺体も自転車も始末した、という見方。海外の反応ではこの説を挙げる人が多かった。ただ、事故を起こした人が慌てて逃げることはあっても、高級な自転車やカメラまで処分するのは手間がかかる。人通りの多いシドニーの中心部で、跡を残さずにそこまでできたのかという疑問が残る。

仮説3:夜の街で事件に巻き込まれた

夜の街で誰かと接触し、トラブルに巻き込まれて命を落とした可能性。本人も持ち物も一度に消えたことは、誰かが意図して全部を隠したと考えると筋が通る。シドニーでは1980〜90年代に同性愛者を狙った暴力事件が多発しており、2021年の州議会の報告書はこの失踪にも触れ、警察が当初この件を真剣に扱わなかったという批判も取り上げられた。母親も2009年に「当時は真剣に受け止めてもらえなかった」と話している。

仮説4:自分の意志で姿を消し、別の人生を送っている

仕事を変えようとしていた時期で、人生の分かれ道にいたことは確かだ。ただ、口座に一度も手を付けず、500ドルだけで20年暮らすのは現実的ではない。25万豪ドルの懸賞金がかかっても、どこかで見かけたという確かな情報は出ていない。家族も今では、生きているとは思っていないと話している。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
オーストラリア育ちでアメリカ在住の者として補足しておくと、オーストラリアで「ホテル」と言ったら、たいていは何階建てかの大きなパブのこと。泊まれる部屋がいくつかあることもあるけど、日本や欧米で想像するホテルとはだいぶ違う。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
これはオーストラリア以外の人には絶対ややこしいよな。しかも言う通り、今でも上に客室があるパブが普通に残ってるから余計に紛らわしい。

3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
この件はパブじゃなくて、クラウン・ストリート287〜289番地のシティ・クラウン・モーテルだよ。ちゃんとした宿泊施設。

4. 謎の名無しさん(>>3への返信)
了解、厳密に言えばモーテルだったか。シドニーの話を読むときは毎回「ホテル」がどっちの意味か確かめないといけないな。

5. 謎の名無しさん
警察と報道から分かっていることをまとめておく。当日の朝にモーテルをチェックアウトしている。移動は自転車で、その最上位クラスの自転車は見つかっていない。500ドルを引き出した口座はそれきり使われていない。写真が趣味で、ソニーのサイバーショットを持っていた。懸賞金は2009年に10万ドル、2020年に25万ドルに上がったけど、どちらでも手がかりは出なかった。

6. 謎の名無しさん(>>5への返信)
まとめありがとう。こうして並べると、家を出てモーテルに泊まり、朝チェックアウトするところまでは足取りが追えているのに、その先がぷっつり切れているのがよく分かる。一番知りたいのは、朝どっちへ漕ぎ出したかだ。

7. 謎の名無しさん(>>6への返信)
2005年だと街の防犯カメラも今ほど多くないし、自転車ならなおさら追いにくい。車ならナンバーから辿れるけど、自転車は人の流れに紛れたらそれまでだと思う。

8. 謎の名無しさん
オックスフォード・ストリートの周りは、当時も夜通しにぎやかだった。ああいう場所は人目が多いようでいて、誰が誰と歩いていたかなんて案外誰も覚えていない。目撃者が出てこないのも、そのせいかもしれない。

9. 謎の名無しさん
懸賞金が25万ドルまで上がっても誰も出てこないのは、知っている人がもういないか、知っていても言えない立場にいるかのどちらかだと思う。金額の問題じゃない気がする。

10. 謎の名無しさん
前の日に仕事から帰ってきて「様子が変わっていた」っていう家族の話が一番気になる。職場で何かあったのか、誰かから連絡を受けたのか。そこが分かれば、わざわざモーテルに泊まった理由も見えてきそう。

11. 謎の名無しさん
自転車に乗っていた人が消えると、毎回「誰かがうっかりはねて、遺体を隠したんじゃないか」と思ってしまう。車の運転手が一番、人を跡形もなく消せる立場にいるからな。

12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
自転車の件で真っ先にトニー・パーソンズの失踪を思い出した。自転車ごと消えて何年も見つからなかったけど、結局は飲酒運転ではねられて、その人たちの土地に埋められていたと分かった。元婚約者が名乗り出なかったら、たぶん永遠に見つかってない。

13. 謎の名無しさん
この事件、友人についての話がほとんど出てこないのが気になる。サリーヒルズに住んで、地元のゲイの仲間との付き合いを楽しんでいた人なら、名前は伏せても誰かしら話に出てきそうなもの。うつのことで、自分から人と距離を置いていたのかもしれない。20年経った事件なら、警察は小出しにせず、よく行っていた店の名前くらいは公表してほしい。本人は気づいていないだけで、何かを知っている人がいるかもしれないから。

14. 謎の名無しさん(>>13への返信)
犯人しか知り得ない情報は伏せておかないといけないんだよ。いつか誰かが名乗り出たとき、その話が本物かどうかを確かめる材料になるから。

15. 謎の名無しさん
人生の分かれ道にいた感じがする。父親の話だと、料理の仕事から抜けるために園芸の講座に通い始めたばかりだった。500ドル下ろして、その口座には二度と手を付けていない。誰かに借金でもあったのか。警察がわざわざ自転車とカメラに触れているのは、高価で盗まれたり質に入れられたりしやすい品だからだろうか。心の問題かもしれないし、もっと悪いことかもしれない。

16. 謎の名無しさん
自転車とカメラばかり注目されるけど、ほかの持ち物はどこへ行ったんだろう。モーテルをチェックアウトしたなら、着替えの入った鞄くらいは持っていたはずなのに、その話はどこにも出てこない。

17. 謎の名無しさん
自分にとっては、自転車がこの事件で一番重い手がかりだ。ひき逃げでも転落でも水難でも、たいていは自転車がどこかで見つかる。捨てられているか、藪の中で曲がっているか、部品にばらされて売られているか。2005年のシドニーで最上位の自転車は目立つし、こっそり処分するのは難しい。カメラも同じ。人の多い街で、本人と自転車とカメラが全部そろって消えたのは、事故ではない方向を指していると思う。

18. 謎の名無しさん
カメラと自転車が消えたのはそんなに不思議じゃないと思う。事故じゃないことを示しているだけだ。誰かが彼の命を奪って、持ち物も全部処分したんだろう。

19. 謎の名無しさん(>>18への返信)
そうでなければ水の中だろうね。シドニーは港も海も近いから、自転車ごと沈んでいたらそう簡単には上がってこない。

20. 謎の名無しさん
重いうつの波を何度も経験していた人なら、「家族や友達を泣かせたくないから、絶対に見つからない場所で終わらせたい」と考えることもある。山歩きが好きだったなら、人の来ない山奥へ自転車で向かい、持ち物を隠して…という筋書きもありうる。あくまで仮説だけど、遠くの谷や渓谷を探す価値はあると思う。

21. 謎の名無しさん
どのパブだったんだろうと思って読んでた。昔、あの近くのドルフィン・ホテルで何年も働いてたから、クラウン・ストリートの夜の雰囲気はよく覚えてる。人通りは多いけど、路地に入ると一気に暗くなるんだよな。

22. 謎の名無しさん
結局、自転車に戻ってくる。事故でも、事件でも、自分の意志で消えたのでも、自転車だけはどこかで出てきてよかったはず。最上位の自転車がシドニーで跡形もなく消えるなんてことはない。この一点だけで、自転車まで消す理由のある誰かが関わっていたと思ってしまう。

23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
自分もこの事件で一番おかしいのは自転車だと思う。あれだけ目立つ高級な自転車が20年出てこないのは、どう考えても普通じゃない。

24. 謎の名無しさん
口座の動きがないことは、計画的な失踪を否定する材料にもなると思う。新しく暮らし始めるなら、どこかで金を移すはずだから。そうなると残るのは、運の悪い偶然がいくつも重なったか、全部を一度に消す理由のある誰かがいたか。20年と25万ドルで手がかりゼロというのが一番引っかかる。

25. 謎の名無しさん
当時の警察の動きが遅かったという話もあるよね。最初の数日でモーテルの周りや通りの防犯カメラ、店の聞き込みをしっかりやっていれば、もう少し足取りが追えたんじゃないかと思うと悔しい。

26. 謎の名無しさん
自分の意志で消えた説も捨てきれない。前の日に様子が変わって、家を出て、現金を下ろしてモーテルに泊まる。誰にも言えない事情を抱えて、全部から離れたくなったのかもしれない。

27. 謎の名無しさん(>>26への返信)
気持ちは分かるけど、500ドルで20年は無理だよ。偽名で働くにしても、2005年以降のオーストラリアで身分証なしに暮らすのはかなり難しい。家族にも一度も連絡がないのは、生きているならあまりに残酷だ。

28. 謎の名無しさん
カメラが見つかっていたら、最後の数日に何を撮っていたかで行き先が分かったかもしれない。写真が趣味の人が手放さなかったものだから、なおさら惜しい。メモリーカード1枚で事件が動いた例もあるのに。

29. 謎の名無しさん
20年目の呼びかけで父親が「20年、サイモンに何があったのか知るのを待ち続けている」と話していた。犯人捜しより先に、家族がせめて本人を連れて帰れるようになってほしい。

30. 謎の名無しさん(>>29への返信)
本当にそう思う。2005年の7月にクラウン・ストリートやオックスフォード・ストリートにいた人は、どんな小さなことでも警察に伝えてほしい。20年経っても、誰かの記憶の片隅にまだ残っているかもしれない。

未解決の謎

この事件でいちばん説明がつかないのは、サイモン本人だけでなく、高級な自転車とデジカメまでが一緒に消えたことだ。事故なら自転車がどこかに残りやすく、自分の意志で姿を消したのなら口座がいずれ動いていてもおかしくない。どの仮説をとっても、何か一つは辻つまが合わない。

失踪前日の「様子の変化」が何によるものだったのかも分かっていない。仕事を変えようとしていた時期で、うつ病の既往もあった。一方で警察は自傷の兆候は見当たらなかったとし、周囲から見て生活に変わったところはなかったとも話している。最後の夜に誰と接し、翌朝モーテルを出てどちらへ向かったのかは、今もはっきりしない。

検視官の判断は2008年と2015年で逆になり、家族は今では、本人が生きているとは考えていない。それでも遺体は見つからず、何があったのかを示すものは何一つ出てきていない。2025年の再呼びかけで、警察は当時クラウン・ストリートやオックスフォード・ストリートに住んでいた人、よく通っていた人に名乗り出てほしいと訴えた。25万豪ドルの懸賞金は、今もかけられたままだ。

出典:r/UnsolvedMysteries 元スレ / ニューサウスウェールズ州警察 行方不明者情報 / シドニー・モーニング・ヘラルド / Star Observer、AAP

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