2024年9月16日の夜、午後7時57分。47歳のエリック・キャンベルは、誰かと連絡を取ったのを最後に、毎日続けていた家族・友人への連絡をぷつりと絶った。心配した家族が2日後にキャンプ地を訪れると、テントも荷物もそのまま。携帯電話も運転免許証も鍵も現金もタバコも残され、連れていた2匹の犬と1匹の猫まで置き去りにされていた。荒らされた跡も、争った跡も、血痕もない。ただ一つ、エリック本人だけが消えていた——カリフォルニア北部の深い森で起きた、この静かな失踪の謎を追う。
事件の概要
🗓️ 発生日:2024年9月16日(月)午後7時57分頃、最後の連絡
🌫️ 場所:カリフォルニア州ガスケット近郊、パトリック・クリークとシェリー・クリークの合流点付近
👤 被害者:トーマス・エリック・キャンベル(当時47歳)。発作障害を持ち、エピソード時には見当識を失うことがあった
🔍 状況:3匹のペットを連れてキャンプ中、米国道199号から約1.6km入った場所で野営。毎日の連絡が9月16日夜に突然途絶える
🕯️ 発見/結末:9月18日に家族が無人のキャンプ地を発見、同日通報。19日から捜索開始も、本人は現在も未発見
エリックはカリフォルニア州ユリーカの出身で、失踪当時はガスケット近郊の森に野営していた。彼はこの一帯の地理に非常に詳しかったとされる。発作障害※を抱えており、発作の前後には方向感覚を失って彷徨ってしまうことがあったという。失踪当時、発作の薬を携帯していたかどうかは不明のままだ。
※ 発作障害:てんかんなどに代表される、繰り返し発作を起こす神経系の疾患。発作の前後に意識がもうろうとしたり、見当識(自分が今どこにいて何をしているかの認識)を失って徘徊してしまう「もうろう状態」を伴うことがある。
判明している事実
荒らされていないキャンプ地
9月18日に家族がキャンプ地に到着すると、テントもキャンプ道具も無傷のまま残されていた。携帯電話、運転免許証、鍵、現金、タバコもすべてその場にあり、2匹の犬と1匹の猫も置き去りにされていた。争った跡も血痕も一切見つかっていない。
ボンネットが開いたトラック
エリックの車はモンタナ州のナンバープレートを付けたトヨタのピックアップトラックで、ボンネットが開いた状態で発見された。これが故障を意味するのか、何か別の作業中だったのかは確認されていない。
消えた黒色火薬リボルバー
彼が所有していたイタリア製ピエッタ社の黒色火薬式リボルバーだけは、現在も行方が分かっていない。携帯電話やペットを含めほぼ全ての所持品が残されたなか、銃だけがなくなっている点を「重い意味を持つ」とみる声がある。
近くにいた母熊と子熊
キャンプ地の近くには熊出没の警告看板があった。失踪前、エリックは家族に「子連れの熊を近くで見たが、石を投げて追い払った」と電話で伝えていたとされる。
確認されない目撃情報
小川の岸でブーツの足跡が数個見つかったが、エリックのものとは確認されていない。携帯の通信記録からは買い物のためヒューチやクレセントシティ方面へ向かった可能性が指摘され、クレセントシティやオレゴン州グランツパスでの目撃情報もあるが、いずれも信憑性は確認されていない。
主な仮説
仮説1:発作で見当識を失い、森で遭難した
最も多くの人が支持する説。発作障害を持つエリックがキャンプ地周辺で発作を起こし、もうろう状態のまま森へ歩き出して帰れなくなった、というシナリオだ。ペットも携帯も残されていることから「どこかへ行くつもりはなかったのに、突然何かが起きた」と読める。地理に詳しい人物でも、いったん道を外れれば広大な原生地域は急速に方向感覚を奪う。
仮説2:トラブルで助けを求めに歩き出した
トラックのボンネットが開いていた点を重視する説。近くの店へ行こうとしたがエンジンがかからず、ボンネットを開けたものの工具がなく、護身用に銃だけ持って徒歩で助けを探しに出た——という流れだ。途中で遭難し、発作の有無にかかわらず力尽きた可能性を指摘する声がある。
仮説3:自ら命を絶った
銃だけが消えている点を不吉な兆候とみる説。ペットも携帯も身分証も残し、銃を持って戻らないつもりで森へ入ったのではないか、という見方だ。一方で、熊の出没する地域で護身のために銃を携帯していただけ、という反論も根強く、決定的な根拠はない。
仮説4:事故・野生動物による不慮の死
子連れの母熊が近くにいたこと、急峻な地形、毒蛇など、原生地域には危険が多い。経験豊富な登山者でさえ滑落や負傷で命を落とすことがある。ただし黒熊が人を襲って死に至らせる例は極めて稀で、熊が直接の死因と考える人は少ない。
海外の反応
1. 謎の名無しさん
残念だけど、これもまた「広大な原生地域のすぐ隣で人が消えて、二度と見つからない」というよくあるパターンだと思う。こういうケースの答えはたいてい同じで、彼はおそらく森の中にいる。
2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
しかも「ときどき見当識を失って彷徨ってしまう」病気を持ってる人だからね。発作のあとに混乱したまま森へ歩き出したら、地理に詳しくても帰り道が分からなくなる。これ以上ない不運な組み合わせだと思う。
3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
そして、なくなってるのが銃だけというのが悲しい兆候だ。護身用に持って出ただけならいいけど、全部置いて銃だけ持って行ったと考えると、どうしても別の可能性が頭をよぎる。
4. 謎の名無しさん
発作を起こして、その最中に歩き出して、目が覚めたら混乱していて、ケガをしているか道に迷っているか動けなくなっていた——というのが一番ありそう。本人に悪意も計画もなく、ただ体が裏切っただけ。
5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
あるいは何か薬物の影響で動けなくなって、そのまま低体温症で亡くなった可能性もある。森の夜は想像以上に冷える。
6. 謎の名無しさん
ペットが置き去りだったという事実が、何より雄弁だと思う。犬も猫も連れていく余裕がなかった、つまりどこかへ移動する計画はゼロだった。突然、本当に突然、何かが起きたんだ。
7. 謎の名無しさん
情報が少なすぎて何とも言えないけど、正直、彼はホームレスか定住していない人だったんじゃないかと感じる。普通、キャンプに猫まで連れていったりはしないからね。生活そのものがあの森にあった可能性もある。
8. 謎の名無しさん(>>7への返信)
それはあるかも。もし森で寝泊まりして暮らしていたなら、薬の管理も難しかっただろうし、遭難のリスクはぐっと上がる。ただ、家族と毎日連絡を取っていたあたりは、孤立しきっていたわけでもなさそう。
9. 謎の名無しさん
どんなに経験豊富なキャンパーや登山者でも、ケガをして方向感覚を失えば、それだけで命取りになる。私の推測では、ちょっとした事故でキャンプに戻れなくなったんだと思う。劇的な事件である必要はない。
10. 謎の名無しさん(>>9への返信)
プロの山岳ガイドやスルーハイカーが「自分が遭難しかけた話」を語る記事を読んだことがある。ゾッとしたのは、彼らがやらかしたのが私たちも普段やることだったから。短い往復だからと水も携帯も持たずに馴染みのトレイルに入る、それだけで迷う。しかも人は本当に小さな茂みや溝の中で見つからずにいることがある。すぐ横を何人も歩いているのに、だ。
11. 謎の名無しさん
熊だったとは思わない。黒熊は臆病で、人を殺すことはめったにない。アメリカ全体でも黒熊に殺される人は年に1人いるかいないか程度だ。子連れの母熊は別だけど、それでも彼の死因が熊だとは考えにくい。
12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
「年に1人いるかいないか」って、アメリカ全体での話だよね?あれだけ黒熊が至るところにいることを考えると、その数字はむしろ熊がいかに人を襲わないかを物語ってると思う。
13. 謎の名無しさん
私はやっぱり、迷ったか、ケガをしたか、その両方だと思う。自殺の可能性もゼロではないけど、この状況なら遭難や事故のほうがずっとありそう。森というのは、そういう普通の不運を簡単に取り返しのつかないものに変えてしまう。
14. 謎の名無しさん
銃の話だけど、彼の車がモンタナ州ナンバーだったことを忘れちゃいけない。モンタナでは屋外で銃を携帯するのはごく当たり前で、彼はそこで暮らすうちに習慣になっていた可能性が高い。森で銃を持っていたこと自体は、街中で持っているのとは意味が違う。
15. 謎の名無しさん(>>14への返信)
それに子連れの熊を見たうえにペットまで連れていたんだから、銃を身につけておくのは理にかなってる。黒熊は人より小さなペットを狙うことがあるからね。コヨーテだって小型犬や猫には脅威になる。銃だけ持って出たことに、必ずしも不吉な意味を読む必要はないと思う。
16. 謎の名無しさん
それでも私には引っかかる。携帯も身分証も薬も、何もかも置いて銃だけ持って戻らなかったとしたら、それは「戻るつもりがなかった」ことを強く物語っている気がしてならない。もちろん断定はできないけれど。
17. 謎の名無しさん
トラックの故障に誰かちゃんと目を向けたのかが気になる。ボンネットが開いていたのは何かのサインのはずなのに、その点の続報をほとんど見ない。あれが自然に開いたとは思えない。
18. 謎の名無しさん(>>17への返信)
同感。車のどこが悪かったのか分かれば大きな手がかりになる。近くの店にでも行こうとしてエンジンがかからず、ボンネットを開けて原因は分かったけど工具がなく、護身に銃を持って歩いて助けを探しに出た——そんな流れが目に浮かぶ。途中で遭難したんじゃないかな。事件性や自殺だとは思わない。
19. 謎の名無しさん
通信記録に「オブライエン・マーケット」って出てくるけど、これモデストの店じゃないよね。ガスケットからモデストまでは760km近く、車で8時間かかる。彼がキャンプしてた場所のすぐ近くにある別の店のことだと思う。場所の取り違えが推理を混乱させてる気がする。
20. 謎の名無しさん
捜査側が「もし誰かに車に乗せてもらったなら、ペットを置いていくとは考えにくい」と言っていたのが印象的だった。つまり彼は自発的にどこかへ消えたわけではない、という見立てだ。これは遭難説をかなり後押しする。
21. 謎の名無しさん
ジェラルディン・ラーゲイの事件を思い出した。彼女は何の持病もなく、トレイルから少し外れて用を足しただけなのに、戻り道が分からなくなってそのまま森で亡くなった。本物の原生地域は、何の病気がなくてもトレイルから一歩外れただけで急速に人を惑わせる。エリックの場合は発作障害まである。とても悲しい状況だ。
22. 謎の名無しさん(>>21への返信)
ラーゲイの件は本当に恐ろしい。彼女は遭難後しばらく生きていて、メモまで残していた。それでも数百メートル先のトレイルに戻れなかった。森の中で「すぐそこ」がどれだけ遠いか、経験しないと分からない。
23. 謎の名無しさん
この事件は私の頭からずっと離れない。いつか誰かが彼を見つけてくれることを願っている。家族のもとにせめて答えが返ってきますように。
24. 謎の名無しさん
発作のあとの「もうろう状態」は、街中でも混乱するのに、原生地域では致命的だ。彼はほぼ間違いなく、ただ歩き出してしまって帰れなくなり、そのまま亡くなった。残酷だけど、ここに大きな謎はない気がする。それが一番つらい結論なんだけど。
25. 謎の名無しさん(>>24への返信)
「大きな謎はない」というのは私も同意。でもだからこそ、彼が今もどこか森の中にいて見つけてもらえていない、というのがいたたまれない。謎がないのに帰ってこられない、これが一番救いがない。
26. 謎の名無しさん
クレセントシティやグランツパスでの目撃情報があるって書いてあるけど、こういう未確認の目撃って大抵は別人だよね。失踪事件にはほぼ必ずこの手の目撃情報がついてくるけど、信憑性が確認されたためしがほとんどない。期待を持たせるだけに残酷だ。
27. 謎の名無しさん
人が文字通り溝や小さな茂みの中で見つかることがどれだけ多いか。すぐ横を人が歩いたり車が通ったりしているのに、ほんの少しの覆いや窪みがあるだけで、人ひとり見えなくなってしまう。エリックも、捜索範囲のすぐ内側にいる可能性すらある。
28. 謎の名無しさん(>>27への返信)
これが原生地域の捜索の一番つらいところ。何百人で歩いても、地形がほんの少し人を隠すだけで全部すり抜けてしまう。ドローンや赤外線がある今でさえ、林冠の濃い場所は見落とす。徒歩だけの捜索では限界がある。
29. 謎の名無しさん
彼がこの土地に詳しかったというのが、かえって切ない。慣れているからこそ油断もあったかもしれないし、地理を知っていても発作には抗えない。「ベテランだから大丈夫」という思い込みが、自然の前ではどれだけ無力かを思い知らされる。
30. 謎の名無しさん
結局、荒らされていないキャンプ地が、何より雄弁に「予定外のことが突然起きた」と語っている。計画的に去った人なら、せめてペットの世話はする。彼は戻るつもりだった——でも戻れなかった。その間に何があったのかだけが、永遠に分からないままなんだ。
未解決の謎
エリック・キャンベルの失踪は、矛盾するほど「謎が少ない謎」として残されている。発作障害を持つ人物が、子連れの熊が出没する広大な原生地域で野営し、ある夜を境に連絡を絶った。ペットも携帯も身分証も残されたまま、本人だけが消えた。状況証拠は、発作による見当識喪失や事故、そして遭難という、ありふれて痛ましいシナリオを強く指し示している。
それでも、いくつかの破片は綺麗に収まりきらない。ボンネットの開いたトラックは何を意味したのか。なぜ銃だけが消えたのか。それは護身の習慣だったのか、それとも別の決意だったのか。発作の薬を持っていたかどうかすら分からないため、彼が森でどれだけ持ちこたえられたのかも推測の域を出ない。
クレセントシティやグランツパスでの目撃情報は、いずれも未確認のまま宙に浮いている。捜査側が指摘したように、ペットを置き去りにしてまで自発的に去ったとは考えにくい。だとすれば答えは森の中にあるはずだが、濃い林冠と急峻な地形は、徒歩の捜索隊を何度もすり抜けさせてきた。彼は捜索範囲のすぐ内側で、今も見つからずにいるのかもしれない。
ケース番号20240730として、デルノーテ郡保安官事務所の手元には今も情報提供を待つ案件として残っている。家族はペットを引き取り、世話を続けている。47歳だったエリックは、生きていれば49歳。答えが見つかる日が来ることを、ただ願うばかりだ。

