【2010年】片方の靴を手に「ブリーフケースを盗まれた」——ごみ埋立地で見つかった元国防総省高官

【2010年】片方の靴を手に「ブリーフケースを盗まれた」——ごみ埋立地で見つかった元国防総省高官 未解決事件

2010年12月31日の朝、米デラウェア州ウィルミントンのチェリー・アイランド埋立地で、ごみ収集車が積んできたごみを下ろしたとき、その中から男性の遺体が転がり出た。2日後に警察が公表した身元は、ジョン・P・ウィーラー3世(通称ジャック)、66歳。陸軍士官学校の出身で、ワシントンのベトナム戦争戦没者慰霊碑の建立に力を尽くし、レーガン、ブッシュ父子の3つの政権で働いた人物だった。

州の検視局は他殺と判断した。しかし、16年近くたったいまも、誰が彼を死なせたのかは分かっていない。亡くなる前の2日間、防犯カメラに映った彼は、片方の靴を手に持ったまま駐車場で自分の車を探し、「ブリーフケースを盗まれた」と繰り返していた。

2020年、この事件がNetflixの『未解決ミステリー』で取り上げられた直後、海外掲示板に「自分が殺人ではないと考える理由」という長文の投稿が立った。投稿者は、ウィーラーが双極性障害※を抱えていたと報じられている点に注目し、混乱の末の悲しい事故だったのではないかと論じた。賛否を呼んだ議論をまとめる。

※ 双極性障害:気分が異常に高ぶる「躁(そう)状態」と、落ち込む「うつ状態」をくり返す病気。薬で症状を安定させながら、ふつうに仕事や生活を続けている人も多い。

事件の概要

🗓️ 発生日:2010年12月28日〜31日(遺体の発見は12月31日午前)

🌫️ 場所:米デラウェア州のニューキャッスル(自宅)、ウィルミントン(最後に目撃された街)、ニューアーク(遺体が捨てられたとみられる街)

👤 被害者:ジョン・P・”ジャック”・ウィーラー3世(66歳)。元国防総省高官で、当時は国防関連の非営利法人マイター社の顧問

🔍 状況:亡くなる前の2日間、ウィルミントン市内で、片方の靴を手に持ち、混乱した様子でさまよう姿が何度も目撃・撮影されていた

🕯️ 結末:ニューアークのごみ箱を回った収集車から、埋立地で遺体が見つかった。死因は暴行による鈍的外傷とされ、他殺と判断されたが、容疑者は特定されていない

ウィーラーは1966年に陸軍士官学校(ウェストポイント)を卒業し、ベトナムに従軍した。1979年から10年間、戦没者慰霊碑の建設資金を集める基金の理事長を務め、慰霊碑は1982年に完成した。ジョージ・W・ブッシュ政権では空軍長官の特別補佐官として、兵器システムをサイバー攻撃から守る取り組みに関わったと報じられている。

自宅は、デラウェア州の古い港町ニューキャッスルの歴史地区にあった。この年のクリスマスは、妻とニューヨークで過ごしていた。一方で、自宅の向かいで建設が進む大きな家をめぐって、ウィーラー夫妻は施主の夫婦と何年も裁判で争っていた。家が建つと、川の眺めがさえぎられるという理由だった。

判明している事実

12月28日夜、向かいの建築中の家で発煙筒騒ぎ
12月28日、ウィーラーはバージニア州のマイター社で仕事をしたあと、列車でデラウェアに戻ったとみられている。その夜、自宅の向かいにある建築中の家で、発煙筒のような装置が焚かれる騒ぎが起きた。争っていた夫婦の家だった。その2週間ほど前には、建設の差し止めを求めたウィーラー側の申し立てが、裁判所に退けられていた。

州の消防当局者によると、駆けつけた捜査員は、その家のそばの地面でウィーラーの携帯電話を見つけた。地元紙は捜査関係者の話として、放火未遂にウィーラーが関わっていたことを示す証拠が見つかったと報じたが、その中身は公表されていない。

片方の靴を手に「ブリーフケースを盗まれた」
翌29日の午後6時ごろ、ウィーラーは自宅近くの、いつも薬を受け取っている薬局に現れ、顔なじみの薬剤師にウィルミントンまで乗せてほしいと頼んだ。薬剤師がタクシーを呼ぼうかと申し出ると、彼は断った。番組の制作者によると、そのあと薬局に居合わせた男女が彼を送った。2人には警察が話を聞いており、制作者は「失踪とは何の関係もない」と話している。

30〜40分後、ウィーラーはウィルミントンの郡裁判所の駐車場に姿を見せた。防犯カメラには、冬なのにコートを着ず、スーツ姿で足を引きずり、片方の靴を手に持った姿が映っていた。係員には「強盗に遭った」と話し、駐車券を入れたブリーフケースを盗まれたと説明したが、警察を呼ぼうかという申し出は断った。車は実際には、駅の近くの別の駐車場に止めてあった。ブリーフケースはいまも見つかっていない。

12月30日、フードをかぶって防犯カメラの外へ
30日の朝、ウィーラーはコートも着ず、汚れたシャツ姿でコーヒーを買っていたと地元紙は伝えている。その日、ウィルミントン中心部のオフィスビル「ネムール・ビル」では、混乱した様子の彼に何人もの人が手を貸そうとしたが、彼はどの申し出も断った。

午後8時40分ごろ、ウィーラーはネムール・ビルから歩き去る姿を最後に、防犯カメラの範囲から消えた。前日のスーツではなく、紺色のフード付きスウェットのフードをかぶっていた。午後11時ごろ、ニューアーク行きのタクシーに彼が乗り合わせていた、という証言もあるが、裏づけは取れていない。

ニューアークのごみ箱から、ウィルミントンの埋立地へ
31日午前9時56分ごろ、埋立地で収集車から遺体が落ちたという通報が入った。そのトラックが回ったのは、20キロあまり離れたニューアーク市内の大型ごみ箱ばかりで、最初の回収は午前4時20分だった。ニューアーク市警は、遺体はルートの最初のほうで回収されたごみ箱に入っていたとみられ、解剖の結果から、ごみ箱に入っていた時間は長くなかったと発表した。遺体には、ロレックスの腕時計と士官学校の卒業記念指輪が残っていた。

同じ日、留守を預かっていた近所の住人が、荒らされたような自宅の様子に気づいて通報した。番組では、床に白い粉がまかれ、そこに裸足の足跡が一つ残り、士官学校時代の剣と盾が床に落ちていた様子が紹介された。警察は家を調べたが、犯行現場とはみなしていない。

死因は「鈍的外傷」、詳細は伏せられたまま
2011年1月、州の検視局は、ウィーラーが暴行を受け、鈍的外傷※で死亡したと発表した。どのように暴行されたのかは説明されず、薬物検査の結果も公表されていない。捜索令状の内容も非公開にされた。捜査はニューアーク市警が主導し、FBIも加わった。家族は2万5000ドルの懸賞金を出したが、名乗り出た人はいない。

※ 鈍的外傷:刃物や銃弾のように体を貫く傷ではなく、殴打や衝突、転落などの強い衝撃でできる傷の総称。打撲、骨折、裂傷などを含む。

妻は2011年、米ネット誌の取材に、夫が双極性障害の治療薬を飲んでいたと話した。一方で、遺体の捨て方について「見つかったこと自体が奇跡。プロの仕業にしか思えない」とも語り、警察の捜査に強い不満を示していた。

主な仮説

仮説1:混乱の末にごみ箱で夜を明かそうとし、収集車の事故に遭った

元スレの投稿者の説。ウィーラーは何らかの理由で追いつめられ、躁状態のような混乱に陥っていた。寒さをしのぐため、あるいは誰かに追われていると思い込んで、ニューアークで側面に扉のある大型ごみ箱に入り込み、翌朝、収集車に荷台へ移されて押しつぶされた——という筋書きだ。番組で収集車の運転手は、冬にはごみ箱で寝ている人がいると話していた。

投稿者は、肋骨の骨折などの傷は荷台の圧縮で説明でき、検視官は「殺されて捨てられた」という前提で遺体を見たのではないか、と書く。ただ、投稿者自身が推測の多い説だと断っている。検視局が判断を見直したという報道はなく、コメント欄によると番組の刑事も、傷は収集車によるものではないという見方だった。当時の精神状態は本人に確かめようがなく、薬物検査の結果が出ていないので、薬を飲んでいたかどうかも分からない。

仮説2:路上で誰かとトラブルになり、暴行を受けた

夜の街をさまよっていたウィーラーが、見知らぬ誰かと揉めて殴られ、ごみ箱に押し込まれたという見方。時計や指輪が残っていたので、物取りではないとされる。車にはねられ、運転していた人物が遺体を隠した、という変形もある。検視局の判断とは矛盾しないが、彼がどうやってニューアークまで行ったのかは説明できていない。

仮説3:仕事がらみの計画的な殺害

ウィーラーは軍にいたころ化学・生物兵器の手引きを書き、晩年はサイバー戦の備えに関わっていた。亡くなる直前の12月26日にも、友人に「国はサイバー戦への備えができていない」と憂えるメールを送っていたと報じられている。機密をめぐって消されたという説がさまざまに語られ、妻も「プロの仕業」と考えていた。ただ、彼を尾行する人物はどの防犯カメラにも映っておらず、プロが殴打という手段を選ぶのか、という疑問も残る。

仮説4:向かいの家をめぐる争いが関係している

死の3日前、争っていた家で発煙筒騒ぎがあり、そこで彼の携帯電話が見つかったことから、この争いとの関係を疑う声もある。ただ、近所の人々の関与を示す証拠は何も出ていない。ウィーラーの弁護士も、争いが死に関係しているとは考えにくいと話していた。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
自分も双極性障害(II型)で、3代前から家系に同じ病気の人がいる。そのうえで言うと、この投稿の前提も結論もほぼ全面的に支持できる。ここまで丁寧にまとめてくれてありがとう。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
エリサ・ラム※の事件にすごく似てる。ひとりきりで、慣れない場所で、ひどく混乱していた。何かから隠れようとして狭い場所に入り込み、そのまま出られなくなった。

※ エリサ・ラム:2013年、米ロサンゼルスのセシル・ホテルに滞在中に姿を消し、屋上の貯水タンクから遺体で見つかったカナダ人の大学生。検視では事故による溺死とされ、双極性障害が影響した可能性が指摘された。

3. 謎の名無しさん(>>1への返信)
自分もII型。番組を見始めてすぐ、殺人じゃないと思った。収集車の運転手に話を聞く場面で荷台の圧縮装置まで映していたのに、それであの傷ができる可能性には一言も触れなかったのが不思議だった。

4. 謎の名無しさん
投稿者の説でいちばん無理があるのは、移動中に襲われたって部分だと思う。走っている車から自分で飛び降りた、のほうがありそう。靴が傷んでいたことも、身なりの乱れも、時間が余計にかかったことも説明がつく。

5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
車を降りたあとにフェンスでもよじ登ろうとしたのかもしれない。30〜40分あれば、服や靴を傷めるようなことはいくらでもできる。

6. 謎の名無しさん
救急医で、外傷の患者をたくさん診ている。番組で挙げられた傷のうち、肺がつぶれていたというのが引っかかる。殴り合いで唇が切れたり肋骨が折れたりはよくあっても、肺までやられるのは珍しい。車にはねられたときのような、もっと大きな力がかかったけがに近い。押しつぶされたのなら当てはまると思う。

7. 謎の名無しさん(>>6への返信)
救急の看護師だけど同感。混乱して、話のつじつまが合わない状態で保護される人は、救急車でしょっちゅう運ばれてくる。誰かひとりでも通報していれば、彼はいまも生きていたかもしれない。やりきれないよ。

8. 謎の名無しさん
地元の人間だけど、ニューキャッスルからウィルミントンまで地図の上では15分かからなくても、実際にその時間で着くことはまずない。道は信号だらけで、駅の周りは曲がり損ねやすいし、どこかでいつも工事をしてる。

9. 謎の名無しさん
番組の制作者がインタビューで話していたけど、薬剤師に断られたあと、薬局に居合わせた男女に頼んで送ってもらったんだって。その2人は事件と関係ないと分かっているそう。ただ、番組側は2人にも警察にも取材できなかったらしい。

10. 謎の名無しさん(>>9への返信)
死因の「鈍的外傷」ってかなり幅の広い言葉なんだよね。コービー・ブライアントの死因も鈍的外傷だったけど、ヘリコプターの墜落事故だった。誰かに殴られたという意味とは限らない。

11. 謎の名無しさん
番組がごみの圧縮に一切触れなかったのが本当に不思議だった。あの傷の原因を考えたとき、真っ先に浮かんだのがそれだったのに。同じことを考えた人がいて安心した。

12. 謎の名無しさん(>>11への返信)
編集で切ったんだと思う。運転手が、入り込みやすいごみ箱の話をして、冬には中で寝ている人がいると話したあと、急に「荷台に遺体があったのはショックだった」に飛ぶんだよ。筋書きに合わなかったんだろうね。

13. 謎の名無しさん
移動中に殴られて顔が腫れたのなら、駐車場の映像で分かったはずじゃないかな。係員も「殴られたみたいだった」と言いそうなものだ。身なりは乱れていたけど、殴られた直後の顔には見えなかった。

14. 謎の名無しさん(>>13への返信)
あざや腫れは、すぐには出ないことが多いよ。赤くなるくらいならともかく、あざが浮いてくるまでには時間がかかる。30〜40分前のことなら、まだ目立たなくてもおかしくない。

15. 謎の名無しさん
検視官は、遺体が収集車で運ばれてきたことを知ったうえで他殺と判断して、それを変えていない。番組の刑事も、あの傷は収集車でできたものじゃないと言っていた。圧縮の傷に詳しい人が報告書を見直したわけでもないし、自分は専門家の判断を信じたい。

16. 謎の名無しさん(>>15への返信)
自分も投稿者の説には惹かれるけど、「圧縮でついた傷」はかなり大胆な仮定だと思う。その収集車でどんな傷ができるのか根拠がないと、説明としては完成しない。圧縮されたなら、もっとひどい状態になりそうな気もする。

17. 謎の名無しさん
デラウェア生まれで、説の大部分には賛成。ただ、薬局の映像の時点で、もう足を引きずっているように見えた。靴が傷んだのはそれより前だったんじゃないかな。あと細かいけど、ニューキャッスルはワシントンの南じゃなくて北東だよ。

18. 謎の名無しさん
地元の事件なので補足すると、ネムール・ビルには彼の弁護士の一人が勤めていて、本人が訪ねていたらしい。2004年に躁状態で入院したこともあったそうだ。30日の朝にコーヒーを売った店の主人は「まるでホームレスの人みたいだった。白いシャツは肘から下が真っ黒だった」と話していた。どれも地元紙に載っていた。

19. 謎の名無しさん
地位のある年配の男性が、ここまで深刻な心の危機に陥るなんて信じられない、という思い込みがあるんだと思う。だから最初から殺人として扱われたんじゃないかな。心の病への偏見が、事件の見え方まで変えてしまうことはある。

20. 謎の名無しさん
みんな精神状態の話で片づけすぎだと思う。他殺と判断したのは、遺体を実際に見た検視局だよ。混乱していたことと、誰かに殺されたことは両立する。弱っている人ほど狙われやすいんだし、ネットの推理で専門家の判断をひっくり返すのは乱暴だ。

21. 謎の名無しさん(>>20への返信)
誰かに殺された可能性はあると思う。ただ、プロの犯行説だけは無理がある。自宅を荒らしたのがプロなら、少しは片づけていくでしょ。連邦の機関まで動いて、恨んでいた人物すら見つかっていないんだし。

22. 謎の名無しさん
自分の推理は、混乱して歩き回っているうちに車にはねられて、運転していた誰かがそれを隠すためにごみ箱に入れた、というもの。タクシーに相乗りした人物が本当にいたなら、その人がいちばん大事な証人だと思う。

23. 謎の名無しさん
タクシーの目撃が本当なら、彼は「ニューアーク」と聞いて、ニュージャージー州のニューアーク※だと思ったんじゃないかな。ニューヨークの妻のところへ帰ろうとしていたのかもしれない。着いてみたらデラウェアのほうで、余計に混乱したとか。

※ ニュージャージー州のニューアーク:デラウェア州のニューアークとは別の、同じ名前の大きな都市。ワシントンとニューヨークを結ぶ鉄道の路線の途中にある。

24. 謎の名無しさん
どうしても想像がつかない。あれだけの経歴の人が、混乱していたとはいえ、ごみ箱に潜り込んで寝るという発想になるかな。自分なら、ホテルのロビーにでも座り込んでいると思う。

25. 謎の名無しさん(>>24への返信)
自分も心の病を抱えているけど、外から見て理屈が通らない行動でも、本人の頭の中では筋が通っていることがある。誰かに追われていると本気で思えば、人目につかない場所に隠れるのは自然な流れなんだよ。

26. 謎の名無しさん
自分も同じ説を考えたけど、収集車の中で亡くなったのなら、もっと血が出ていたんじゃないのかな。それと、床の白い粉に残っていた裸足の足跡は調べたんだろうか。本人のものかどうかくらい確かめられそうだけど。

27. 謎の名無しさん
自分は、ブリーフケースだけがいまも見つかっていないのが気になる。仕事の書類が入っていたなら、それを狙った誰かがいてもおかしくない。時計や指輪は残っていたのに、そこだけ消えているのが引っかかる。

28. 謎の名無しさん(>>27への返信)
投稿者も書いていたけど、晩年の彼は機密に触れる立場から何年も離れていたらしい。混乱してどこかに置き忘れて、拾った人が届けなかっただけ、のほうがありそうだと思う。

29. 謎の名無しさん
いい投稿だった。解剖の内容は押しつぶされた傷みたいだと自分も感じていたし、ほかの部分にも全部それらしい説明がついている。ということは、①あなたの説が完全に正しくて謎は解けた、②あなたが犯人、のどちらかだね。

30. 謎の名無しさん
警察は殺人の筋で突き進みすぎて、引き返せなくなったんじゃないかと思う。28日に職場へ行ったとき、もう様子がおかしかったのかも知りたい。どちらにしても、たくさんの人に慕われた人だった。安らかに眠ってほしい。

未解決の謎

この事件が解けない最大の理由は、ウィーラーの最後の数時間が、誰の目にも、どのカメラにも残っていないことだろう。12月30日の午後8時40分ごろにネムール・ビルを出た彼が、どうやって20キロあまり離れたニューアークまで行き、どの時点で致命傷を負ったのか。タクシーの証言は、裏づけが取れないままだ。

薬局を出てから駐車場に現れるまでの30〜40分に何があったのか。片方の靴は、なぜ脱げたのか。スーツから紺色のスウェットに、どこで着替えたのか。ブリーフケースはどこへ消えたのか。解剖の詳細も薬物検査の結果も公表されていないため、「収集車の事故だったのでは」と考える人と、検視局の判断どおり「誰かに暴行された」と考える人の議論は、同じ材料をめぐって平行線をたどっている。

どちらの見方を取る人も、ひとつだけ一致していた。亡くなる前の2日間、混乱した様子の彼に声をかけた人は何人もいたが、彼は助けを断り続け、誰も最後まで手を差し伸べることはできなかった。

今回調べた範囲では、2026年10月の時点で、逮捕や容疑者の特定、死因の判断の見直しを伝える報道は見つからなかった。ジャック・ウィーラーの死は、いまも他殺とされたまま、誰の手によるものかも、本当に誰かの手によるものだったのかも分かっていない。

出典:Reddit r/UnresolvedMysteries/ニューアーク市警の発表(2010年12月31日、2011年1月2日)/AP通信/フィラデルフィア・インクワイアラー紙/WHYY/CBSニュース/NBCニュース

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