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【2008年】「靴下を買ってくる」88歳が徒歩5時間先の街で消えた——エディンバラ

【2008年】「靴下を買ってくる」88歳が徒歩5時間先の街で消えた——エディンバラ 行方不明・失踪

「靴下を買ってくる」。2008年6月17日の朝、スコットランド・リビングストンに住む88歳の女性は、夫にそう言って家を出た。向かった先は歩いて行ける地元のショッピングセンターのはずだった。ところが2時間後、彼女はそこから車で35分離れたエディンバラ中心部の目抜き通り、プリンシズ・ストリートの防犯カメラに映っていた。赤い買い物袋を提げ、杖をついて歩く姿。それが、メアリー・ファーンズさんの確認されている最後の姿である。

※ プリンシズ・ストリート:エディンバラ中心部を東西に貫く目抜き通り。片側に百貨店や商店が並び、反対側は公園と丘の上の城を望む開けた景観になっている。観光客と買い物客で常に混雑する、市内でもっとも人目のある通りのひとつ。

人通りの絶えない大通りで、真昼に、高齢の女性が忽然と消える。以来18年、遺留品ひとつ出ていない。

事件の概要

🗓️ 失踪日:2008年6月17日(火)

🌫️ 場所:スコットランド・エディンバラ市街地プリンシズ・ストリート(自宅は西ロージアンのリビングストン)

👤 行方不明者:メアリー・ファーンズさん(当時88歳)

🔍 状況:「靴下を買ってくる」と告げて自宅を出た約2時間後、地元ではなくエディンバラ中心部の防犯カメラに映る。赤い買い物袋を提げ、杖を使用

🕯️ その後:目撃情報も遺留品も一切なし。2010年に川で発見された遺体は、2012年に別人と判明

メアリーさんが暮らしていたリビングストンは、エディンバラの西およそ25キロにある計画都市だ。町の中心にはアーモンドヴェールという大型ショッピングセンターがあり、日用品の買い物はそこで完結する。娘は当時、「町に出かけること自体は珍しくありませんでした。母は頭のはっきりした人でしたから」と語っている。だからこそ、目的地が地元ではなくエディンバラだったことが、この事件の最初の謎になっている。

※ リビングストン:1962年に開発が始まったスコットランドの新興計画都市。エディンバラ都市圏のベッドタウンとして人口が増え、公共交通はエディンバラ方面の路線バスと鉄道が中心。徒歩ならプリンシズ・ストリートまで5時間かかる距離にある。

当時のスコットランドの警察組織は全国統合前で、エディンバラも西ロージアンも同じロージアン・アンド・ボーダーズ警察の管轄にあった。管轄をまたぐ捜索ではなかったにもかかわらず、彼女の足取りは防犯カメラの一枚から先に進んでいない。

※ 補足:スコットランドは2013年に8つの地域警察が統合され、現在のスコットランド警察(ポリス・スコットランド)になった。2008年当時、エディンバラと西ロージアンはともにロージアン・アンド・ボーダーズ警察の担当区域だった。

判明している事実

最後の記録は一枚の防犯カメラ映像
自宅を出ておよそ2時間後、メアリーさんはエディンバラ中心部のプリンシズ・ストリートを歩く姿を防犯カメラに捉えられている。この映像の人物がメアリーさん本人であることは家族が確認しており、これが確定している最後の目撃となっている。以降、彼女を見たという情報は一件も裏づけられていない。

赤い買い物袋を提げていた
映像の中で、彼女は赤い買い物袋を持っている。目当ての靴下を買い終えて帰路についていた可能性を示す一方、その袋も含め、所持品はひとつも発見されていない。18年間、彼女の持ち物と特定できるものは何も出ていない。

糖尿病と杖、そして薬
メアリーさんは糖尿病を抱え、歩行に杖を使っていた。認知症の診断は受けていなかったが、家族が初期症状を見落としていた可能性は当初から指摘されている。報じられた情報では、その日は薬を携帯していなかった。

2010年の遺体は別人だった
2010年、アーモンド川で発見された遺体がメアリーさんのものと考えられた時期があった。しかし2012年、この遺体は1996年から行方不明になっていた56歳の男性ジェームズ・アダムズさんのものと特定された。家族にとっては、いったん区切りがついたはずの話が2年後に振り出しへ戻ったことになる。

主な仮説

仮説1:帰りのバスを乗り違え、人けのない土地に降りてしまった

もっとも支持が多いのがこの見方だ。買い物を終えたメアリーさんが帰路のバスを取り違え、リビングストンを通り過ぎた先で降りてしまったという筋書きである。エディンバラの西側からラナーク、マザーウェルにかけての一帯には、泥炭地や旧炭鉱の跡地、ぼた山、調整池といった手つかずの土地が広がっている。高齢で杖を使い、薬を持たない状態でそうした場所に立ち入れば、発見されないまま時間が過ぎてしまう可能性は否定できない。

仮説2:身元不明のまま、どこかの制度の中に埋もれた

コメント欄で福祉の実務経験者から出た見方で、後から強い支持を集めた。倒れて保護されたものの自分の名前を言えず、身元を示すものも持っていなかったために、身元不明者として病院や施設で余生を送った、という筋である。2008年当時、現金だけを持って出かける高齢者は珍しくなく、その場合は照合の手がかりが残らない。ただし、彼女は高齢者用のバスパスを携帯していたはずで、それが失われていたのかどうかは分かっていない。

※ 身元不明者:英国では、意識障害などで自分の身元を説明できない人が保護された場合、行政の後見制度の下で財産や生活の管理が行われる。氏名が判明しないまま長期間その状態に置かれる例は、実務者によれば決して珍しくないという。

仮説3:市街地内で体調が悪化し、事故に至った

糖尿病の薬を持たないまま長時間出歩けば、低血糖による混乱が起きてもおかしくない。その状態で階段や川べりに近づけば、事故は十分に起こりうる。実際、川の中という可能性は今も完全には消えていない。一方でこの説には反論もある。最後に映っていた地点の周辺は公園も丘も管理が行き届き、常に人の目があるため、市街地のただ中で発見されずに済む場所がほとんど存在しないのだ。

仮説4:第三者が関わった

可能性のひとつとして挙げる人はいるものの、これを裏づける材料は現時点で何もない。犯罪を示す物証も、不審な人物の情報も公表されていない。杖をついた88歳が真昼の繁華街で連れ去られれば誰かの記憶に残るはずだ、という反論は根強く、コメント欄でも少数意見にとどまっている。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
当時あのあたりに住んでいたのに、この件が大きく報道された記憶がまったくない。靴下を買うだけならアーモンドヴェールで十分間に合うはずで、わざわざエディンバラまで出る理由が見えないんだよな。単に一日、町の外の空気を吸いたかっただけという可能性もあるけれど。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
帰りのバスを間違えた、というのはありそう。プリンシズ・ストリートみたいに人通りの多い場所でそのまま消えるほうが、よほど難しい。年齢を考えれば、行き先表示を読み違えるくらいのことは誰にでも起きる。

3. 謎の名無しさん(>>2への返信)
自分は逆で、間違えたのは行きのバスだったのではと思っている。慣れた場所と決まった手順の中でなら何の問題もなく暮らせていた人が、想定外の場所で降ろされた瞬間に手詰まりになる。そこから先は事故だったのか、誰かが関わったのか、どちらもありうる。

4. 謎の名無しさん
一番の謎は、リビングストンで買い物をすると言っていた人がなぜエディンバラまで行ったのか。地元で欲しいものが見つからず、ジョン・ルイスかジェナーズまで足を延ばしたと考えれば、防犯カメラに映った位置とも矛盾しない。自分の親戚にも、まったく同じことをやりそうな人が何人かいる。

5. 謎の名無しさん(>>4への返信)
当時のセント・アンドリュース・スクエアのバスターミナルは薄暗くて、案内表示も分かりづらい迷路みたいな場所だった。土地勘のある人間でも乗り場を取り違えるので、帰りの便を間違えたとしても不思議ではないと思う。

6. 謎の名無しさん
認知症の初期がどれだけ見逃されるか、みんな想像できていないと思う。うちの祖母も昔から方向感覚が悪い人で、ある日近所の人が見慣れない通りで困っている祖母を見つけた。でも一緒に歩き出したらすぐ元に戻って、何事もなかったように家まで帰れた。診断がついたのは、その何年も後だった。

7. 謎の名無しさん
慣れた家の周りなら完璧に見えるのに、段取りが少し崩れると一気に分からなくなる。うちもそうだった。だから「頭のはっきりした人だった」という家族の証言と、その日の混乱は矛盾しないと思う。家族を責める話ではまったくない。

8. 謎の名無しさん
2008年のバスに車内カメラは付いていたんだろうか。付いていたなら、どの便に乗ったかだけでも分かったはずで、そこが分からないまま終わっているのがずっと引っかかっている。

9. 謎の名無しさん
当時はまだ運転席のミラーで車内を見るだけだったはず。記録が残る形になったのはもう少し後だと思う。だとすると、彼女がどの便に乗ったかを裏づける手段がそもそも存在しなかったことになる。

10. 謎の名無しさん
バスの話ばかりになっているけれど、鉄道の可能性はどうなんだろう。最後に映っていた場所から階段を下りて50ヤードほど、およそ45メートルでウェイヴァリー駅に着く。リビングストンには北と南のふたつの駅があって、それぞれ別の路線で直通の列車が走っている。

11. 謎の名無しさん(>>10への返信)
ウェイヴァリーは当時からほとんどのホームに改札があったはずで、切符なしで乗ったなら駅員が気づいた可能性が高い。完全に否定はできないけれど、鉄道説は少し苦しいと思う。

12. 謎の名無しさん
鉄道の関係者に確認したら、20あるホームのうち改札が付いているのは今でも4分の3くらいらしい。長距離用のホームは端から端まで200メートル以上あって、物理的に改札を並べられないのだそうだ。つまり、抜け道は残っていたことになる。

13. 謎の名無しさん
昔イングランドで、行政の保護下にある人の財産管理の仕事をしていた。身元が誰にも分からないまま制度の中にいる人は、想像よりずっと多い。脳卒中などで倒れて、混乱していて自分の名前も言えない状態で見つかるケースだ。メアリーさんがその日、身元の分かるものを持っていたのかどうかが気になる。

14. 謎の名無しさん(>>13への返信)
少なくともリビングストンからエディンバラへ向かうときは、地元自治体が発行したバスパスを持っていたはずだ。スコットランドでは高齢者の路線バスが無料で、その証明になるカードを必ず携帯する。もしそれを市内でなくしていたら、と考えると嫌な想像になる。

15. 謎の名無しさん
自分が担当した身元不明の人たちは、本当に何も持っていなかった。名前の分かるものが一枚もない。2008年なら現金だけ持って出かける高齢者も普通にいたはずで、そうなると病院や施設に照会しても照合のしようがないんだ。

16. 謎の名無しさん
そもそも防犯カメラに映っていたのが本当に本人だという確証は、どのくらいあるんだろう。もし人違いだったら、捜索の起点そのものが最初から間違っていたことになる。

17. 謎の名無しさん(>>16への返信)
家族が映像の人物をメアリーさん本人だと確認したと報じられている。画像もかなりはっきりしていて、公開されている他の写真と特徴がよく一致している。少なくとも、人違いだと決めつけられる状態ではないと思う。

18. 謎の名無しさん
つらい話だけど、まだ川の中という可能性は残っていると思う。2010年に見つかった遺体が別人だったからといって、川そのものが除外されたわけではない。増水期に流れ込んでしまえば、何年も見つからないことは普通にある。

19. 謎の名無しさん
2010年に「メアリーさんだろう」とされた遺体が、2012年に1996年から行方不明だった56歳の男性だと判明した件が一番こたえる。家族は2年間、区切りがついたつもりで過ごしていたわけで、そこからまた振り出しに戻される。想像するのもきつい。

20. 謎の名無しさん
あの辺りをまったく知らないんだけど、帰りのバスを間違えて、どこか何もない場所で降りてしまった可能性はないのかな。そのまま迷って、寒さか事故で亡くなったのだとしたら、見つからないまま今日まで来ていることにも説明はつく。

21. 謎の名無しさん(>>20への返信)
それはかなりありそうだと思う。混乱した状態でリビングストンを乗り過ごし、さらに先で降りていたら、泥炭地や古い炭鉱跡、ぼた山、調整池のような場所に行き着いてしまう。フォルカーク、エディンバラ、ラナーク、マザーウェルを線で結んだ内側には、誰も手をつけられなかった土地がかなり残っている。

22. 謎の名無しさん
ネリー・ヘリオットさんの件と重なるところがある。アルツハイマーを抱えた96歳の女性が行方不明になり、13年後にようやく死亡が宣告された。似た構図の失踪がスコットランドで複数起きていることのほうが、自分には不気味に映る。

23. 謎の名無しさん(>>22への返信)
ただ、最後に映っていた場所のすぐ近くには、人知れず亡くなって見つからないような場所がほとんどない。アーサーズ・シートもカルトン・ヒルもプリンシズ・ストリート・ガーデンズも管理が行き届いていて、いつも誰かが歩いているし、そもそも身を隠せるほど草木が茂っていない。

24. 謎の名無しさん
ネリーさんのほうの防犯カメラの静止画も、見ていて胸が詰まる。ふたつの事件を同じ時期に知って、しばらく引きずった記憶がある。どちらも最後の一枚だけがきれいに残っているのが、かえって残酷だ。

25. 謎の名無しさん
公共交通機関で他の乗客の顔なんて、誰も覚えていない。よほど変わったことが起きない限り記憶に残らないし、記憶に残らなかったこと自体が何かの証拠になるわけでもない。そこが捜査を止めてしまったんだと思う。

26. 謎の名無しさん(>>25への返信)
高齢の女性がバスに乗っている、というのはどこの町でも毎日起きていることで、印象に残る理由がない。逆に言えば、誰も証言できなかったことは、少なくともその時点では何も異常が起きていなかったことの裏返しかもしれない。

27. 謎の名無しさん
6月のプリンシズ・ストリートは観光客であふれている。つまり、彼女を見ていたかもしれない人がスコットランドの外、下手をすると世界中に散らばっているということだ。行方不明になった事実自体を知らないまま、今も普通に暮らしている目撃者がいる可能性は高い。

28. 謎の名無しさん
糖尿病なのに薬を持っていなかった、という点がずっと引っかかっている。時間が経つほど体調は崩れるし、判断力も落ちていく。認知症があったかどうかの議論以前に、その日の午後の彼女がどんな状態だったかは相当厳しかったはずだ。

29. 謎の名無しさん(>>28への返信)
低血糖のときの混乱は、傍から見ると認知症とほとんど区別がつかない。受け答えがちぐはぐになって、通い慣れた道も分からなくなる。誰かが気づいて声をかけていたとしても、年相応の物忘れだと思われて終わってしまったかもしれない。

30. 謎の名無しさん
結局この件で一番やりきれないのは、報道がほとんどされなかったことだと思う。88歳の女性が真昼の目抜き通りから消えて、それでも大きな騒ぎにならない。若い人の失踪と同じ熱量で扱われていたら、あの日のバスや店の記憶が、もっと早く集まっていたかもしれないのに。

未解決の謎

この事件には、二重の空白がある。ひとつは「なぜエディンバラだったのか」。靴下を買うだけなら地元で足りたはずで、行き先を変えた理由が誰にも分からない。もうひとつは「そこから先が一切ないこと」。プリンシズ・ストリートという市内でもっとも人目のある通りで防犯カメラに映りながら、その後の目撃も、遺留品も、18年にわたって何ひとつ出ていない。

コメント欄で繰り返し語られたのは、この事件が特別に不可解だからではなく、むしろ「ありふれているから見つからない」という感覚だった。杖をついた高齢の女性が路線バスに乗っている光景は、誰の記憶にも残らない。異常が起きたとすれば、それは大通りではなく、誰も見ていない帰りの道のどこかだった可能性が高い。

そして2010年から2012年にかけての取り違えが、この事件をもう一段重くしている。川で見つかった遺体がメアリーさんのものと考えられ、2年後に別人と判明した。区切りがついたはずの家族は、そこからもう一度、何も分からない場所に戻された。

行方不明になった当時88歳だった彼女は、生きていれば100歳を超えている。それでも、赤い買い物袋を提げて歩く一枚の映像だけが残り、その先が空白のままであることに変わりはない。あの日、どのバスに乗り、どこで降りたのか。答えを持っている人が、今もどこかで自分の記憶の価値に気づかないままでいるのかもしれない。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレDeadline Scotland(2008年12月17日)

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