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【1995年】「犯人は戻って水を与えた」——縛られた男性が十日生きた末に遺した最大の謎

【1995年】「犯人は戻って水を与えた」——縛られた男性が十日生きた末に遺した最大の謎 未解決事件

クリスマスで人が消えたロンドン。強盗に押し入られ、暗証番号を奪われた末にベッドへ縛りつけられた53歳の男性は、助けを呼び続けたまま約10日間、誰にも気づかれなかった——。再開発を控えて住人がたった一人になった建物で起きた、イギリスでも「最も残酷な事件のひとつ」と語り継がれる未解決事件。犯人は一人だったのか複数だったのか、なぜ命だけは長らえさせたのか、その理由はいまも分からない。

事件の概要

🗓️ 発生日:1995年12月25日深夜〜26日未明(クリスマス)

🌫️ 場所:イギリス・ロンドン北部カムデン

👤 被害者:アラン・ホームズさん(53歳、ロンドン警視庁の民間職員・自動車整備士)

🔍 状況:強盗に侵入され、暗証番号を奪われた末にベッドに縛られ、約10日間放置された

🕯️ 発見/結末:1996年1月4日に発見、翌5日に脱水と血栓で死亡。犯人は未検挙のまま

アラン・ホームズさんは北アイルランド生まれ。ベルファストのクイーンズ大学で法律を学んだのち1964年にロンドンへ移り、1979年からロンドン警視庁の民間職員として、自宅から半マイルほどのケンティッシュ・タウン警察署で自動車整備士を務めていた。「社交的で友人が多かった」人物で、1995年のクリスマスも郊外アイルワースの友人宅で食事を楽しみ、深夜に車で自宅まで送ってもらっている。

事件が起きたのはその直後だった。当時、公開捜査番組「クライムウォッチUK」の司会を務めていたニック・ロスは、この事件を「我々が扱ってきた中で最も残酷な犯罪のひとつ」と評した。決して誇張ではなかった。同じ夜、彼の部屋からわずか50ヤードほどの店にも強盗が入っており、二つの事件が結びついていたのかどうかは、今も明言されていない。

※ クライムウォッチUK:イギリスBBCが放送していた公開捜査番組。未解決事件を再現ドラマで紹介し、視聴者からの情報提供を募った。

判明している事実

十日間、空きビルで放置された
無断欠勤から異変が発覚したのは1996年1月2日。3日に警官が訪ねたが応答がなく一度引き返し、4日に二重の玄関扉を破って踏み込んだとき、アランさんはまだベッドに縛られたままだった。翌5日、脱水と、手足の血流が止まったことによる血栓のため、搬送先のユニバーシティ・カレッジ病院で死亡。彼は声を上げていたが、住人が自分ひとりだけになった建物では、誰の耳にも届かなかった。

死の直前の「混乱した証言」
亡くなる前、アランさんは何が起きたのかを途切れ途切れに語った。犯人が後日ふたたび部屋を訪れて水を与えたらしい、という警察の見立ては、この証言が根拠とされる。ただし意識が混濁した状態での言葉であり、どこまで正確なのかは分からない。

二日間で約1,000ポンドが引き出された
12月26〜27日、彼のナットウェストのカードがオックスフォード・サーカスとサウスバンクで十数回使われ、当時の約1,000ポンド(現在の約2,030ポンド相当)が奪われた。銀行の防犯カメラから、オックスフォード・サーカスで四〜五回引き出しを試みた男の人相(22〜25歳、身長約185cm、短髪、細身で体格が良い、グレーのパーカー、ブルージーンズ、タンのティンバーランドのブーツ)が割り出されている。

消えた銀の写真立て
犯人はカード・運転免許証・パスポートに加え、10cm×13cmほどのアンティークの銀製写真立てを2点持ち去った。これらは今も見つかっていない。家族の形見だったとされ、換金目当てか、あるいは誰かへの贈り物だったのではという推測もある。

11年後に解読されたDNA
事件から約11年後の2006年、犯人のDNAが解読された。しかし全国DNAデータベースでは今も一致者が出ておらず、家族性DNA照合が試みられたのかどうかも公表されていない。当時は事件に多くの捜査資源が投入され、5人が逮捕(うち2人は事件直後にケンティッシュ・タウンで)されたが、いずれも立件には至らなかった。

※ 家族性DNA照合:全国DNAデータベース内で近親者の遺伝情報との部分一致を探し、そこから容疑者を絞り込む手法。実施には厳しい基準があり、イギリスでは年間の実施件数がごく限られている。

主な仮説

仮説1:行きずりの強盗が「縛りすぎた」偶発の死

もっとも支持が多いのは、金と暗証番号を奪った強盗が、被害者が自力で抜け出せないとは考えもせずに縛って立ち去った、というシンプルな筋。体格のいい男性を縛るには一人では難しく、不慣れな複数犯がきつく縛りすぎただけ、という見立ても根強い。10日間の生存は不運な偶然、という立場だ。

仮説2:顔見知り、あるいは合鍵を持つ人物

玄関は二重扉で、警察は両方を破って踏み込んだ。つまり犯人は立ち去る際に施錠していったことになり、合鍵を持っていた、あるいはアランさん自身が招き入れた可能性が浮かぶ。押し入った形跡がはっきりしない点も、顔見知り説を後押しする。

仮説3:立ち退き圧力の暴走

アランさんは再開発予定のビルで最後まで残った住人だった。かつて存在した「保護借家権」を持っていれば、退去させるには裁判と多額の補償が必要になる。そこで「脅し屋」が送り込まれ、脅しが行き過ぎた——という説。ただし、それなら金品を盗む理由が説明しづらいという弱点もある。

仮説4:水を与えに戻った人物は誰か(良心か、せん妄か)

犯人が後日ふたたび訪れて水を与えた、という見立ては、多少の良心を思わせる一方で、ならばなぜ解放も通報もしなかったのかという矛盾を残す。そもそも根拠が本人の「混乱した証言」だけで、せん妄による事実誤認だったとの指摘もある。映画『セブン』の模倣という説もあったが、同作のイギリス公開は事件後の1996年初頭で、時系列が合わない。

海外の反応

1. 謎の名無しさん
10日間ベッドに縛られたまま放置なんて、想像するだけで胸が悪くなる。助けを呼び続けても、空きビルでは誰にも届かなかった。最初に訪ねた時にドアを壊してでも入っていれば、彼は助かったかもしれない。そう思うとやりきれない。

2. 謎の名無しさん(>>1への返信)
8日でも無理そうに思えるけど、「水が少ない」のと「一滴も飲まない」のは別の話。壁の結露や汗を舐めるだけでも多少は延びる。オーストリアには独房に18日間忘れられ、壁の結露で生き延びた18歳の青年もいた。しかも砂漠と違って涼しいロンドンの室内なら、体力の消耗もずっと遅い。

3. 謎の名無しさん
犯人はもう一度金を引き出すか、正しい暗証番号を聞き出すために戻ったんじゃないかな。水を「取引」に使って、結局はそのまま見殺しにした——そう考えると、いちばん筋が通る気がする。

4. 謎の名無しさん(>>3への返信)
前にこの事件が投稿された時、「水を与えた後に犯人が別件で逮捕され、物理的に戻れなくなった」という説が出ていて面白かった。縛り方も水やりも過去に一件も似た例がないらしく、本当に異様な事件だ。

5. 謎の名無しさん
警察が「誰かが水を与えた」と見ているのは、時系列からの推定だと思う。12月26日から1月3日まで丸8日、水なしで正気を保って生き延びるのは限りなく非現実的だから、そう考えるほうが自然なんだよね。

6. 謎の名無しさん
イギリスは遺伝子系図捜査(DNAと家系図を突き合わせて容疑者に迫る手法)がまだ捜査に使えないのが痛い。アメリカでは黄金州の殺人鬼を捕まえた実績もあるのに、これが解禁されれば一気に進む事件だと思う。

7. 謎の名無しさん(>>6への返信)
犯人のDNAプロファイルはもう出ているんだから、なおさらもどかしい。プライバシーへの配慮は分かるけど、これほど重い事件については例外を認めてもいいんじゃないか。

8. 謎の名無しさん(>>6への返信)
全国DNAデータベース内での家族性照合なら制度上は可能。ただ実施は極端に少なくて、年に20件未満、少ない年は7件まで落ちた。選定基準も非公開。去年なぜか40件に増えたけど、その理由も明かされていない。

9. 謎の名無しさん
不可解な点が多すぎる。警察がドアを壊して入ったなら、犯人はどうやって入った? 本人が入れたのか、出る時に施錠したのか。強盗のわりに盗んだ物が少ないのも変だ。わざわざ縛る手間までかけたのに、通報を遅らせるためだけに縛ったんだろうか。

10. 謎の名無しさん
いちばんありそうなのは、強盗が金と暗証番号を奪って縛り、被害者が自力で抜け出せないとは考えもせずに立ち去った、というシンプルな筋。10日も生き延びたのは本当に偶然だったんだろう。いずれにしても残酷すぎる死に方だ。

11. 謎の名無しさん(>>10への返信)
その見立てに同意。おそらく不慣れな二人組が、単にきつく縛りすぎただけ、というのは十分あり得る。「水を与えに戻った」という話も、警察が”混乱した証言”を根拠に言っているだけで、せん妄や聞き違いだった可能性も残るんだよね。

12. 謎の名無しさん
当時クライムウォッチで見て以来、ずっと頭から離れない事件。これだけ大きく報じられたのに、いまだ誰ひとり責任を問われていないのが本当にやるせない。

13. 謎の名無しさん
犯人は彼がビル最後の住人だと知っていたのか、それともただの偶然なのか。もしかしたら「他の住人が見つけて助けるだろう」と思って縛ったのかもしれない。カードの利用履歴まで残っているのに、いまだ捕まらないのが不思議でならない。

14. 謎の名無しさん(>>13への返信)
根っこは「立ち退き圧力の暴走」かもしれない。再開発予定のビルで彼だけが出て行かず、1989年まであった保護借家権を持っていたら、追い出すには裁判と多額の補償が必要だった。だから脅し屋が送り込まれた——という筋。ただ、それなら物を盗む理由が説明できないのが弱点だ。

15. 謎の名無しさん
体格のいい男性を、一人で無理やりベッドに縛れるとは思えない。二人組か、あるいは本人が抵抗しなかった事情——性的な要素があった可能性も頭をよぎる。盗まれた銀の写真立ては、誰かへの贈り物だったんじゃないだろうか。

16. 謎の名無しさん(>>15への返信)
性的な動機は当時から示唆されていた。ただ人相書き(eフィット)は一枚も公開されず、容疑者像も動機も公になっていない。犯人の人種すら公表されておらず、手がかりが驚くほど少ないのが実情なんだ。

17. 謎の名無しさん
写真立ては妹さんが「家族の形見」と説明できたらしい。だとすれば身内への贈り物だった線もある。水を与えに戻ったのが本当なら多少の良心はあったはずで、それならなぜ匿名でいいから警察に居場所だけでも知らせなかったのか。そこがどうしても引っかかる。

18. 謎の名無しさん
現金自動預払機の男は、暗証番号を焦らず淡々と打ち込んでいたという。後ろに並んでいた女性も、体臭や身なりの乱れを証言していない。ホームレスというより、施設住まいか保釈中の人物の落ち着きに近い気がするんだよな。

19. 謎の名無しさん(>>18への返信)
元刑務所長に聞いた話では、犯人はサイコパスというより「若くて完全に手に負えなくなった人間」ではないか、と。年を取って精神的に耐えきれず自首してくる重大犯を何人も見てきたそうで、この犯人もいつか出頭するかもしれない、と話していた。

20. 謎の名無しさん
映画『セブン』との関連がずっと言われている。名作なのは間違いないけど、同じ1995年に起きたこの事件と本当に無関係なのか、どうも引っかかるんだよな。

21. 謎の名無しさん(>>20への返信)
でも『セブン』のイギリス公開は1996年の年明けすぐだよ。事件はその前だから、模倣というのは時系列的にちょっと無理があると思う。

22. 謎の名無しさん
誰かが「警告として痛めつけろ」と実行役を雇い、様子を見に戻らせた——という筋も考えられる。戻った実行役が水だけ与えて去り、その後に逮捕か入院か、あるいは雇い主から金をもらって街を出た、とか。それなら足取りが消えるのも説明はつく。

23. 謎の名無しさん
食物も水もなしで生き延びた世界記録は18日らしい。だとすれば10日は十分あり得る範囲だ。壁の結露を舐めて多少の水分は取れていたという話もあるし、完全な「ゼロ」ではなかったのかもしれない。

24. 謎の名無しさん(>>23への返信)
とはいえ普通の人間なら水なしで3〜5日が限度だから、10日はやはり相当に異例だよ。可能ではあるけれど、そう何度も起きることじゃない。

25. 謎の名無しさん
カードを使った人物が何度も試して、最終的に成功しているのが引っかかる。暗証番号は知っているか知らないかのどちらかのはずで、当てずっぽうで通る確率はまずない。聞き出した番号を書き間違えていた、という線が現実的かもしれない。

26. 謎の名無しさん
初めて知った事件。気の毒すぎる。それにしても、あの『ザ・サン』にリンクを張らずに紹介してくれたのがありがたい。こういうところに良識を感じるよ。

27. 謎の名無しさん(>>26への返信)
分かる。イギリスで過去記事を無料で読めるのは実質ガーディアン・インディペンデント・BBCくらいで、この手の古い事件は資料そのものが手に入りにくいのが本当に厄介なんだよね。

28. 謎の名無しさん
地図を作ってくれたおかげで位置関係がよく分かった。強盗に入られた店から被害者の部屋まで50ヤードほど、しかも建物の裏手づたいに移動できたのでは、という指摘にはなるほどと思わされた。

29. 謎の名無しさん(>>28への返信)
犯人がカムデン・タウン駅から地下鉄で逃げた、というヒントも当時あったらしい。ただ1995年当時は始発が今より2時間ほど遅く、それだと逃走は26日の朝8時頃になる計算になるんだよね。

30. 謎の名無しさん
これだけの取材と報道があって、犯人が一人だったのか複数だったのかすら分からないというのが恐ろしい。どうか、いつの日かアランさんに正義がもたらされてほしい。

未解決の謎

30年近く経っても、この事件の核心はほとんど何も分かっていない。犯人は一人だったのか複数だったのか、地元の人間か、よそ者か、ホームレスだったのか——公式にはそのどれもが確定していない。人相書きも一枚公開されず、動機さえ公になっていない。事件直後に大量の捜査資源が投じられたにもかかわらず、である。

もっとも重い謎は「なぜ命だけは長らえさせたのか」だ。犯人が水を与えに戻ったという見立てが正しければ、そこには一片の良心があったことになる。だが、ならばなぜ解放も通報もしなかったのか。逆にそれが死の直前の「混乱した証言」から生まれた誤解にすぎないのなら、彼はただ縛られたまま、十日をかけて衰弱していったことになる。どちらにしても、あまりに残酷だ。

解決を阻んできたのは、情報が小出しにされ続けたことと、当時の地方紙の多くがデジタル化されずに失われてしまったことも大きい。解読済みのDNAはあるのに、家族性照合が試みられたのかすら公表されていない。カムデン・ニュー・ジャーナル紙は毎年の年始にアランさんの写真と事件の詳細を載せ続け、その営みはまもなく30年になる。手がかりが尽きた事件を、それでも忘れさせないための、小さな抵抗のようにも見える。

出典:r/UnresolvedMysteries 元スレ